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テーマ:日々自然観察(10057)
カテゴリ:クモ
ササグモは何時も葉の上で獲物を待っている。かなり敏感で、人が近づくとサッと葉裏に逃げ込み、時にハエトリグモの様に跳躍して逃げる。 しかし、跳躍はしても、良く見てみると、脚が細く長く、長い刺毛が生えていて、ハエトリグモとは随分形を異にする。
眼は8個でほぼ環状に配列する。背側から見ると後中眼しか見えないので、眼が1対しかないように見えるが、正面からみるとチャンと4対8個あることが分かる。何だか、眼が沢山あって変な顔!! 其処へある日、雄のササグモが1匹やって来た。雌よりも脚が長く、胴体は逆にずっと小さい。
クモは昆虫と同じ節足動物門に属すが、昆虫とは異なり交尾はしない。代わりに、イカ・タコ、エビ・カニの様に交接をする。しかし、クモは、エビ・カニやイカ・タコとは異なり、交接に際し精包を渡すのではない。 雄のクモは、成体になると、第1歩脚の前方にある蝕肢の形が変化し、先端がスポイトの様な移精器官に変わる。 交接の前に雄は一寸した準備をしなければならない。まず、精網と言う特殊な網を張り、その上に精液を出してから、蝕肢の先にある移精器官で精液を吸い取り、そこに溜めるのである。 その後、雄は山野?を放浪しながら雌を探す。雌を見付けるとこれに接近を試み、旨く近づくことが出来て交接体勢に入れれば、移精器官を雌の生殖口に差し入れて精液を注入する。 種類に拠っては、この時、雌に食べられてしまう雄もある。
ところで、読者諸氏は蜘蛛の生殖口が何処にあるか御存知だろうか。昆虫の様にお尻の先端に開口するのではない。雌雄共に腹部の中央よりやや前方の腹側に開口する。 因みに、エビの生殖口は頭胸部(大きな殻に囲まれている部分)の第3歩脚(雌)、或いは、第5歩脚(雄)の基部に開口する。一寸意外かもしれないが、尾部(主に食べる部分)には筋肉の他に腸管と神経しかないのだから、当然と言えば当然である。考えてみると、胴体の末端近くに生殖口がある生き物は余り多くない。
雌の交接に際し使用されるのは交接口であるが、単性域類と呼ばれる原始的なクモでは産卵口と交接口は同一、より高等な完性域類では別々になっている。ササグモは完性域類に属すので、産卵口と交接口の2つを持っている。
雄グモは、ほぼ1週間に亘り雌の近くに留まっていた。丁度梅雨の降りしきる最中で良く観察できなかったが、果たして首尾良く務めを終えたであろうか? 天気が良くなってからも、少し離れた所で、この雄グモを時々見かけた。しかし、3日も経った頃には、もう何処かへ行ってしまったのか、居なくなってしまった。 雄グモは雌グモとは異なり、何度か交接を行った後はもう何もすることがない。ただ死ぬだけである。自然の摂理とはいえ、やはり何とも空しい感じがする。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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クモは交尾しないってこと、交接の仕方、生殖口の位置・・
知らないことだらけで、「へぇー、ほぉー」とうなづきながら読ませていただきました。 知れば知るほど、不思議でおもしろいですね(*^-^*) ありがとうございます。 ササグモ、アーチャーンさんの庭に卵を産んでくれるといいですね。 (2007.07.27 13:25:59)
ハエトリグモと似ていて 巣アミなしで 餌をさがすし ジャンプするのですねー
秋色ササグモって 枯れ葉色に変化するのですか? カメレオンのように体の色素を変化させるのかしら~? エビや蜘蛛の排泄・生殖って体中央にあるって 初めて知りました。面白いです。ありがとうございます。 (2007.07.27 13:36:15)
かほ(*^-^*)さんへ
>ササグモ、アーチャーンさんの庭に卵を産んでくれるといいですね。 ----- 今、キショウブの歯の折れたところに網を張って張り付いていますから、其処に卵があって守っているのだろうと思います。 来年もまた楽しめそうです。 (2007.07.27 13:48:10)
るる555さんへ
>秋色ササグモって 枯れ葉色に変化するのですか? >カメレオンのように体の色素を変化させるのかしら~? ----- 環境に応じて色を変えるそうです。今後観察してみます。 >エビや蜘蛛の排泄・生殖って体中央にあるって >初めて知りました。 ----- 排泄口はエビでもクモでも尾端近くにあります。 (2007.07.27 13:57:59)
こんにちは~
排泄するのは、尾のほうなのですね。産卵と交接も違うところですし 複雑なのですね。 ありがとうございます^^ ♂の蝕肢とは、お口の食事するときに使用するものが 変化するのですか?お写真では、黒いカ二の足のように見えるところでしょうか。 何もすることない・・・ 美味しいもの食べたり 空を見上げたり メスの子育てをながめたり 虚しい生活の中 冬越しとか 引越しとか 旅行 考えているかもしれないです。 (2007.07.27 17:10:30)
るる555さん
>♂の蝕肢とは、お口の食事するときに使用するものが 変化するのですか?お写真では、黒いカ二の足のように見えるところでしょうか。 ----- 黒いのが移精器官です。 雌や未成熟の雄の蝕肢は鬚状だったり歩脚と区別が付かなかったりで、種類により様々です。感覚器でもあり、餌を支える機能もあります。 以前紹介したキシノウエトタテグモの雌http://plaza.rakuten.co.jp/Wolffia/diary/200707010000/ では、蝕肢は歩脚に酷似しています。 (2007.07.27 17:36:00) |