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Jun 22, 2006
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男にとり女と情を交し、もっとも燃えるのは亭主持ちの女を寝取る時と言われて

いる。昔から一盗、二婢、三妾、四妻と言われるゆえんである。

 経験して初めて知った。今宵も思いきった恥ずかしい姿としてお由紀を抱く。

 その思いですでに一之進の躯は昂ぶっていた。一之進は興奮に身をふるわせ

黙々と道を急いでいた。

 六蔵は大金を稼いでくれるお由紀のために、人目につかない場所に屋敷を

用意し、小金を持った町人や、豪商達が連日お由紀を目当てとして訪れていた。

 町人にとり高嶺の花である武士の妻女が抱ける、それもとびっきりの美貌を

もった人妻である。これは町人にとり隠微な憧れを満足させる、女遊びの極致で

あることを本能的に六蔵は知っていた。

 一之進が頬を紅潮させてひっそりと屋敷に現われ、興奮を抑えて廊下を伝って

いた。檜垣屋が贅(ぜい)をこらしただけはある屋敷である、植え込みも綺麗に

刈り込まれ、石塔に灯が点っている。ひときわ立派な部屋の襖を開けた。

 行灯の灯に照らされ、お由紀の妖艶な艶姿が待っていた。

「いらせられませ」挨拶までが初々しい。彼の脳裡に初めて抱いたお由紀の恥ず

かしげな姿態がよぎった。「お通、相変わらず美しいの、まずは酒じゃ」

 源氏名で呼び、膳部の朱塗りの杯を差し出した。お由紀が躯を寄せて杯を満

たした。甘酸っぱい女体の香りで欲情が湧き上がってきた。

 だが女という生き物は分らぬ、まだ数日しか経っていないのに、いっぱしの

遊女気どりである。「お通、もそっとちこう寄れ」お由紀は命ぜられるままに、

彼に寄り添って躯をあずけた。豪華な衣装の裾がまくれ、しっとりと脂ののった

白い膚が顕となった。手を這わせると、むちっと肉置の豊かな太腿が熱く燃えて

いる。「そちも飲め」お由紀は顔を上向かせ唇を杯につけた。白い頤(おとがい)

がなんとも言えぬ色気を醸しだした。この女が石崎孫兵衛の妻女か、じゃが内密

じゃ。わしは女郎としてあつかう。

 このことは檜垣屋六蔵との極秘の約束ごとである。もしお由紀がそれを知れば

正体が発覚したと悟り、自害する恐れがあった。そのような結果となれば、折角

の金蔓を失う羽目となる。六蔵はそれを恐れていたのだ。

 お由紀が正真正銘の藩士の妻女ということは、客の町人すべてが知っていた。

 六蔵はこれで客を誘った訳であるが、厳重に口止めをしていた。発覚すれば

死罪となると脅してもいた。町人達は死罪となる危険を欲望に変え、彼女の躯を

目当てに連日予約が殺到していた。男の欲望は不思議なものである、危険な女

ほど欲情が激しくなるのだ。

 お由紀は自分の正体が知られているとは思いもせずにいた、だから毎夜、

彼等の欲望のはけ口として膚を許してきた。どんな屈辱にも耐えた。

 だが女の躯は不思議なもので、町人達の好奇な陵辱(りょうじょく)に知らず知ら

ず慣らされ、最近は夫からは味わえぬ快感を感ずるようになっていた。

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Last updated  Jun 22, 2006 01:28:47 PM
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