Mizumizuがベネズエラ産カカオとリヨンのチョコレート職人の関係についてエントリーにあげたのは、2007年11月のこと(記事は
こちら)。
それから7年。あのとき取り上げたパレドオールが日経新聞の「
専門家お薦め 職人技のチョコレート、ベスト10 」(2015年2月8日付け)で、2位に選ばれたよう。
パレドオールはMizumizuも、ときどきリピートしている。Mizumizuの好むカカオの風味をシンプルかつ最大限生かすタイプのチョコレートだ。
2007年当時、ベネズエラ産カカオの酸味がどうの、なんて熱っぽく語る日本の一般人はMizumizuぐらいだったが、今は原産地に注目したチョコレートがちょっとしたブームになっている。さすがに、素材にはうるさい日本人。このトレンドは素直に嬉しい。
そういえば、日経新聞のランキングの1位のパティシエ・エス・コヤマ「アンノウン! カカオナンバー4」(兵庫県三田市)も、ベネズエラ産カカオにこだわったチョコレートらしい。やっぱり最高ですね、ベネズエラ産。
リヨンの血を引く「ショコラティエ パレドオール」でも、以前はなかったベネズエラ産カカオのクリオロ種、しかもその中でも希少価値の高いチュアオを使った「パレドオール チュアオ」がお目見えしたのだが、残念ながら売り切れが多く、「いつ入荷しますか?」と店員に訊いても、「未定です」のそっけない答え。
「ラクテ」と「ノアール」ならたいていいつでも買える。
ひどいピンボケ写真だが…こちらはノアール、つまりカカオ成分の多いダークチョコレート。
硬めの表面のコーティングに、ねっとりと柔らかいフィリング。余計な味が入らず、あくまでもカカオが主役。これがMizumizuの最も愛するチョコレートで、次がナッツ類と合わせたもの。蜂蜜もモノによっては好き…だが、ラズベリーだのオレンジだの、果物類をチョコレートと合わせるのは基本あまり好まない(例外もあるが、ごくわずか)。
ショコラティエ パレドオールも、「ひょっとしてつぶれるのでは?」と不安に思ったこともあったのだが、どうしてどうして、逆に年月とともにしっかりと評価を高め、ブランドとしての地歩を固めてきたようだ。この店が好きなのは、なんといってもリヨンで修業した日本人のショコラティエが開いた店だということ。
リヨンでたまたま出会った、ベネズエラ産カカオを使った極薄の円盤形チョコレートに衝撃を受けてから、長い月日が過ぎた。そのリヨンにつながりがあると一目で直感したこの店に出会ったのも、たまたまだった。フランスの同じ街で、おそらくは同じような衝撃を受けたのであろう日本人のチョコレート職人が、今東京でこうして活躍し、多くの人々が認め始めている。
良いものは、わかる人にはわかる――パレドオールIN JAPANの成功で、Mizumizuにとって一番うれしいのは、そう確信できたこと。