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カテゴリ:浅野祥雲
こちらの弘法大師像は、愛知県のJR春日井駅傍にありました。
駅傍とはいえ、駅北口から見て右斜め前の道を入ったビル陰で、分かりにくい場所にあります。 昭和7年建立のこの像は、浅野祥雲氏の作品と語られます。 この場所は正栄寺とありますが、寺の建物はありません。 訪問した際、女性がひとりでこの場所を整備していました。 この像ができて間がない子供の頃、亡きご主人と遊んだ思い出がある場所とのことでした。 一時期この像は、駅前の再開発で撤去が検討され、なんとか保存され残りました。 平成19年には保守され、その時は地域の皆さんで寄付したそうでした。 「誰かこの地の管理の跡を継いでくれればよいけど・・・」 そういう女性に、「最近この像は知名度が上がっているから大丈夫」と私は答えました。 しかし、女性は黙ったままでした。 「弘法大師様の右手の細い道から裏に廻れる。 そうしたら、像の台座の下の御堂に入って、小さな大師様が見れる。」 そう、女性は教えてくれました。 「私は脚が悪くて、もう裏には行けないけど・・・」 そういう女性にお礼を言って、細く荒れた砂利道を裏に回りました。 御堂にはたくさんの大師様。 地域の皆さんからの寄進仏の様でした。 御堂内の大師様に一礼、そして振り向くと、 一歩一歩確かめながら、ゆっくりと家路に向かう、あの女性の後姿がありました。 【楽天商品: ねこの日の本日、劇場アニメ化「ねこねこ日本史」】 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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