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テーマ:夢を叶える人になる(1190)
カテゴリ:***** 伝記 *****
真理を追究するあまり、人はしばしば禁断の領域に踏み込みます。
ペルーの医学生ダニエル・カリオンは、ある病気の研究に行き詰っていました。 それは「ペルーいぼ病」という奇病で、高熱や貧血を特徴とします。 かえるの毒が原因とされるなど、正体不明の奇病。 人間などしか感染せず、マウス試験はできません。 思い悩んだ彼は、1885年、自らの体で人体実験をします。 患者の血液をつけたメスで、自らを傷つけるという恐ろしい実験。 その実験で仮説通り、彼は感染します。 そして病因は、血液中の細菌によることが判明したのです。 しかし、現実は残酷です。 病気は彼の予想を超えて進行します。 そして「オロヤ病」を発症します。 そうです。 「ペルーいぼ病」は「オロヤ病」の初期段階で、両者は同一の病気だったのです。 そして「オロヤ病」は死に到る、治療法のない恐ろしい病気でした。 彼は予想外の事態に狼狽します。 しかしなすすべなく、発症からわずか19日で死亡するのでした。 その後この病気は、バルトネラ菌をサシチョウバエが媒介することで感染することが分かります。 そして治療法も確立され、その病名は彼にちなんで名付けられます。 「カリオン病」です。 彼を愚か者と呼ばないで。 彼の行為を自殺と言わないで。 彼は純粋に、真理を追究したかっただけなのです。 真理を追究するあまり、 真理への近道を急ぐあまり、 彼は自らを守ることを軽視しました。 わすれないでください。 危険な領域に踏み込むことを、人は挑戦と呼ぶのです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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