カテゴリ:石について考える(調べもの中心)
あるとき、ハタと気が付きました。
レムリアン・シードやロシレムの名称をふだん何気なく使っているけれど、 そのもととなったレムリア伝説をあまりしらない……。 これではいかん! と思い立ち、さっそく調べてみました。 (これを「思い立ったが吉日」、別名を「いきあたりばったり」といいます(笑)) まず、冒頭に挙げたレムリアです。 レムリア大陸は2億年以上前から5000万年前くらいにかけて インド洋中央一帯に存在したとされる伝説の大陸です。 (時期については諸説あり。場所もインド洋だけでなく太平洋の南半球を含める説もある) マダガスカルの生き物がアフリカではなくインドの生き物と共通点が多いこと、 マダガスカルには島としては非常に生き物の種類が多いことから、 かつてマダガスカル~インド、セイシェル諸島、スマトラなどを含む一帯に 巨大な大陸があったのではないかという仮説が立てられたものです。 (正確には、離れた場所から共通する生き物の化石が出土することを説明するために、 マダガスカルやインドを結ぶ陸橋があったとされた説だった) 仮説を立てたのはイギリスの動物学者スクレーターで、 その後、ドイツ人生物学者ヘッケル、 神智学者ブラヴァツキー夫人などによってさまざまな説や 伝説が付け加えられていきました。 レムリアは正式には「レミューリア」と発音するのが正しいようです。 その名前の由来は、マダガスカル・インドにはアフリカではいない「レムール」(キツネ猿)が分布し、化石も発見されていることによります。 次にアトランティス大陸です。 この大陸伝説は、ギリシア人の哲学者プラトンがその著書「ティマイオス」「クリティアス」の中で言及したことから始まっています。 ではプラトン本人がアトランティスのことを直接知っていたかというとそうではなく、 エジプトの老神官が9000年前(※)の出来事として語ったことを聞いたソロンという人物の話が、甥の大クリティアスに伝わり、大クリティアスが90歳のときに息子の小クリティアス(10歳)にそれを語り伝え、さらにその小クリティアスが甥のプラトンに語って聞かせたもの……という恐るべき又聞き物語なのです。 それによると今のジブラルタル海峡の前方にリビアとアジアをあわせたよりも大きい島があり、強大な権力を持つ王たちがいたそうです。 また他にも島があり、王の権力はその島々、さらにはエジプト、西イタリアにまで及んでいたのですが、空前の地震と洪水により、一夜にして海に沈んだ……というのです。 神官から話を聞いたソロンが紀元前558年頃没したということですからそこからさらに9000年前ということで、アトランティスの沈没は約11600……大雑把に見て約12000年前ということになります。 アトランティス大陸があったとされる場所は、大西洋、地中海が有力ですが、 その後の星の数ほど記されたアトランティスの研究書によってヨーロッパ各地やインド、東南アジア、アフリカなど実にさまざまな場所がアトランティスの候補地としてあげられました。 ただし、上で(※)印を付けた9000年前という年についてはプラトンがエジプトの数字の表記を誤解したという説があります。 紀元前17世紀に、かつて地中海のクレタ島の近くにあったサントリン島が、 火山の大爆発のために、カルデラの一部を残してほとんど海中に没し(現在ではその一部がティラ島として残っています)、その際の爆発と津波で、当時の地中海でクレタ島などを中心として栄えていたミノア文明がほぼ一夜にして壊滅したという出来事があり、これが伝説の元となった……というのが、現代考古学の定説です。 最後にムー大陸です。 この大陸の伝説は、自称英国陸軍大佐・ジェームズ・チャーチワードが、 インドまたはチベットの寺院で発見したと主張していた古代の粘土板をもとに記した著書 『失われたムー大陸(1931)』で「太平洋諸島などの古記録や神話にムー大陸への言及がある」 「現在の文明は1万2000年前に水没した古代ムーを伝承したものにすぎない」 「優れた文明を持っていたが、一夜にして沈んだ」と述べたことからから始まっていて、 約1万2000年前に存在したとされています。 イースター島などの太平洋の島々の不思議な遺跡がよくムー大陸のなごりだとされていますね。 一説によるとまずレムリアとして知られたインド洋の大陸伝説が 後にインド洋ではなく太平洋にあったと主張され、 チャーチワードが「粘土板」の解読によってレムリアを古代伝承に従ってムーと呼んだ……という説や、 レムリア大陸が(もしくはその文明が)ムー大陸(の文明)のもとになったという説 ムーはアトランティスの別名に過ぎないという説があります。 ……とまあ、ざっと書き連ねればこうなります。 不思議なことに、「レムリアの情報を持つ」というレムリアンシードがあり、「アトランティアシード」と呼ばれた水晶を見たこともあるのですが、 「ムー・シード」はありませんねえ……。 語呂が悪いせいでしょうか、それとも「一番あやしい」からでしょうか。 実は、最初「レムリアンシード」と呼んでいたものの、レムリアンシードが採れるブラジルのディアマンティーナと伝説のレムリアがあったとされるインド洋とではあまりにかけ離れているというので、「アトランティア・シード」と呼ぶようになった人がいる……というちょっとトホホな話も聞きました。 では、これらの失われた大陸伝説は根も葉もないでっち上げなのでしょうか。 アトランティスについては、プラトンの単位間違いから火山の爆発でくれた文明と共に滅んだ地中海のサントリン島ではないかという説があることはすでに書いたとおりです。 ではレムリアはどうでしょう。 2億年以上前といえば、古生代から中生代のころ。 生き物の歴史ではやっと魚類が誕生したくらいですから、 今の人間の祖先が……ということもできないくらい古い時代です。 実はバリスカン造山運動というのがおこりロシレムが採れるウラル山脈が生まれ、 さらには地球上の陸地が一カ所に集まった超大陸パンゲアが誕生し、 分裂してアフリカ大陸からマダガスカルやインドが分裂した……ということになります。 つまり、マダガスカルやインドがアフリカから分裂したあとに「レムール(キツネ猿)」が誕生し、 さらにマダガスカルとインドが分裂したことによって今では広い海に隔てられた地域に 同じような生き物が分布することになったわけです。 レムリア大陸があったとされる時代には、 インド洋そのものが存在しなかった……ということでもありますね。 しかし、ブラジルのレムリアンシードがなぜ、レムリアンと呼ばれるようになったのかはわかりませんが、 遠く離れてあまり関係がなさそうなロシレムの方が パンゲア大陸がらみでつながっていたというのは面白い一致です。 中にはレムリア大陸というのは(レムリア人がいたかどうかは別として)、 マダガスカルからも分裂してユーラシアに衝突する前のインド(インド大陸)だったのでは……という説もあるそうです。 すると、本当のレムリアンシードは、インドの水晶ということになりますね。 今回一番「おお」という驚きだったのは、「レムリア」が「レムール(キツネ猿」にちなむということでした。 つまり「レムリア=キツネ猿の国」!? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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