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日本の絵本・童話・児童書・ティーンズ小説

June 13, 2017
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みなさん、こんばんは。パンダの赤ちゃんが産まれましたね!
無事に育ってほしいです。つぶれずに。

昨日に引き続き草野たきさんの作品を紹介します。

メジルシ
草野たき

『ハチミツドロップス』の著者、草野さんの作品。

 両親の離婚を前に、父親の希望で家族で北海道旅行に出かける中学生・双葉が、物語の主人公。『ハチミツ~』では、主人公の妹が「或るモノ」を食べるシーンがさりげなく出てくる。
そしてこの「或るモノを食べる行為」が、家族の秘密と繋がっている。『メジルシ』でも、『ハチミツ~』と同じく、主人公がこだわっている「或るモノ」が冒頭からさりげなく出て来て、家族の秘密と繋がる。好意を素直に表す父・健一と、感情を表に表せない母・美樹。夫の好意を鬱陶しく感じる美樹も、受け入れてもらえない健一も、どちらの心も痛い。

 「好きな人に喜んでもらいたい」という思いと、「喜んでもらって、自分を好きになってもらえればいい」という気持ちを線引きするのは、とても難しいから。祖母と母・美樹と双葉、母娘三代の関係は、よしながふみさんの漫画『愛すべき娘たち』の最終話を彷彿とさせた。


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最終更新日  June 13, 2017 06:28:17 PM
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June 12, 2017
みなさん、こんばんは。支持率が下がってきたからあわてて政府が加計学園の調査を始めましたね。見苦しい。

さて、こちらの小説はとある学校の部活がテーマです。

ハチミツドロップス
講談社文庫
草野たき

なんとも甘い名前のタイトルは、とある中学のソフトボール部の別名。「試合に出て勝ちたい」だの「ソフトボールの腕を磨きたい」なんて目標を持たず、「ただお気楽にやってられればいいな~」と思ってる女の子達の集まり。

 その筆頭が、キャプテンに選ばれたカズこと水上果豆子(かずこ)。BFもいるし、出張中の父と母と妹と平凡に暮らしている。このまま3年生になって、何となく引退という道筋が出来ていたのに、熱心な妹チカがソフトボール部に入部してきたことから、平凡な暮らしが崩れ始める。おや、どこかで読んだようなストーリー。例えば、日常に無自覚だった働く女性が、会社のリストラやら組織改編で、自分を見つめ直す…なんて、平安寿子さんの小説にありそうだ。

 「自分らしさ」と「本当の自分」の狭間で悩む姿は、古今東西、いつでも、どこでも、同じこと。やせ我慢も意地悪も、悲しみさえも、みんな自分の肥やしにしてゆくオンナノコの逞しさは、こんな頃から培われてゆくんだなぁ。


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最終更新日  January 11, 2019 12:11:19 AM
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August 23, 2016
みなさん、こんばんは。
オリンピック終わってしまいましたね。
台風で帰れましたか?
東京は散々でした。

こちらはハワイに行った少女のひと夏の物語です。

ちなつのハワイ
大島真寿美

大島さんの作品が扱っているのは、一貫して「家族の崩壊と再生」。そして再生のために、或いは傷を癒すために、ヒロインは旅をする。『香港の甘い豆腐』では、高校生になりたての彩美が父に会うため香港に旅立ち、『水の繭』では奔放な瑠璃が家出を繰り返す。

 本作のヒロイン、ちなつもやはり旅に出る。行き先はハワイ。でも彼女はまだ小学生で、一人で旅行はできない。家族と一緒だから、自分をじっくり見つめ直したりはしないが、代わりに家族を別の側面から見るようになる。手助けをするのは、菅沢にいるはずのおばあちゃん。日本にいるはずの人が海外にいて、しかもそれが、ちなつにしか見えないとくれば、その正体は、皆さんご想像の通り。

 でも、「な~んだ、子供だましじゃない」と興ざめはしない。「海外でも仕事、仕事のお父さん」「家族の幸せにこだわるお母さん」という両親の年に近いため、自然と彼等の心情に寄り添えるからだろう。読み終わった後、あなたも、誰かに「マハロ(ありがとう)」と言いたくなるかもしれない。


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最終更新日  August 23, 2016 12:06:50 AM
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July 11, 2016
みなさん、こんばんは。

昨日は遅くまでテレビで選挙関連のニュースばかりでした。

さて、こちらはありふれた毎日の素晴らしさをうたった絵本です。


マルスさんとマダムマルス
ささめやゆき

 鴨長明は、こう詠んだ。
ゆく川の流れは絶えずして、しかももとの流れにあらず。

 今、朝のラッシュの光景も、やはり一つの川である。
JRの通路を歩く。段差があるので、遥か彼方からずっと先の改札口へ、同じ方向に向かって動いてゆく人の頭が見える。頭だけ見ていると、一定の早さで寄せてゆく一つの大きな波のようだ。数カ月前、同じ時間に、私はこの流れの中にいなかった。あの時と、今と、時間は同じように流れているのに、どうしても今の方が、早い流れに思えてならない。

 時間の長さは、世界同じであるはずなのに、ノルマンディ半島の小さな海辺の村に滞在したささめやさんや、大家さんのマルスさんとマダムマルス(シモーヌ)のまわりでは、ゆるやかに時間が流れているようだ。かつての時間が、懐かしくなる。けれど、彼等の時間も特別ではない。決して時間は止まらないし、二度と同じ時間は流れない。遠くから見た人の波の一つ一つが、決して昨日と同じではないように。マルス夫妻のまわりでも、結婚、出産、死別など、昨日と違う出来事が起こる。いずれはこの村を離れる事がわかっているささめやさんはかけがえのないひとときを、一枚一枚絵に残してゆく。
 いくつもの時間の流れの中に、埋もれてしまわないように。
 記憶の底に、沈まぬように。



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最終更新日  July 30, 2016 07:07:23 PM
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April 3, 2015
みなさん、こんばんは。旅行から戻ってきてあっという間に一週間がたちました。早いですね。働いているからかな。さて、とっておきの絵本を紹介します。

ぐりとぐら こどものとも傑作集 21
中川 李枝子

「私が子供を産んだら、絶対にこの本を読んできかせるんだ。」
昼食時に、そう言ったのは、私より9才年下の女性。
「うーん、その気持ちわかるなぁ。」
と言うと、
「あ、それそれ、知ってます。」
ともう一人、年下の女性が加わる。
「確か、卵でホットケーキつくるんですよね。」
「そ、それは『ちびくろさんぼ』だよ。」
「え、オムレツじゃないの?」
多少の記憶のすりあわせ作業ののち、再び会話がはずんだ。

野ねずみぐりとぐらが森の中で大きな卵を見つける。
彼等はその卵で、カステラを作ろうと考える。
「そうそう、あのふんわりしたカステラ、おいしそうだった
よねぇ?」
妹・山脇百合子さんの挿絵によるカステラは、本当にふかふかしていておいしそうだった。子供の頃見た黄色い巨大カステラは、大人になった今でも、元少女達に強烈な印象を残していた。
印象に残っているといえば、七五調で、何かの呪文みたいな、
この言葉。

ぼくらがいちばん  すきなのは
おりょうりすること たべること
ぐり ぐら ぐり ぐら

元の絵本は、今はもう、誰一人持ってなかったけれど、みんな間違えずに暗証できた。
食べた後の卵の殻も、捨てないでちゃんと利用している所も
「えらいよねぇ。」と一同感嘆。

初版は1963年。今年で出版以来何52年。この分ならば、半世紀、いや永遠のベストセラー。
今までも、そしてこれからも、最も愛される子供の絵本の一つ。











最終更新日  October 15, 2019 10:54:39 PM
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December 2, 2014
みなさん、こんにちは。インフルエンザが流行の兆しですね。私は今日ワクチン接種してきましたよ。みなさんはお済みですか?
さて、今回は最近新作を発表した大島さんのティーンズ向け作品を紹介します。

香港の甘い豆腐

大島 真寿美

進学か就職かという進路は、否が応にも見えてくる十八才。高校生になりたての十六才。二つの間の十七才は、どうにも中途半端だ。とうてい将来の姿なんて思い浮かべられないのに、大人達は、「あと一年なんてすぐなんだから勉強しなさい。」「ちゃんと将来の事考えなさい。」とせっつく。それも、自分達がその頃どうだったかなんて、すっかり忘れた口ぶりで。

「そんな事言われても、スタートラインもゴールも見えないのに、何に向かってどこを走るっていうのよ。」
主人公・彩美も、やっぱりモヤモヤした思いを抱いていた。親の小言に「しょーがないなぁ。でも、あーやっぱりノラない。」とボヤきつつ、机に向かうのが、こういう時の無難なやり方。だけどあいにく彩美には、伝家の宝刀とも言うべき一言がくすぶっていた。「これを言ったら、母さんは絶対何も言い返せない。」と確信を持てる、この言葉。
「どうせ父親も知らない私ですから」
効果は抜群。母親は口をぱくぱくさせて沈黙。
ところが、この先が予想とは違っていた。
母親は、銃口をつきつけるように彩美にパスポートとチケットを握らせ、一緒に香港に旅立つ。

「銃口をつきつけるように」とは、穏やかでない。並々ならぬ決意が見てとれる。「お母さんは、さぞかしあれこれ思い悩んだ末に出かけたのだな」と思ったが、後に明らかになる経緯からすると、これが的外れ。かなり行き当たりばったりの選択だったようだ。但し、いざ「これだ!」と決めた後の勢いはある人だ。行き先が香港で良かった。ヨーロッパだったら、これほどフットワークは軽くあるまい。
母親の母親-つまり祖母も、かなりユニークな人だ。
何せ、まだ見ぬ父親にこれから会うという彩美に対する最初のアドバイスが、
「どついて、蹴りたおして、成敗しておいで。」
なのだから。

そんな二人の遺伝子が入っている彩美だから、どうしてなかなかたくましい。おろおろする母親を尻目に、ホームステイを決め、香港の言葉や食べ物に、どんどん馴染んでいく。行った所がまた、良かったんだろう。遠慮が美徳の日本とは違って、狭い領土に沢山の人が住んでいる香港では、皆「怒ってんのか?」って勢いで自己主張している。そうしないと自分が埋もれてしまうのだ。ホームステイでは、カルチャーショックを受けて萎縮する場合もあるが、彩美の場合はプラスに働いたようだ。日本にいる時は気になっていた母親や祖母の言い争いも、コントとして聞き流せるようになり、もやもやしていたスタ−トラインも見つけてしまう。

醤油と鰹節、または味噌汁。日本料理なら豆腐の定番料理はこれ。でも、中国に行けば、また違った豆腐の味が楽しめる。
人だって、おんなじだ。
「自分の世界は、目に見えるここしかない。自分のキャパは、これしかない。」そう決めつけてしまう前に、すぐ側にある甘い豆腐に、ちょっと箸をつけてみませんか?


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最終更新日  December 6, 2014 11:06:58 AM
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November 29, 2014
2015年1月に映画が公開される大島さんの作品チョコリエッタ を紹介します。


チョコリエッタ
大島真寿美

高校二年生の宮永知世子には、もう一つの名前がある。チョコリエッタ。両親が好きだったフェリーニのミューズ、ジュリエッタ=マシーナにちなんでつけられた名だ。だが今では誰もその名前で彼女を呼ばない。一緒に育った雑種犬ジュリエッタが死に、知世子、そして家族にもそれぞれ変化が訪れようとしていた。

『香港の甘い豆腐』『水の繭』のように、本作もまず「後追い自殺しそうな勢いで嘆き悲しんだ」愛犬ジュリエッタの死という喪失から始まる。ヒロインの年齢は『香港…』と同じ十七才。大人に向かおうとしている部分と、子供でいたい部分とが、引っ張り合いっこをしている、中間の時代。しかし喪失から抜け出られないのは、何も十七才だけじゃない。母の死から未だに立ち直れない父。知世子が出会う高校の先輩・正岡正宗も「永久浪人を目指す」と宣言するが、どこにも属せない自分をもてあます内心のイライラを見抜かれる。唯一向かうべき未来を持っていた叔母・霧湖は、知世子にこう言わずにはいられない。「人が変わるっていうのは、悪い意味だけじゃない。成長したってだけで変化はともなうものでしょ。そういう時はしがみついているべきじゃない。変わればいいのよ。どんどん変わっていけばいいのよ。」

喪失を実感する前に、「わけのわからない影にすっぽり覆われてしまった」知世子。家の事を霧湖に任せて、外に出てばかりいる父。傷に触れまいとする互いの配慮が、かえって傷を修復せずに、長引かせてしまう。そんな閉塞した空間に突破口を開けるのは、外部からやってきた人間にしかできない。正宗に対しては祖父が、知世子に対しては正宗がいた。言い方は乱暴だけど、味のあるキャラクター、正宗と知世子の、恋愛の一歩手前のような関係が、さっぱりしていていい。全てが新しく始まる春という季節に、足踏みしていた彼等が、季節が進むにつれて、少しずつ再生へと向かってゆく姿を描いた佳品。


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最終更新日  November 29, 2014 10:08:05 AM
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November 14, 2014
みなさん、こんばんは。
錦織選手凄いですね~。それにしても師走に選挙とは忙しい。

さて、こちらはそんな忙しさとは対極にあるカフェの物語です。

ヴァン・ゴッホ・カフェ
The Van Goth Cafe
シンシア・ライラント

表紙の絵の上半分に原文が、下半分にはコップやポットが置かれています。
見ようによっては、壁に英文が書かれているみたい。
そういえば、最近見かけるカフェショップでも、テーブルや壁に、英文が書かれています。

「何が起こっても不思議ではない」「魔法」
これらの言葉が物語の中で繰り返し語られます。まるで呪文を
かけてゆくように。そのうち、段々不思議な事に、
いつしか「このカフェでは何でもありだ。」という暗示にかかって
しまうのです。

各話は常に、次の話に繋がる終わり方をしています。
1話の最後の文章は、「オポッサムがそうでした…」となっていて、
2話目はオポッサムの話から始まる、という風に。

そういえば、夜になると、母はいつも、自作の物語を語ってくれました。
そして決まって、いつもいい所で、物語を区切り、こう
言いました。
「さあ、今日は、ここまで。明日の夜になったら、話してあげる。
その時まで、あの子に何が起こったか、いろいろ考えておいて。
よかったら、明日の晩に、お母さんに聞かせてくれるかな?」
私は、わくわくしながら、うんうんと頷きました。
そして電気を消してからも、
「どうなったろう、あの子たち、大丈夫かな?」と
気になってなかなか寝つけなかったものです。

きっとこの本を読んだ子供達も、一つ話を読んでもらう度に、
「オポッサムがどんな風になるのだろう。クララとお父さんのマークは、
どうするのだろう。」と1日中、その事ばかり気になって、明日が来るのをわくわくしながら待っているだろう。 「いまになにか起こる、きっと起こると思いながらどきどきしていた」クララの
ように。
そして、いつか、眼を輝かせて物語の冒険に聞き入った子供達は、心の中で、こう思っているかもしれません。
「大きくなったら、私のヴァン・ゴッホ・カフェを探しに行こう。」

一つ一つのエピソードの、どれもが心暖まる話でしたが、老スターの訪ねて くる話が、特に良かったです。
あなたも、それぞれのお気に入りを、どうぞ探してみてください。


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最終更新日  November 14, 2014 08:04:49 PM
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October 28, 2014
ルチアさん
高楼 方子

『もうずいぶん昔のことです。』で始まる物語は、いつの事とも、どこの国とも限定していないお屋敷に住む二人の娘スゥとルウルウが主人公である。
出久根育さんの描く人物は、いつも、まっすぐ前を向いていない。体はここに在りながら、心は別の所を見ている。そんな人の目をしている。
たそがれ屋敷と呼ばれる一軒家に住むスゥとルウルウも、
やっぱりそんな人達の仲間。とはいえ、奥さまと、
非常に分かりやすいネーミングのふたりのお手伝いさん、
エルダ(Elder)さんとヤンガ(Younger)さんとの二人暮らしは、特に逃げ出したいほど
嫌というわけじゃない。ただ二人は、時折父が持って帰ってくる水色の玉に、 訳もなく惹かれていた。
そんな時三番目のお手伝いさんとしてやってきたルチアさんに、同じ輝きを見つけてしまった事から、平凡な日々に動きが生じる。

外国暮らしの父に対して、ルチアさんは隣町から通ってくる。だから玉の輝き は場所に拠るものではない。じゃあ一体、何なのか? ヒントはこれかもしれない。
屋敷の人々は、ルチアさんの前では、「昔ああしたかったのよ。」「本当はこうしたいのよ。」と
夢を語る。いつも心をどこかに忘れてきたような眼差しで、遠くを見ている奥様までも。
大人達ならば、大抵見当のつく答えを求めて、二人の姉妹は初めての町に出かけてゆく。
お人よしの二人は、ルチアさんの娘ボビーに手玉に取られてしまうが、それでもやっぱり
冒険は楽しくて、わくわくして。

後半姉妹の行く末は、『ナルニア国物語』の『さいごの戦い』を
思わせる。『ライオンと魔女』でアスランを裏切ったエドマンドが、最後までアスランを信じ続ける一方で、模範的少女だったスーザンは、「ナルニア」の事を単なる遊びとしか捉えなくなる。同じきょうだいでも袂を分かったペペンシーきょうだい同様、スウとルゥルゥも別の人生を歩む。
かつて同じ玉を求めた仲なのに、もう二人の見ているものは同じじゃない。
けれど最後にもう一つ話を付け加えた事で、子供時代の終わりというありきたりの寂寥から、この物語は救われる。
いくつになっても、外見がどんなに変わっても、人は心に輝くものを 持つことができる。そんなメッセージを感じたが、他の読者は水色の玉から何を受けとったのだろうか。読む人によっていろいろに感じ取る事のできる作品だと思う。


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最終更新日  October 28, 2014 06:31:36 AM
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September 25, 2014
みなさん、こんばんは。未だ風邪を引きずっています。今朝の『花子とアン』の茂木健一郎さんの出演にはなんだか困惑してしまいました。だってまるっきり台詞をしゃべってるんですもの。彼の出演を決めた理由って何だったんでしょう?売れていれば何でもいいのかな?残念でした。

さて、こちらは喪失感を抱えた少女の物語です。


かなしみの場所
大島真寿美

離婚して実家にもどり、雑貨をつくりながら静かな生活をおくる果那。彼女は、夫と別れるきっかけとなったある出来事のせいで、自分の家では眠れないのに、なぜか雑貨の卸し先「梅屋」の奥の小部屋では熟睡することができる。梅屋で働くみなみちゃん、どこか浮世離れした両親、賑やかな親戚、そしてずっと昔、私を誘拐したらしい「天使のおじさん」。夫の失踪を若者が伝えに来た事から、果那は自分の失われた過去へと向かう。

『チョコリエッタ』『水の繭』と同じく、喪失感を抱いた人々が、再生に向かう様を描いた作品。上記二作品の主人公が喪失を自覚していたのに対し、本書のみなみと果那は、他者によって自分の喪失を知らされる点が異なる。
1.最も知っている自分という存在に欠落した部分がある事を知り
2.更に自分より先に第三者が知っていた事
で二重にショックを受け、アイデンティティがぐらつく。みなみの抱く「私の知らされていないところにまだ何があるんだろうっていう畏れ」は、やがて「確かなものなんて、あるのか」という現実社会全てへの不安へと繋がる。

果那の抱える喪失は、ある家族の抱える喪失とも密接に繋がっていた事が中盤で明かされる。彼女が喪失から再生に向かうきっかけを与えるのは、自らも同じ道程を辿った或る人物。自分の行動を後悔しながらも、「きみをさらったからこそ、新しい道に抜けられたのかもしれない。」と言う彼に後を押されるように、果那もまた、「自分がしっくりくる ぴたっと嵌る」場所を見つける。この辺の展開が、誘拐された過去を持つ主人公、その事実が、川原由美子の『観用少女』の一挿話『嵐』と似ている。さまざまなひとの、さまざまな人生が、ドラマティックにではなく、ゆっくりと描かれてゆく。
変わり者と言われながらも、人の心の機微に詳しい果那の父、喪失を知っても前へ進んでゆくみなみのキャラクターが印象深い。


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最終更新日  September 25, 2014 07:17:45 PM
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