カテゴリ:オーストラリア、東南アジア産
意外に持っている石の数が少ない産地、オーストラリア。 そこからやってきた緑の石。 「フックサイト」だそうです。 フックサイトといえば、雲母。 白雲母がクロムによって緑に色づいているのだそうで、 ゆえに和名はクロム雲母(クロム白雲母)。 恥ずかしながら、オーストラリアでフックサイトが出るとは知りませんでした。 そんなに珍しい鉱物でもないので、どこで産出してもおかしくはないのですが。 繰り返しますが、フックサイトは雲母。雲母の仲間のはず。 雲母といえば、別名を「千枚はがし」というくらい、 うすーくぺりぺりと剥がれる性質を持っています。 ……がこの石、雲母に見えません。 だいたい、ルビー・イン・フックサイトの緑色の部分も、雲母という感じには見えません。 それでも、不透明なので、フックサイトがよく見るぺりぺり雲母の状態ではなくて、 粘土のように細かくなって固まっているのか、と考えています。 パキスタンで産出する、グリーンピース色の水晶も、フックサイト入りだと言われていますが、 これも、全くキラキラしていなくて、雲母が入っているように見えません。 フックサイトが緑泥状に変化したものをセラドナイトというそうで、 この場合は、フックサイトと呼ばれていても、実際はセラドナイトかも? と 想像してみます。 そして今回の石。 つるつるタンブル状で、流れるような緑の縞模様。 透かすと白っぽい部分が半透明に透けます。 この透け具合が何とも言えず美しい。 ……しかし、これはフックサイトではなくて、 何かにフックサイトが内包されているのでは。 フックサイトはもちろん、緑の部分でしょうから 何か、というのはこの光に透ける半透明の部分ということになりますが、 これがなんなのかは、私にはわかりかねます。 ルチル入り水晶を略して「ルチル」と呼ぶように、 内包物の名前で石全体を示してしまうことがありますが、 実は、とても不親切な呼び方だったんですね。 そういえば、サーペンティンにスティッヒタイトが混ざった石 (アトランティサイト)のビーズが 「スティッヒタイト」の名前で売られていたことがありました。 私は、その石を知っていたので 「あ、アトランティサイト(サーペンティン&スティッヒタイト)」と思いましたが、 知らなければ、ビーズそのものが(サーペンティンの部分も含めて) スティッヒタイトなのだと思ってしまったかもしれません。 危ない……。 石の名前を間違えて表示する、売るためにフォルスネームを使う、 商品名と鉱物名、宝石名が入り交じる。 石の名前は、いろいろ間違えやすいものですが、 何気なく略した名前でも、時には誤解を招くかもしれません。 危ない……。 ということで、今回の石はフックサイトと「何か」がまざったもの。 いったいなんでしょう? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008/04/04 11:17:31 PM
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