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大好きイタリア!         バルセロナ,イスタンブール&軽井沢ご飯

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2016.05.04
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前回の続き、

ローマからナポリまでの夕方発の急行電車、

Intercity内での体験です。

あまり驚かない私が、結構ビビったお話。

 

 

前回の記事は、こちら  ↓

http://plaza.rakuten.co.jp/mamik/diary/201605030000/

 

 

ベッカム似の40才(?)は、平均的な “ちょい悪” イタリア男性。

さほど、かたくはない。

でも、ニヤケテもいないし、ウィンクを送ってくるようなタイプでもない。

ま、今の私にウィンクしてくるのは、50代以上ですしね。

一番多いのは、リタイアしちゃって数年~10年以上経過している

オジチャンたちだと、今、思い出しました。

あはは~。

そうですよね、相手が相手なら、熱心に誘ってくるに違いない。

乗り込んできたのが黄色いオバチャンじゃね、

闘争欲求も失せるというもの。

なんせ今回は、毎日スニーカー、上はパンツにパーカー。

泣ける。

 

 

でね、ベッカムも、いや~な雰囲気を感じたらしく、

窓の外をずっと見ていた。

用もないのに。

 

 

状況を説明すると、

チンピラは、室内に3人入ってきたのです。

残る1人は、通路 - つまり出入りのドアを塞ぐようにしゃがんでいる。

そして、空いている座席を1人ずつ埋める。

 

背番号1 チンピラの親分 50代

   痩せていて、ひどく目つきが悪い。

    貧相で暗い目をしてる。

    悪い浅知恵が働きそう。

 

背番号2 超でぶ 40代

  脳ミソは、平均の2分の1くらい。

  たぶん


背番号3 無個性 20代

  帰る家もないし、やることもないから

  こんなオッサンたちのお尻を拭いて歩いている。

  たぶん。

 

 

コンパートメントが6人でぎっしりになって

10分ばかり経過した頃、

親分がベッカムに話しかけた。

ベッカム、ポーカーフェイスで、ボソボソと相手を始めた。

2分ばかり喋ってたけど、私には内容が聞き取れず。

単語のひとつ2つを聞き取るのも、至難の業。

ナポリ人どうし、べらんめーで喋っていたものと思われる。

でね、

ふとベッカムが、ふわ~っとした笑みを浮かべたのです。

 

 

無理な角度で首を曲げて

用もないのに、

天井に近い壁についた模様の線を数え、

無意味に窓の外ばかり見ていた私は、

 

 

と意外な気がして、ほんの少し緊張が緩んだ。

そして、

ベッカムは、ポケットからおもむろに

マルボロを2本取り出し、

親分と超でぶに、1本ずつ手渡した。

 

 

すると、

親分は、ベッカムになんだか囁くようにしながら

平べったい物 をお返しとして渡した。

そして、急に3人は立ち上がり、去って行った。

 

 

ベッカムは、表情を和らげて、

その手渡された ブツ を

鼻先に持って行き、匂いをかぐ。

 

・・・・

・・・・

・・・・

 

私以外の、もう一人のイタリア人20代も、

目は動かさないまま全身全霊で

彼らの動きと会話を見るともなく見て、

耳はダンボになって聞いていたはず。

『ベッカムが何か物々交換をしたな。

 それを、クンクン嗅いでいるぞ。』

と、心の声が聞こえてきそう。

IMG_20160425_192516.JPG 

もちろん、マリファナですよ。

絵が描いてあったもん。

絵が描いてあるくらいで、

たった2本のタバコと交換だから、

トイレの芳香剤みたいなものなんでしょう。

今思えばね。

チンピラは、せこいチンピラで、

たいしたことは出来ない奴らだったのだ。

ナポリのマフィアにしては、ショボすぎたし。

 

 

やれやれ、

ナポリまでの1時間半ばかりずっと

チンピラに囲まれるのかと思ったが

消えてくれたわ。

ほっ泣き笑い

 

 

と思った瞬間、

[親分]と[超でぶ]と[無個性]、

更に他にも2人ばかり増員して戻ってきた。

増員組は、ドアを塞いでいる。

 

 

空白・・・

 

 

結局、大したことは起こらなかったのです。

結果を言えば。

でもね、その時は、軽く凍りつきましたよ。

古くてくたびれたコンパートメント。

窓の外はだんだんと日が暮れ、

ついに真っ暗に。

日のあるうちにナポリ到着ができない切符

になってしまった気の重さが元々あったのに、

夜のナポリに向かうそんな電車の中で、

本物のナポリのチンピラに囲まれてマリファナだよー。

芳香剤レベルだとわかっていても、これはビビる。

いや、芳香剤レベルだとすぐには気づかなかったほど

緊張していた。

風雅な薫りを、少ししみ込ませた程度のものだったのでしょう。

でもね、ビビるんだよ、あの場にいたら・・・。

臨場感、抜群だもん!

 

 

アムステルダムには、学生だった末娘との2人旅だったので

“マリファナ・エンジョイ喫茶店”

に入れなかったのが心残りで、

次は夫と行って、是非マリファナを体験してみたい!

とまで思っていた私。

(アムステルダムで、一定基準内の大麻は合法です。

KLMで到着した成田でも、誰のトランクも開けられていなかったし。

大学生男子3人組みさえ無条件スルーできていた。)

だけどね、チンピラに囲まれてナポリに向かう。

これ、キツイよ。

こんな私でもね。

 

 

2時間ばかり走り続けたIntercityも、

そろそろナポリ到着の時間。

棚に上げておいた小型キャリーを

おろさねばならない。

何と言ってアクションをスタートするか

数分前から、胸の中で予行演習を繰り返した。

 

 

やっぱりだよ、

あいつ、あの親分が、話しかけてきた。

 

o. あんた、日本人か?

w. イタリア語を理解できないフリをする。

o. あんた、日本人じゃねーか?

と、今度は英語で話しかけてきた。

w. また、ノータリンのふりしてやり過ごそうとした。

が、更に英語で話しかけてきた。

o. ひとり旅の日本人、英語を聞き取れない筈ないだろ~。

ヤバッ!

w. 「ま、チョトだけワカリマス。」

と、へなちょこ発音して返す。

こんな状況で、会話が成立したら、厄介だ。

 

 

o. コイツがさ、あんたのこと、美人だって言ってるぞ。

と言う。

コイツと言われた超でぶ、キョトンとしている。

そんな事、言った覚えなんかないはずだし、

英語が聞き取れず、話の内容もチンプンカンプンらしい。

o. ほら、だからさ、コイツガさ、

 あんたを美しいと、言ってるんだよ~。

奴(親分)はニコリともしない。 

w. 私はまた、ノータリンのふりをする。

(ま、本当に軽症のノータリンですけどね。)

o. 『Bellaだってよ。 な?』

と、デブの方を向く。

w. 色々ありがと。私、降りますから。

サヨナラ。

 

 

↑ これだけ言うのが精一杯だった。

あとで思えは、身の危険がないのなら

もう少し和やかに会話をしても良かったのかもしれない。

ピストルを持っていたわけじゃないんだし、

あの親分と超でぶと無個性は。

 

 

ま、彼らもナポリ在住のチンピラですから、

ナポリで降りました。

一応座席指定の急行なので、

コンパートメントから出て通路に並んでいた他のまともな乗客たちも、

怪訝そうな表情で彼らを盗み見していました。

 

 

ドアを通せんぼされることなく通路に出ることが出来た時の

あの解放感は、

銀行強盗によって人質に取られ釈放された後の解放感に

少しだけ似ていたのではないかと思います。

 

 

ナポリ駅からは、

アフリカかい?と思えるような

夜の怪しくて危険な道を歩くことなく

予定のホテルにチェックインできました。

 

 

ホテルは駅構内にあるも同然、

駅の中の通路を通り、

パトカーの横を通り過ぎながら到着できる場所でした。

あ~、クチコミに書いてあった通路がわかって良かった~!

と、命拾いした気分でした。

フロントお兄さんの笑顔に迎えて貰えた時、

どんなにホッとしたことか。

 

 

オワリ

 

 

 

 

 

 

 

 






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最終更新日  2016.05.04 14:11:31
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