|
カテゴリ:植物(草本)
このタデ、今まで種類を調べてなかったので、保育社の「原色日本植物図鑑」で検索してみた。タデ類の検索は面倒かと思ったら、思いの外簡単で、直ぐに最普通種のイヌタデに落ちた。 イヌタデの特徴は、花は密な穂状で花柄に線毛を欠き、葉鞘の縁は緑色ではなく同じ程度の長さの縁毛があり、葉は葉鞘の下部に付き広披針形で鋭頭、花被の脈は明らかでない、と言うことになる。葉鞘の縁毛はかなり特徴的なので、下に写真を示した。
しかし、このタデの花、何時開くのか。1週間ほど観察して、一番開いている状態が次の2枚の写真である。Internetで探してみると、ハルタデなどはシッカリ開くようだが、イヌタデの開き方はこんな程度らしい。 写真を見ると、花柱は3つに別れ、雄蕊は幾つあるのか良く分からない。図鑑のタデ科の解説には、雄蕊は6~9個、または稀に多数と書いてある。
花の直径は2mmを少し超える程度である。しかし、こんな小さな花の中にも虫が居た。写真を撮り始めたら花の中から出て来て、花の周りを一周してまた中に入ってしまった。花粉が付いていて良く分からないが、アザミウマの1種ではないかと思う。
タデもミズヒキと同じく、花被は花が閉じても落下せずに残る(しかしミズヒキとは異なり花柱は落下する)。この為、肉眼的にはず~と花が着いている様に見えるが、実際は桃色の花被の中で種子が成熟して行くのである。この種子を目当てに、カメムシどもがやって来る(カメムシが無数に集ったタデの花穂が見たい方はこちら)。 しかし、不可解なのは、花の咲く順序である。普通、穂状に着いた花は、その先端あるいは基部から順に咲いて行くものなのだが、タデの花の開き方はまるで無秩序である。下の写真の様に、種子が出来ている花のすぐ隣にまだ蕾や開いている花があったりする。
ミズヒキやタデでも、花を拡大してみると結構面白い。そこで、次は何にしようかと庭に出てみたが、意外とネタになりそうな雑草がない。ツメクサ、オランダミミナグサ、チドメグサなど、植木鉢の隅に何時でも生えていると思ったら、チドメグサが少しあるだけ。ツメクサとオランダミミナグサは全く見当たらない。雑草と雖も、やはり季節と無関係ではないのだろう。或いは、真夏の酷暑が苦手な種類もあるのかも知れない。 実を言うと、「雑草シリーズ」を始めれば、このWeblogの「植物(草本)」部門は安泰だと前々から思っていた。しかし現実は、中々こちとらの思惑通りには行かない様である。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[植物(草本)] カテゴリの最新記事
タデの花って いつまでも枯れない と思ってました。昨年は、紅葉するタデの花とかブログに記したりしてショックです。ガクだったのですね。
雌しべの先 葉のサヤと縁毛 タネも気付きませんでした。早速 観察してみたいです。ルーペが必要でしょうか。今日も楽しかったです。ありがとうございます♪ (2008.09.11 18:11:30)
うちの庭では今稲科の雑草の花がいっぱいです。抜いても抜いてもちっとも減りません。お宅は手入れが行き届いているのでしょう。
イヌタデもどっかに生えていそうです。自分の目でも観察してみます。 (2008.09.11 18:51:19)
雑草シリーズ、是非とも回を重ねて下さい!
タデもここまででっかく見せて頂くと 「ほぉ~!」でタデの花の構造とか そのアザミウマ(かなり小さいものなんですね)の 花粉まみれなんてまず見れません。 オランダミミナグサ、確かに春には花をがんがん見ますが そういえば今、彼らはどうなってるんだろう? 2年草ですから、2年目のは結実して枯れたとして 1年目のは今時分?? (2008.09.11 21:57:55)
花の開き方が無秩序、というところを拝読して、
またまた大笑いしてしまいました☆ 無秩序に咲く・・・素敵な表現だと思います*^^* カメムシが無数に群がる画像も、拝見してまいりました☆ どんな感じかな、こんな感じかな・・・と、 ある程度、想像しながら、お邪魔しましたのに、 実際に画像を拝見して「ひぃ~~~~~~っ!!!」でした^^; アーチャーンさんが、 「見たいなら、こちらに」とおっしゃるのが、 御配慮によるものであることを、実感しました*^^* ずっと咲いているように見えて、 実は中で、着々と実を結んでいく・・・ なかなか面白い花ですね☆^^☆ (2008.09.11 22:08:12)
るる555さん
>タデの花って いつまでも枯れない と思ってました。昨年は、紅葉するタデの花とかブログに記したりしてショックです。ガクだったのですね。 ----- 私も昨年オオイヌタデに集るカメムシを観察していて漸く気が付いた次第です。 >雌しべの先 葉のサヤと縁毛 タネも気付きませんでした。早速 観察してみたいです。ルーペが必要でしょうか。今日も楽しかったです。ありがとうございます♪ ----- ルーペがあった方が良いでしょう。 (2008.09.12 10:36:11)
クーン43さん
>うちの庭では今稲科の雑草の花がいっぱいです。抜いても抜いてもちっとも減りません。お宅は手入れが行き届いているのでしょう。 ----- イネ科のメヒシバ他色々生えております。 >イヌタデもどっかに生えていそうです。自分の目でも観察してみます。 ----- イヌタデは日本全土に分布するそうです。尤も、他のタデでも、花に関することは殆ど同じでしょう。 (2008.09.12 10:39:10)
snowrun29さん
>雑草シリーズ、是非とも回を重ねて下さい! >タデもここまででっかく見せて頂くと >「ほぉ~!」でタデの花の構造とか >そのアザミウマ(かなり小さいものなんですね)の >花粉まみれなんてまず見れません。 ----- 近々デッカイ雑草を掲載します。 >オランダミミナグサ、確かに春には花をがんがん見ますが >そういえば今、彼らはどうなってるんだろう? >2年草ですから、2年目のは結実して枯れたとして >1年目のは今時分?? ----- 春から初夏にかけて開花結実ですから、今は種子の状態でしょう。 (2008.09.12 10:41:17)
夢のはしさん
>花の開き方が無秩序、というところを拝読して、 >またまた大笑いしてしまいました☆ >無秩序に咲く・・・素敵な表現だと思います*^^* ----- 夢さんらしいコメントですな。 >カメムシが無数に群がる画像も、拝見してまいりました☆ >どんな感じかな、こんな感じかな・・・と、 >ある程度、想像しながら、お邪魔しましたのに、 >実際に画像を拝見して「ひぃ~~~~~~っ!!!」でした^^; >アーチャーンさんが、 >「見たいなら、こちらに」とおっしゃるのが、 >御配慮によるものであることを、実感しました*^^* ----- 別に配慮をしていた訳ではないのですが・・・。肉眼では近づかないとカメムシが見えません。気が付いたときには、一寸驚きました。 >ずっと咲いているように見えて、 >実は中で、着々と実を結んでいく・・・ >なかなか面白い花ですね☆^^☆ ----- クリスマスローズやヤマボウシなどの萼片が花弁の様に見える種類でも同じです。我が家のクリスマスローズは殆ど原種と言っても良い種類ですが、種子が成熟してもまだ観賞できる程度の黄緑色をしています。 (2008.09.12 10:47:16)
アーチャーン先生のブログには肉眼では見られないマクロの世界を覗かせてくれるワクワク感があります。
私的には植物シリーズよりも昆虫シリーズのほうに 興味をそそられます。 (2008.09.12 12:22:33) |