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テーマ:生き方上手(689)
カテゴリ:***** 伝記 *****
フランスの科学者ルイ・パスツールは、ついに挑戦状を叩きつけられた。
それは成功を誇示する、彼の性格に原因があった。 ワクチンを使った病気の予防に、彼は成功していた。 しかし当時、類似した研究をする科学者は少なくはなかった。 炭疽菌の免疫成功を告げる彼の発表は、ライバルたちを刺激した。 ライバルは50頭の羊を用意し、彼に公開実験を強要した。 実はパスツールは、まだ免疫のしくみが良くわかってはいなかった。 彼はワクチンに「生きた細菌」を使っていたが、成功率が低かった。 悩んだ彼は、ライバルの手法をこっそりと盗用することにした。 理由は分からないが、ライバルが成功していた「死んだ細胞」を使ったワクチンを公開実験に使用した。 結果は大成功。 ワクチンを接種した羊は全て生き残り、接種しなかった羊は死んだ。 彼は公開実験という勝負に勝利した。 しかし、その手法は自身のオリジナルではなく、原理も理解はできていなかった。 成果を誇示する彼の性格は、彼自身を追い込んだ。 しかしその結果、彼の知名度は高まり、後世までも名を残すこととなった。 公開実験で「死んだ細胞」を使ったことは、彼の死後数十年も秘密とされた。 名を残した科学者の業績にも、闇の部分が見え隠れする。 真実に誠実であるということは、それだけ難しいことでもある。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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