|
テーマ:鉄道(22186)
カテゴリ:鉄道
大井川鉄道のSL列車は昔懐かしい客車が今でも活躍しているのです。私のような鉄道ファンには「旧型客車」とよんでいますが、概ね戦後の1955年くらいまでに製造されていた車両を指しています。(本当はもっと細かく分類も出来るのですが・・・) ↑ 出入口のドア 幅が狭くて走行中でも開閉自由なドア さて、この旧型客車の特徴としては、「車内が木製」「冷房装置無し」「乗降ドアは手動で走行中も開いている」というところでしょうか。車内が木製や冷房装置無しというのは、古い車両にはありがちですけどね。「乗降ドアは手動で走行中も開いている」というのは、初めて見たらびっくりすると思います。ドアには戸締め装置なんてないですから、発車間際に飛び乗ることも、降りることも可能なのです(よい子はマネしないでね)。 この旧型客車は私が学生の頃は山陰や東北を中心に数多く活躍していました。何両も連結されて堂々とした編成を見せていましたし、もう少し遡れば急行列車として使用されていました。しかし、車両そのものの老朽化や客車を牽引する機関車の老朽化、列車ダイヤの速達化によって客車列車そのものが電車やディーゼルカーに置き換えられるなど、急速に姿を消してしまいました。 今回乗車した大井川鉄道には 両の旧型客車が活躍しています。その一両一両が同じ経歴ではなく、車両の特徴もバラエティに富んでいますが、興味がなければ「ただの古い車両」ですよね・・・。 この日の編成は、先頭のC5644からオハフ33 215+オハ35 559+スハフ42 2186+オハ47 512+オハ35 459+オハ35 22+オハ35 435+E102 となっていました。 ↑ 床も木張りです 車体は茶色一色のものが多く、旧型客車の晩年には青色一色の車両が多くて私的にはそちらの方が好きなのですが、オリジナルは茶色一色です。車内は冷房装置がないこともあるのですが、天井が高くて広々とした空間が広がります。また、車内は白いペンキが塗られた車両が多いのですが、一部の車両には木目がよく目立つニス塗りの車両があって懐かしさも増大です。 ↑ 車内がニス塗りの車両もあります ちなみに、この手すりあるいは取っ手のような六角形状のものは何だか分かりますか? ↑ 急行列車で使われていた時のスペシャルアイテム、頭もたせ これは通称「頭もたせ」とよばれるもので、ここに頭をもたれさせると居眠りしても頭が痛くないという優れものなのです。木でできていますし、その角度がまたなかなか絶妙だったりします。この頭もたせのある車両は1951年から国鉄が急行列車用に製造したスハ43系の系列であり、この編成の中ではスハフ42、オハ47にあるものです。 ↑ かつては急行列車として活躍していた車両です ↑ これが本物の「網棚」。ちゃんと網になっているでしょ。 ↑ 荷物を重さのせいで網がややもっこりします(荷物は私のリュックです) さらに車内を見渡すと、大きな広幅の窓、「網棚」の名称通りの網が張り巡らされた吊り棚、窓やドアの取っ手には真鍮製の金具が使われています。私にとってはこれら一つ一つがとても懐かしく、学生の頃に好んでこの旧型客車に乗っていた頃を思い出します。 ↑ 窓の取っ手です ↑ 通路のドアの取っ手です。今の車両と向きが反対です。 なぜ好んで乗っていたのか。数が急速に少なくなってきていたから、というのもあるのですが、車内にはいると古い家に来たような雰囲気と匂い(匂いはおそらく消毒剤の匂いだと思うのですが)、走り出せば鈍重なジョイント音をきざみながらリズミカルに走る、冷房がないので窓を開けて走るので気持ちの良い風が通ってくるなどなど。 私が好んで乗っていた頃はすでにSLはなく、牽引する機関車も親戚のいる和歌山なら貴重なEF58が牽引していた以外はディーゼル機関車のDD51牽引の客車列車に乗車することが多かったのですが、牽引機以上に一両一両生い立ちや車両の状況の違う旧型客車に前出のような魅力を感じていましたね。 だから、今回の大井川鉄道においても、SL以上に旧型客車のことが気になって写真もたくさん撮りました。また、動き出してからも客車の走行音を聞きながら学生の頃に乗りまくったときのことを思い出していました。大井川鉄道ではスピードはさほど速くないんだけどね・・・。 今回のSL列車乗車の人たちの中では、昔懐かしいSLへの思い入れは多い人がほとんどで、車内での列車の紹介でも主役であるSLのことを紹介していたけど、そのSLに匹敵するくらい価値のある脇役の客車もあるんだということを、覚えておいていただければいいなぁと思いました。 主役も脇役がよいから余計引き立つというものですわ~ ↑ ニス塗りの贅沢な空間です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[鉄道] カテゴリの最新記事
|