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2022.12.10
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「ああ、そっち行っちゃだめだよ!ああ、そこでなにしてるの?」
ジョンピーはさっきから叫び続けていた。
超わがままな幼稚園児をひとりで引率する新米保育士のように途方にくれていた。
カナイド村からタンキーが癇癪で膨張し続ける嘆きの森まで、30羽のデブリンバトを連れて行かねばならないと思うと気を失いそうになるのだった。
だがもしタンキーが爆発して日本の国の隅々まで癇癪を撒き散らしてしまったら日本の国は大混乱になってしまうだろう。
それを思うと鳥肌が立ってしまいそうだった。
あっ!元々ジョンピーは鳩なので鳥肌は当たり前だ。
トットさんたちとは京の五條で落ち合う予定だが、今すぐにでも助けに来て欲しいと思わずにはいられなかった。
一方トットさんと三猫と頼りない仙人の益比は約束の地京を目指して険しい山道を進んでいた。
デブリンバトのノンキーは少しでもタンキーの癇癪を治めようと、ひとり残って懸命の癇癪中和に励んでいた。
「ジョンピー、デブリンバトをひとりで誘導するのはさぞかし大変だろうなあ?なにせデブリンバトのやつらは超気ままで能天気なやつらだからなあ。」
そう言ってトットさんは東の空を見つめた。
「トットさんと同じなんだ。」
連のつぶやきにトットさんはじっと睨んだ。
その時・・・
「キャー!!!」
女性の悲鳴が静かな谷あいにこだました。
「俺みてくるよ。」
雷はそう言って、すぐさま声のした方向に走り出した。
雷が駆けつけた崖の上から下を覗くと、山賊たちがひとりの猫族の女性を取り囲んでいるようだった。
もっとよく見ようと近くにあった木の枝に体を預けて乗り出した瞬間、その木は根本からポッキリと折れた。
「キャー!!!」
今度は雷の悲鳴が谷間にこだました。
雷の運命やいかに?





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最終更新日  2022.12.10 22:12:44
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