カテゴリ:こんな事もあった
2004 11/23(火・祝)
F病院の近くの音楽専門ホールのリハーサル室でバイオリンの小さな演奏会があった。 奏者のS先生は昨年まで次女がお世話になっていた方だ。 以前我家の近くに先生がお住まいの頃の次女は就園前でバイオリンを持てるほどの落ち着きは無い子だったのだが、「入口は広い方がいいですよ」とピアノから教えていただいた。 いつも明るく行動的で綺麗な方なのだが、5年前に突然大病をされた。 幸いに徐々に元気になられ、今ではバイオリンの演奏もこなされるまでに回復されたのだが、病直後は病気とPTSDとの闘いの日々だった。 それでもご家族のサポートと音楽への熱い想いをエネルギーに少しずつ(螺旋階段を昇るように…と闘病記では書かれていたが)回復されていく様子には、週に一回次女のレッスンでお会いする度に胸を打たれた。 病気から5年経った今年、一つの区切りのためにもと演奏会を計画されたようで、先月ご案内をいただいた時はいろんな思いが交錯するとともに私も本当に嬉しかった。 プログラムの中には病後初めて公式な場での演奏をなさった時の曲もあり(その時は私が伴奏者だったので、先生の足を引っ張らないようにと必死に練習したのだが…)、聴いているうちに当時の事も思い出されて涙が出てしまった。 また曲の間には病後のエピソードも話されたのだが、改めて聞く先生のその頃の思いが、昨年の私が体験した事とも重なりまたまた涙してしまった。 (隣に座った次女が心配そうに私を覗き込む) 私は音楽を聞いてもお話を聞いても、まだ涙してしまうのだが、先生のお話しからは乗り越えられたものの大きさと現在の充実ぶりが感じ取られ、大きく安心した。 プログラムの後半はオーケストラの仲間の方たちとのアンサンブルもあり、盛り沢山の演奏会だった。 また会場にはあふれんばかりのお客さんで、皆さん先生の回復を喜ばれているのが分かり、とてもよい雰囲気だった。 中でもいつも優しいご主人とご両親が本当に嬉しそうになさっていたのが印象的だった。 shinや私も2年後5年後…とだんだん気持ちも穏やかになっていけるだろうか。 確証は無いけれども、shinと二人で一つ一つの事を丁寧にクリアして行ければいいのかな…と思いながら帰宅した私。 2003 11/23(日) *自宅復帰29日目* 午前中久々に美容院へ行きました。 スッキリした後shinへ電話をし、書店で待ち合わせをしました。 約束の時間になかなか現れず心配しましたが、忘れ物をした「気になって」一度帰宅したと言います。 どうもその場で確認する余裕は無かったようです。 何か失敗してもパニックにはならないshinですが、落ち着いた対応はまだまだ取れないようです。 でもここで消極的になっては先へ進めません。 失敗はある程度覚悟の上で、どんどんチャレンジです。 この病気の後だんだん消極的になったり、興味や好奇心が薄くなる人も多いと聞きます。 shinは失敗してもさして落ち込みもせず次の行動へ移れるので、この点はとてもやりやすいと思っています。 バスカードを入れたパスケースも忘れずに持ってきていたので帰りはバスに乗りました。 時間帯によっては座れない時もあるのですが、停留所までの10分弱もかなりしっかり立っていられるようになり、こんなところにも少しずつの進歩を感じられる事が嬉しい日々です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2004.11.27 23:50:33
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