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September 24, 2014
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みなさん、こんばんは。
すっかり風邪をひいてしまいあひる声になってしまいました。気持ち悪い。
でも仕事は行ってきました。今日行けばあと半分です。

今日は日本の作家、梨木香歩さんの作品を紹介します。

丹生都比売
梨木香歩作品集

11才の草壁皇子。父は現天皇天智帝の弟、大海人皇子。母は天智帝の娘で大海人皇子の姪でもある讃良皇女。大海人皇子は、兄が息子の大友皇子に帝位を継がせたいのを察し、僧形となり妻子を連れて吉野に逃れた。そして今、天智帝の死を迎え、時代は動こうとしていた。

 何なんだろう、この静かな佇まいは。これが著者の文章から受ける印象でした。
オープニングとエンディングが殯になっているこの物語は、底辺に死というテーマが流れ続けているように感じます。パイプオルガンで最低音をずっと弾き続けている様子を想像してみて下さい。

マザーグースの一節を思い出しました。
「お父さんが私を殺した お母さんが私を食べてる」
自分の死をも客観的に見る「私」こそ、草壁皇子であるように思います。
「私を食べるおかあさん」は讃良皇女。彼女は予言を聞き、夫を鼓舞するシェイクスピアのレイディ・マクベスのようです。ただし本家よりずっとタフで、いざ事を成した後でも「この血は大海の水をもってしても洗い流せない」と錯乱することはありません。
草壁皇子は、このパワフルな両親から生まれたとはとても思えません。むしろ彼等とは対極にいる存在です。俗に対する聖というわかりやすい描かれ方をしています。

 「おとうさまやおかあさまは忠誠を存分に身に受けて少しも怯む事なく光り輝いて見える。」と思いつつも、「自分にもそれができる」とは言わない草壁。誰よりも彼自身が、親達と決定的に違う事に気づいています。燕の宮殿で親に見捨てられる雛が誰であるかということも。
草壁は、周りが見ていない事に気づく少年です。
自分に神が降りてこない父の焦り、権勢を得るための母の過去の行為。いいかえればそれは、弱みがないように見える彼等のウィークポイント。それこそ、彼等もやっぱり普通の人間だったのだという証拠。最も強い人の弱みを、最も弱い立場にある人が知ることになるという皮肉。これが後半の草壁の運命への伏線といえるでしょう。

 なぜ彼は従容と自分の運命を受け入れられたのだろう。彼より先に生まれ、やはり政変の中で死を遂げた有馬皇子、大津皇子。彼等と草壁とを比べると、よけいにその疑問は広がるばかり。逃れる術はいくらでもあったように思うからです。親の犯した罪を償う意志が彼にあったのか。それとも、汚れたこの世に、彼の居場所はなかったのかもしれません。










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最終更新日  April 12, 2022 05:46:05 AM
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