【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

映画・海外ドラマ・本 ひとこと言いた~い

映画・海外ドラマ・本 ひとこと言いた~い

カレンダー

コメント新着

お気に入りブログ

17歳のカルテ New! ジャスティン・ヒーハーフーさん

今日は久しぶりの雨… 天野北斗さん

網走から北見へ(北東… ちーこ♪3510さん

5月☆ fujiうさぎ=^・^=さん

憂きも一時 小烏丸の”てる”さん

プロフィール

hoshiochi

hoshiochi

キーワードサーチ

▼キーワード検索

全て | 料理&お菓子&旅&演劇&その他2 | フランス映画 | 韓国ドラマ・赤と黒(ナップンナムジャ) | その他の地域の映画&ドラマ | アメリカ映画 | 韓国映画 | 真田広之 | 韓国ドラマ | アメリカドラマ | その他のジャンルの日本の小説 | 日本のミステリー小説 | イギリスドラマ | よしながふみ漫画&ドラマ&映画大奥 | 漫画・アニメ | 日本ドラマ | 中国&台湾映画 | 日本の作家が書いた歴史小説 | 海外のノンフィクション・エッセイ・その他のジャンル | 東欧・ロシア映画 | イギリス&アイルランド映画 | オランダ映画&オランダドラマ | 北欧映画 | その他のジャンルの海外小説 | 日本の絵本・童話・児童書・ティーンズ小説 | 日本作家によるノンフィクション&エッセイ・その他のジャンル | 日本映画 | 海外の絵本・童話・児童書・ティーンズ小説 | カナダの映画&ドラマ | ドイツ映画&ドイツドラマ | 日本のファンタジー小説 | 海外のミステリー&ファンタジー小説 | 堺雅人 | 日本ドラマ:歴史ドラマ&時代劇 | 三浦しをん:まほろ駅前シリーズ | 山田風太郎 | 香川照之 | 松山ケンイチ | 海外の作家が書いた歴史小説 | ジェイク・ギレンホール | イギリスドラマ:SHERLOCK | 塩野七生 | 吉田鋼太郎 | イタリア映画&イタリアドラマ | ローズマリー・サトクリフ | 大杉蓮 | ベネディクト・カンバーバッチ | インド映画 | 長谷川博己 | 内野聖陽 | 林遣都 | ムロツヨシ | ジョシュ・オコナ― | 井浦新 | 菅田将暉 | ディーン・フジオカ | 台湾ドラマ&中国ドラマ
June 6, 2012
XML
人形と少女の交流を綴った文庫本です。


【送料無料】りかさん楽天ブックス


『りかさん』 梨木 香歩 / 新潮社
小椋冬美さんの漫画『Mickey』には、人形から転じた妖精シンシアが登場します。ラブコメディなので主な役どころは、はなはだ頼りない恋のキューピッドでしたが、もう一つ、彼女は大切な役目を果たしていました。「男の子みたいで恋なんか似合わない」と周囲から見られていたミッキ-の内面を誰よりも敏感に察し、時には不平不満を聞いてくれる一番の親友だったのです。だから、見かけに惑わされないグレイの登場により、彼女は役目を終えて眠りにつくのです。

シンシアがミッキ-にしていた事は、本作で、ようこのおばあちゃん-麻子が言う
「生きている人間の強すぎる気持ちをとことん整理してあげる」
人形の役割そのものです。また、日本で古来から雛祭りと同時に行われる雛流しでは、人の代わりに人形を流すことで、罪や汚れを洗い流し、無病息災を祈ってきました。「養子冠の巻」「アビゲイルの巻」に登場する人形が抱える屈託は、人形に関わった人間の過去や感情と深く結びついています。大人の女の人が抱くと、その深層心理の底の底にある般若まで引っ張り出すりかさんは、少し恐く感じました。
読んでいくうちに、私は、この人形達の為して来た事/為すべき事は、そのまま人間にも当てはめられるのではないかと思いました。
濁った感情を吐露もできず、また昇華もできずにいた人に会った時、吸い取り紙のように感情の濁りの部分だけ吸い取っていくのは、人間にもできます。「相手の生気まで吸い取りすぎたり、濁りの部分だけ相手に残して、どうしようもない根性悪にしてしまう」のは、人生の修練を積んでない人間が、うまく対処できなかった場合でしょう。そして正しく大事に扱われて来た人間は、とても気立てがいい人になるでしょう。
麻子が「ようこは媒染剤みたいな人になる」と言ったのは、つまりはりかさんのような人を示唆しています。そして
文庫版書き下ろし「ミケルの庭」で、大きくなった蓉子は
「暖かさに満ちて力強い まるでその上から何世代もの女たちの手がふわりと重なっているかのように」ある人を抱きしめ、その苦痛を取り去ります。りかさんの役割を、見事に果たしているわけです。かつて自分を襲おうとした、桜の老木に対しても、優しい心を持ち続けたようこが、確かにそこにいました。

自分勝手な人が増えたと言われます。自分の言いたい事だけ言い、やりたい事だけやっていればいい。でもそれでは、望みがぶつかって、弾き飛ばされた人の思いはどこへ行くのでしょう。誰かが受け止めなければなりません。もちろん、その人の思いに、無理に全く同調する必要はないのです。基本的スタンスは、梨木さんのエッセイ『春になったら苺を積みに』のボウエン夫人の「理解はできないけど、受け入れる」、まずそこからのスタートなら、できるような気がしませんか。






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  May 14, 2014 12:16:18 PM
コメント(0) | コメントを書く
[日本の絵本・童話・児童書・ティーンズ小説] カテゴリの最新記事


PR


© Rakuten Group, Inc.