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2024.04.09
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カテゴリ:手塚治虫


​​アニメ制作費が安い――この話は今もよく聞くが、それを60年以上も昔の『鉄腕アトム』のせいだと信じている人が、いまだに一定数いることには呆れてしまう。

『日本アニメ史』(中公新書 2022年)著者である津堅信之氏は、

日本アニメ史 手塚治虫、宮崎駿、庵野秀明、新海誠らの100年/津堅信之【1000円以上送料無料】


さすがにそれは「飛躍しすぎ」と結論づけているが、同氏のネット記事
https://president.jp/articles/-/57267?page=5
のタイトルは

​アニメ業界が激務薄給になった「元凶」と批判も…『鉄腕アトム』を激安で作った手塚治虫の誤算​


と、「中身をよく読まない」多くの一般ユーザーを誤解させるものになっている。しっかり中身を読んでみれば、同氏の結論は以下だ。

​(引用)『アトム』以来半世紀以上を経た現在まで、安い制作費の原因を手塚に押しつけるのは、話を飛躍させすぎている。自社が制作する作品の価値を認識し、それを権利として獲得することは、後続のアニメ制作会社にも課せられていたはずである。そういう後続他社の努力の欠如、もしくは変えられなかった責任を問う声は、なぜか小さい。(引用終わり)​

まったくの同感…というか、普通に考えたら、当たり前のことではないか?
 
60年も昔に、誰かが新しい分野を開拓した。不可能だといわれることをやってのけた。そのインパクトはあまりに大きく、新しいビジネス(キャラクター販売、アニソン、メディアミックスへの流れ)が生まれた。

その実績は目覚ましいもので、恩恵を受けている後輩たちは枚挙にいとまがない。2024年現在、東京駅近くの地下には主にアニメのキャラクターグッズを売る店がずらりと並んでいる場所があるが、これだって端緒を開いたのはアトムだ。ところが、それをきちんと評価するアニメ関係者はほとんどおらず、逆にアニメーターの過酷な労働や低賃金は、手塚治虫のせいだというトンデモ説はいまだに跋扈している。

キャラクターや関連グッズが売れるのは自分たちの手柄。でも、アニメの制作費が安く、アニメーターの待遇が悪いのは手塚のせい?

おかしーわ!

新しい分野に参入する時、戦略的に廉価設定をするのは、ビジネスシーンではよくあることだ。

後続他社の努力の欠如や責任を問う声が「なぜか小さ」く、手塚治虫の死去後に「手塚のセイダーズ」がワラワラ出てきて、声が大きくなっていったのはなぜか。それは、だいたいみんな分かっているハズだ。

手塚治虫が生きていれば間違いなく反論しただろう。皆忘れているが、漫画が悪書として「焚書」の憂き目にあった時も、新左翼と呼ばれるトンチンカンな評論家の酷評で漫画家たちが苦しめられた時も、「最前線」に自ら出向いて反論したのは、誰あろう手塚治虫だった。

それを、彼がこの世を去り、何も反論できなくなくなったとたんに口汚く攻撃するなんて、実に卑劣ではないか。しかも、アトムに関しては、その過去の状況さえ、悪い方に脚色されている。


(前掲ネット記事からの引用)まず、約4年間・全193話放送された『アトム』は、その期間ずっと1話55万円だったのではない。当時の虫プロスタッフの証言によると、話数を重ねる中で徐々に上積みし、最終的には1話300万円程度までになっている。また、1965年10月放送開始のテレビアニメ『ジャングル大帝』では、制作現場に投入される予算は1話250万円で管理された。


さらに、『アトム』の当初契約1話55万円は、あまりにも安すぎるとして、手塚には告げない形で虫プロの事務方が再協議し、代理店(萬年社)が1話あたり100万円を補填ほてんして、合計155万円で制作していたとの証言もある。(引用終わり)


津堅氏は、日本のアニメ史を俯瞰したうえでの客観的な記述を心がけている。中公新書の『日本アニメ史』には、上記のネット記事には載っていない関係者の証言も多くあり、できる限り幅広い業界人の声を集めようと努力している姿勢は尊敬に値する。

今の日本のアニメ業界が抱える問題を語るなら、こうしたマジメな書籍を一読してからにしてほしい。





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最終更新日  2024.04.09 20:09:10



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