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長編時代小説コーナ

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龍5777

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Jun 23, 2006
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 一之進が欲情に顔をゆがませ、唐突にお由紀の襟元を大きく開けた。

白桃のような豊かな乳房が、行灯の灯のもとに晒された。

「お許しを」抗う言葉と裏腹に甘い吐息を洩らし、みずから白い腕を一之進の

首筋にまきつかせ、豪華な布団に身を横たえ男の口を吸った。

 武家の妻としての誇りを捨て去り、一匹の雌と化した女の姿がそこにあった。

 お由紀は自然に遊女の手練手管を身につけていた、これは自然に備わった

女の性(さが)であった。快感に身をまかせ、お由紀が呻き声をこらえている。

 何時の間にか太腿から力が失せ、男の躯を迎い入れていた。

 彼女は思考力をなくし、ただ男の為すままに身を任せている。男が呻き、

お由紀の胎内に命の雫を放った。その瞬間が今のお由紀の生き甲斐となった。

 自分の躯に満足し果てた男の荒々しい息遣いを耳にすることが、お由紀には

生きている証と思われるのであった。


 飯岡左京の溜り場に磯辺伝三郎が訪れ密談を交していた。新弥と石垣一派と

の昨夜の遣り取りは、既に城内に広がっていた。

「矢張り、やりましたな」磯辺伝三郎が左京を見つ破顔した。

「流石ですが後が恐い」左京の顔に憂いが湧いている。

「実は先刻、懇意としている賄い役の一人から聞きだしましたが、次席家老が

倅の一之進を一喝したそうです」「ほう、・・・一喝しましたか」

「これ以上、斉藤に手を出すなと申したそうです。一之進は不満そうな様子でし

たが、闇討ちにあっても良いのかと脅されたそうです」

「闇討ちですか、びっくりしたでしょうな」

「急に一之進の顔色が変わったそうです」磯辺伝三郎が低い笑い声をあげた。

「磯辺殿、拙者でも恐い」左京が真剣な顔つきで呟いた。

「これで暫くは斉藤に対する嫌がらせは止むでしょう。ところで江戸家老の件で

何か分りましたか」

「まだはっきりいたさぬが、次席家老は前々から城代職を狙っておったと思われ

ます」左京が他人事のように語った。「ほう、何か根拠でもありますか?」

「宍戸を通じて殿のお許しをえる、これが次席家老の魂胆のようです。それには

金がいる、父が倒れ再起不能とみた彼等が、手を握ったものと思われます」

「江戸家老は金の亡者ですな。殿の江戸での活動資金という名目で大層な金子

が、江戸に送られていますな」磯辺伝三郎が眼を光らせ江戸の情勢を述べた。

「それは拙者も存じております。宍戸は殿を廓に誘い出し悪い遊びを勧めている

ようです」左京の言葉に磯辺伝三郎が驚いた顔をした。

「殿と家老が廓遊びですか」「宍戸の懐を肥やすための隠れ蓑と思いますな」

「左様か、殿のご乱行で費用がかさむ、従って国許に送金の依頼がまいる。

更に次席家老は国許で檜垣屋と手を結び、懐中を肥やし江戸家老に大金の

賄賂を献上する。こうした図式ですな」

「流石は目付の磯辺伝三郎殿じゃ」「茶化しはご免こうむる」

 左京の戯言に磯辺伝三郎が苦笑して文句を言った。

「いずれにしても、江戸と国許の悪家老は始末せねば藩が潰れます」

 左京が顔色も変えずに言い放った。今までみせたこともない顔つきに、磯辺が

内心唸った。(流石は飯岡ご城代の倅じゃ)

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Last updated  Jun 23, 2006 04:11:38 PM
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