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2004/09/18
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カテゴリ:複数産地
3日続けてネタを引っ張るようですが、
「クリスタル」の語源はギリシャ語の「クリスタロス(氷)」です。
ちょっと専門的(?)な用法では「結晶」という意味で用いられるようですが、
一般には「クリスタル」といえば、透明な水晶のことがイメージされますよね。

もうひとつ、クリスタルと聞いて「クリスタル・ガラス」を
イメージされるかもしれないのですが、
「クリスタル・ガラス」は水晶を原料にしたガラスではありません

クリスタル・ガラスは、「珪砂」「ソーダ灰」「炭酸カルシウム」などのガラスの原料に、
鉛を加えた「鉛クリスタルガラス」です。
鉛(酸化鉛)を加えると、輝きや光沢が増し、屈折率も大きくなって、
ガラス をより美しく見せるのだそうです。
その含有量は、5%~30%ぐらいで、
含有量が24%以上(あるいは24%前後)のものを「フル・クリスタル」、
8~12% 前後のものを「セミ・クリスタル」と分けることもあります。

ガラスに鉛が加わってきれいになるなら、
もしかしてハーキマー・ダイヤモンドも、水晶の結晶の中に鉛が……?
なんて考えてしまったのですが、
そういうわけではないようです。
ハーキマー・ダイヤモンドと呼ばれる水晶は、
母岩の中にタールに似た成分が含まれていて、結晶の表面にそれがコーティングされている、
という説がありますが、くわしいことはわかっていないそうです。

さてさて、本題に入りましょう。
昨日、初の予告をしてしまったので、予告通りに写真です。



いかがでしょう?
左側がアルプス水晶(フランス産)、右側がガネーシュヒマール産ヒマラヤ水晶です。
ふだん、「変な石が好き!」と、
どっちかというとワイルドな水晶を探してしまうのですが、
ちゃんと透明なのも持ってます(笑)

「世界一の透明度」とうたわれるのはアメリカのアカーンソー州産の水晶で、
ブラジル産でも負けず劣らずの透明で端正な水晶が出ます。
マダガスカルも透明度の高い水晶が出ると聞いたことがあるのですが、
ポイント状で透明なものを見たことがないような気がします。
もちろん、アルプスやヒマラヤも透明度の高い水晶の産地です。

しかし、「透明度が高い」といった場合、
いくつかパターンがあるような気がします
ひとつは「アーカンソータイプ・クリア」とでも言いましょうか。
(あ、また造語しちゃった)
結晶の形も端正で、インクルージョンもなく、ひたすら透明な水晶です。

もうひとつは、「ガーデンタイプ・クリア」と命名しましょう。
インクルージョンはあるけれど、それを含む水晶はクリアなタイプ。

えい、もうひとつ「ロシレムタイプ・クリア」
中はものすごく透明度が高いけれど、
結晶表面に疵が付いていたりして、残念なことにその透明度がちょっとわかりにくいもの。

なんとなーくわかっていただけるでしょうか。
もちろん、掘りたてのときは酸化鉄などの被膜に覆われていて、
塩酸でクリーニングされてきれいさっぱりとした姿で市場に出るものもありますが、
そこまではわからないので、あくまでも流通している時の状態ですが。

ひとくちに透明といっても、
インクルージョンでなくても、中にクラックや霧状の白い部分が多ければ
透明とは言い難くなるわけで、
実は、私好みの「変な石」並に条件が苦しい石かもしれません。

で、ヒマラヤ水晶、ロシア水晶好きの身としては、言いにくいのですが、
「透明な水晶」と言った場合は、「アーカンソー・タイプ」に軍配を上げてしまいます。

しかし!
ヒマラヤ水晶にも「透明な水晶」はあるものです!
ガネーシュ産にしては、ヒマラヤ水晶らしい特徴には乏しいのですが、
むちゃくちゃクリアです(写真右側)。
エッジ(結晶の角の部分)の鋭さは「手が切れる」と思ってしまうほど。

そうそう、「透明な水晶」にさらにわがままな意味を加えておきましょう。
「エッジが鋭いこと」です。

この「 エッジの鋭さ」は、石の雰囲気を左右します。(……と思います)
同じような透明度でも、エッジが鋭い方が、
より静謐な、凛とした雰囲気に感じられます。

写真右側のヒマラヤ水晶は、上半分の透明とエッジの鋭さが最大の魅力。
普段ならガネーシュらしい形や緑泥を見どころとして石を選んでしまうのですが、
この石は、透明度でそれに並びました。
ガネーシュ産のヒマラヤ水晶の石は、クリーニングされているものが少ないのではと
思っているので、もしかしたらこの透明度は天然のものかもしれません。
だとしたらすごい!

左側は、フランス産のアルプス水晶です。
聞くところによれば、アルプスでは透明で大きな結晶が産出し、
それを加工してすばらしい工芸品も作られたという話ですが、
めったにそういう結晶にはお目にかかれません。

結晶の形が複雑で、とても透明なのになかなか向こうが見通せない石が多い
と言うこともありますが、
ヒマラヤもアルプスもその産地故にすべて手掘りで、
流通する絶対量が少ないのです。
ブラジルでは膨大な量が産出しますし、アーカンソーでは露天掘りが可能です。
しかし、ヒマラヤでは数千メートルの高度まで、
地元の人々が取りに行くしかありません。
(軍隊の人が訓練で昇ったときに採ってくる……という話も聞いたことがあります)
アルプスに至っては、小数の登山家が採ってくるもののみです。

写真のアルプス水晶は、地元のコレクターの放出品なのだそうです。
一見、「ぶっかき氷風」に見えるかもしれませんが、
左下を見て下さい。
太めライン状……というか帯状に光が反射しているのがわかるでしょうか。
これ、柱面なんです。
非常に複雑な形状ながら、結晶形を持っている石なのです。

前述のわがまま規定に照らせば、「透明水晶」とは言い難いかもしれませんが、
これは、写真のせい。
実物は文句なしに透明です。

そう……私が透明な水晶に対してあまり騒がないのは、
この写真の撮りにくさがあるからです。
目で見たとき、透明な水晶は、まるで光で作られた形のようにきらめき、
その美しさで心をとらえます。
ところが、いったんレンズを通してみると、なんということ!
黒いバックにすればバックの色を透かしてそのきらめきを失い、
淡い色のバックにすればそこにとけ込み、
わずかに角度を変えただけでまぶしく光を反射させて写るのを拒むのです。

光を取り入れる方向を選び、反射と透過のバランスを選んで角度を調整し、
そーっとシャッターを切る……
しかし……またピンぼけしちゃったぁ!
透明感ゆえに、結晶の向こう側にピントが合っちゃうんですねえ……。

アルプス水晶のようにいろんな面を持っていると、
そういう失敗は少なくなるのですが、
今度はキラキラ反射しすぎて、全体の形がわからない……。
困ったもんです。

そうそう、右側のヒマラヤ水晶のように、先端は透明でも
根本の方は白くなっているという場合が多いですが、
これは、水晶が成長する際、最初はごく細く小さな結晶がランダムに成長していて、
しだいに結晶する方向が定まってきてひとつの大きな単結晶になっていくのだそうなんですが、
この小さい結晶だったところが白く濁るのだそうです。

もしかしてものすごく倍率の高いルーペで見たら、
この部分には負晶がいっぱい見つかるのでしょうか?





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Last updated  2007/12/01 10:25:53 AM
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