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カテゴリ:万葉集の雑学あれこれ
万雑086_系譜未詳の皇族が作られた御歌(手持女王)
次は手持女王(たもちじょおう)で、万葉集に歌が3首(巻3)あります。 持統天皇八年(694年)に大宰帥河内王が亡くなり、鏡山に葬られた時に手持女王が作られた挽歌3首です。 417_「大君の和魂あへや豊前国の鏡の山を宮と定むる」 ※_「河内王の御心にかなったのであろうか、豊前国の鏡山をとこしえの宮とお定めになった」と歌っています。「鏡山」は福岡県田川郡香春町にある山です。 418_「豊国の鏡の山の岩戸立て隠りにけらし待てど来まさず」 ※_「豊前国の鏡山の岩戸を閉じて、中にお籠りになったらしい。いくら待っても出て来られない」と歌っています。 419_「岩戸割る手力もがも手弱き女にしあればすべの知らなく」 ※_「岩戸を破る腕の力があれば良いのに。力ない女なので、どうしたら良いのか分からない」と歌っています。 <記事> 手持女王は系譜未詳ですが、持統天皇三年(689年)八月に河内王が太宰帥に任ぜられて豊前国に赴任する時に、手持女王が同行されたことから河内王の妻という説があります。なお河内王の名前の皇族は複数ありますが、この歌の河内王は飛鳥時代の皇族になります。 <備考>_系譜未詳の皇族たち 名前(ふりがな)_位、歌数 粟田女王(あわたじょおう)_正三位、1首_【済】 麻続王(おみのおう)_三位、1首_【済】 川村王(かわむらおう)_従四位下、2首_【済】 久米女王(くめのじょおう)_従五位下、1首_【済】 児部女王(こべじょおう)_?、1首_【済】 沙弥女王(しゃみじょおう)_?、1首_【済】 高宮王(たかみやおう)_?、2首_【済】 手持女王(たもちじょおう)_?、3首 長田王(ながたおう)_正四位下、6首 丹生王(にうおう)_?、3首 丹生女王(にうじょおう)_?、3首 八代女王(やしろじょおう)_正五位上、1首 山口女王(やまぐちじょおう)_?、6首 誉謝女王(よさじょおう)_従四位下、1首 若湯座王(わかゆえおう)_?、1首 以上 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023年06月18日 09時44分17秒
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