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のらり。

[本。] カテゴリの記事

全47件 (47件中 1-47件目)

彼女の時代　フーコー短編小説傑作選２７

お友達のななちゃんのお話が乗った短編集？の本らしいです。（まだ買えてないから手元になくて「らしい」としか言えないんですが）なんか友達の書いた話が販売されてるってすごい！と感動。一歩ずつ夢に向かって頑張ってるんだなー。彼女の夢は小説家！いつか書店に並ぶのを楽しみに頑張れーとエールを送りたいと思います。頑張れー！

2007.08.16

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まいにちかあさん／西原理恵子

西原さんの毎日新聞に連載されている子育て漫画をまとめた一冊。気が付けば息子さんは３年生です。おおおおお。コレを読むといかに息子って大変なのかと感じます。すげえよ、男の子。そして娘はいかに小悪魔かと思います。すげえや、女の子。笑いが主なのですが、そこは西原節でそこはかとなくほろりとくるときもあります。でも、今回のはもう、ずりいよ。だめだよ。４冊目の「出戻り編」読めばわかってもらえると思うんですけど、最後のページがもうダメで。最初は普通に読んで、そのあとなんかかみしめて、その後は一気にきちゃって気が付いたら泣いてました。ホントその最後の２ページ。その前のページまでは泣く予定なんて全然なかったのに。漫画読んで泣いたのなんて初めてかもしれません。西原家のとうさんが、子ども達が、かあさんがとても愛しい。私もいつかはかあさんになりたいです。

2007.07.26

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ぼくのキャノン／池上永一

沖縄を舞台にした物語を書かれる作者さんで、気の抜ける展開と引き込まれる設定とどぎついキャラクターが毎回目白押しです。何より沖縄言葉や慣習が読みどころな小説を書かれます。そんな池上さんの「ぼくのキャノン」戦争時に設置されたキャノン砲を「キャノン様」とあがめる村で明かされていく秘密と陰謀。沖縄、といえばオバァで池上作品には濃いオバァが登場するのですが、今回も例外なくすごいのがでてきます。しかし、今回はオジィもでます。すごいですよ、樹王オジィ。名前もスゴイがなにより彼の生き様にマジ惚れる（笑）。物語はオバァの孫世代が主軸。さすが祖父母がスゴイだけあってこの子達も凄いんですけど。こんな小学生、イヤだ（笑）。オバァ達が隠しているキャノン様に関する秘密に村で起こる謎の爆発。慣れすぎた慣習に隠された意図。怪しいアメリカ人やら村の開発を狙う高飛車お嬢様やらの登場に対抗するべく村を守る美女軍団やら青年団。最初は笑って、引き込まれて、最後にほろりとこさせます。自分の郷土を愛する心とか、戦争とかについて考えさせられたりられなかったり。とりあえず、ぶっ飛び設定でも大丈夫！な方、池上作品、オススメします。

2007.04.07

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誘拐ラプソディー／荻原浩

絵板でも書いたのですが、てんやわんやの誘拐モノです。借金を重ねてもう死ぬしかないと思った主人公が急にひらめいた金持ちの坊ちゃんの誘拐。ところがこの坊ちゃん。ただの金持ちの息子と思いきや父親は組長。ヤクザの皆様の追跡。しかし運だけでくぐり抜ける（てか組長の息子と気付いてない）主人公。追っ手は増えてマフィアや警察まで出てくる始末。ついでにいつの間にやら芽生える息子との信頼関係。ありえねー的な展開を見せてくれる、笑えてちょっとほろりとさせる物語。読みやすい文章でぐいぐい世界に引き込んでくれます。最近の好きな作者さんの一人です、荻原さん。

2007.04.07

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ショートソング／枡野浩一

イケメンなのにぱっとしないチェリーボーイといろんな女に手を出しまくりなプレイボーイ。そんな２人が短歌を通して出会ったところから始まる様々な人々との関わりや移り変わりの物語。視点が２人交互に変わっていくのですが、物語中に様々な短歌がでてきます。それがなんだか面白い。短歌ってなんか堅苦しいイメージしかなかったんだけど、なんか自由なんだなーとか思いました。しかし、プレイボーイはとんでもない男です。この節操なしー！！ですが、段々と変わって情けなさがでてくる彼は憎めないなあとも思ったり。実際いたら絶対関わりたくないタイプですが。チェリーの方はかわいいですが、今後化けそうで恐ろしいです。ぶるぶる。

2007.02.10

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ないたあかおに

童話の中で何が好きか、と言われるとたくさんありますが童話の中でどれが泣けるかと言われるとコレが私の中でダントツだったりします。「ないたあかおに」なぜか、子どもの時より大きくなった今読んだ方が泣けます。青鬼がとてつもなくイイ奴で泣けるんです。大まかなあらすじですが、恐ろしい見目のため人から怖がられてる赤鬼は人と仲良くしたくて仕方ない。そんな自分の気持ちを青鬼に相談すると、自分が人を襲うフリをするから自分をやっつけて怖くない鬼だということをアピールしろと言う。青鬼をやっつけることに抵抗がある赤鬼は断るが青鬼の押しに負け実行する。策は成功して赤鬼は人と仲良くなった。人との関わりの中なかなか報告に行けなかったがしばらくたってようやく青鬼に御礼を言いに行った赤鬼は青鬼が不在の家で自分に宛てた手紙を見つける。そこには自分が赤鬼と仲良くしていたら人は騙していたのかと怒るだろう。君と人との仲を自分が近くにいては壊してしまうので自分はしばらく旅にでるというもの。その手紙を読んで赤鬼はほろほろと泣くのだった、という話。何が泣けるかって、赤鬼に宛てた手紙とかから、青鬼は赤鬼の前から去ることを最初から考えてたんじゃないかなとか思うわけで、そんなことを微塵も感じさせないで一芝居うって赤鬼と人を仲良くさせようと提案する青鬼に泣けるわけですよ。この青鬼は赤鬼のことが好きで、そのくせ赤鬼のために離れることを躊躇わず選んでしまうあたりが愛しくて仕方ないんです。泣ける童話でダントツです。うっかり本屋の絵本コーナーで泣くとこだったよ。（どれだけ感情移入してんだ）

2007.01.29

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アジアンタムブルー／大崎善生

話の構成的には「セカチュー」に似ていると思う。でも私はこっちの方が好き。愛していた彼女に死なれた男の人の話。苦々しい過去とかがくるくると回って、彼女と出会ってから失うまでが回想されていくんだけど、その過程がとても苦くて愛しいと思う。淡い世界のゆらゆらと揺れるような話の流れが好き。どろりとしたところもあるんだけれど、そこがさらりとしているように感じるのは作者さんの文章の流れによるものなんでしょうか。パイロットフィッシュ（この本の前作）でも思ったけど、この作者さんの熱帯魚に関する表現の仕方がとても好きで、薄暗い中の水槽の光をただただぼうっと眺めていたくなります。

2006.10.14

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椿山課長の七日間／浅田次郎

デパートに勤務する椿山課長は日頃の忙しさがたたってか急逝してしまう。しかし、俺にはまだ心残りがあるんだと７日間だけ美女の姿を借りて現世に帰ってきた！という話。かなり死後の世界の設定が事細かです。そんなシステムなのかよ！！かなりマンガっぽい設定です。楽しく一気に読めましたが、登場人物が少々出来すぎかなあ、と。とくに子ども達が全然子どもらしくありません。それはそれで楽しいんですが。最後のオチがなんとも納得いかなかったんですが、全体的には面白かったです。買ったときには知らなかったのですが、この小説も近々映画化するらしいです。最近小説原作の映画が多くてそれはそれで楽しいのかもしれないけど多すぎやしないか？という気もします。ある意味読書離れへの対応策にもなるかもしれませんが。（興味を持つ、という意味では効果的ではありますわな）

2006.10.10

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ジョッキー／松樹剛史

題名の通り競馬のジョッキーの話。競馬のことは有名なレースの名前少し知ってくる程度なんですが、そんな専門的な話ではないのでするりと入って読むことが出来ました。主人公の八弥さんがまっすぐで、生き辛い生き方してんですがそこが彼の魅力なんでしょうかね。ちょい役ででてくる人物が多すぎる感はありますが、一癖も二癖もある人たちはそれはそれで面白かったです。レースのときは馬と騎手しか目に入りませんが、それまでの経緯にはいろんな人が関わってんだよなあ。レースのときの騎手と馬の描写が面白くドキドキしました。

2006.10.10

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ＮＯ．６＃５／あさのあつこ

買っちゃったーｖｖ待ってたんです、待ってたんです。ええ、そりゃあもう。ってなかんじでＮＯ．６。今回は、色んな方面で話が進み始めたってかんじでしょうか。次巻あたりでネズミの過去が明かされそうな予感？ところで紫苑のネズミ好き好きっぷりはさらに拍車をかけて留まるところをしりません。いや、もうそこらへんは読んで頂けると同意してもらえるかと。殺されてもかまわないし、彼を傷つける者には罰をってな感じです。ししししし紫苑。どれだけ世界の中心がネズミなの････！！＃６はいつでるかなー。楽しみです。そういやＮＯ．６も文庫化らしいですよ。バッテリーも文庫になって読者層が広がったらしいので、これも読者が増えるかなー。

2006.09.19

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底辺女子高生／豊島ミホ

う～ん、ぶっちゃけネガティブ思考満載です。作者さんのネガティブ高校時代のエッセイなんですが、読んでて苦しい、苦しい（笑）。でも、この苦しさってなんだか共感できるところが多いあたりにくるものなんですわー。地味女子と自分を称し、人の目が気になる。クラスマッチでは運動できないことが苦ではなく、運動できないことで周囲の人に迷惑をかけることが苦になる。自分自身に価値を見いだせない。こんな自分は自分じゃない。どっか違うトコに行けば今の地味な自分から脱出できるはずなんだ。うーわー、共感できるし。今となればどこにいったって自分は自分でしかあり得ないなんてことはわかるんですが、適当に過ごして本気を出していない自分とかで己を守って別天地に夢を見てましたなあ（遠い目）。中高生だった頃や（今もかな）自分のネガティブさが見えてイヤになる本です（笑）。すべてに共感できるわけではないですが、読んでて苦しいわい。はーはー。それでも、今、そんな感情を抱えている子たちにとっては少しはなんかの指標になるのかしら。あとがきのそれでもなんとかなるから大丈夫ってのはとても共感できるところ。辛いかもしれない学校生活は人生のすべてではなく、閉鎖されたあの空間にはその先の世界が（それは優しく暖かいモノではないかもしれないけれど）待っているんです。

2006.09.07

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ダイスをころがせ！／真保裕一

「ホワイトアウト」の作者さんの本です。いやあ、面白かった！青春選挙小説ってかんじですかね。３４歳。無所属。資金はない。後ろ盾もない。あるのは政治を変えたいという志！衆議院議員に立候補する天知さんとその情熱に惹かれて彼の第一秘書になった駒井さん。彼らの頑張りとそれに同調して協力してくれる仲間たち。明らかになっていく過去だったり、取引だったり、選挙妨害だって始まります。それぞれが抱えた背景なども織り交ぜながらなんとか苦難を乗り越えていく様はまさに青春小説。天知さんがまっすぐに熱くて駒井さんも段々と熱くなってきます。そりゃもう。選挙はあまり自分には関係のない話だ、と正直思ってましたがちょっと考え方が変わりました。一応行ってたけど、行けないときは仕方ないよねで済ませてた選挙ですが不在者投票にちゃんと行こうと思います。私に与えられたダイスですからころがします。いいよ、この本。

2006.08.26

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The ＭＡＮＺＡＩ／あさのあつこ

「笑う招き猫」の漫才つながりでこっちも。綺麗な顔した小柄な転入生「歩」にガタイのいい「秋本」は一目惚れした。歩に惚れ込んだ秋本は「俺と付き合ってくれ」と告白。「何いってんだ、オマエ！」「オマエしかおらんのや、一緒に漫才をしよう！」俺にとってオマエは普通なんかじゃない。特別なんだ。中学生のぐるぐるした感情やらが描かれてる青春小説。普通じゃなくてもいいんだ、ってあたりがこの本のメッセージなんでしょうけれども、それよりも秋本の歩に対する惚れ込みようが半端じゃないあたりが気になるよ。最初は漫才の相方として惚れ込んでたみたいですがだんだんそうじゃなくなってきてる気が。いや、気じゃなくてあきらかに（笑）。秋本のコトが好きな美少女幼馴染みがいるんですが、そんなのそっちのけで歩まっしぐら。「うちのことあんな目でみてくれんのに！」ってどんな目をして見つめてんでしょう、この人。歩は必死で抵抗してますが、秋本に押し切られるのも時間の問題じゃないかしら。私が腐女子だからじゃないよ！読んでみてよ、絶対そう思うから（笑）！まだ続きそうな感じなんだけどどうかな。彼らの行く末が気になって仕方ありません。

2006.08.16

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笑う招き猫／山本幸久

漫才コンビ「アカコとヒトミ」豆タンクのアカコと背高のっぽのヒトミ。この２人が良い味出してます。一緒に頑張って頑張って。お互いが大切で大事にしてる。漫才は大変で、時々喧嘩もするけど、２人だったらどこまででもいける。ふたりが実際にいたら生で漫才見に行きたいと思ってしまいました。アカコの即興歌が好きだなあ。

2006.08.16

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パーフェクト・プラン／柳原慧

代理母が虐待を受けてるかつて産んだ子どもをさらったことから始まる誘拐劇。クローン胚やら株やらネットハックやらと現代をネタにした小説でした。登場人物に嫌味がなく結構好きになれるので気分良く読めます。バラバラだった人たちが誘拐というひとつのことに協力することで家族のようになっていくところがちょっと微笑ましかった。旅のお供に連れて行ったのですがあっという間に読み終えてしまいました。

2006.08.15

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ぼんくら／宮部みゆき

宮部みゆきさんの大江戸推理捕り物帳みたいな話。最初短編かなーと思ってたらそれはすべてひとつの流れに集約していくという面白い作り。おおお、ここでそうなっていくのか。一気に世界観に取り込まれて一気に読めます。読め、るんだけども。個人的には、やっぱりこの「ぼんくら」でひとつの事件は解決してほしかったというか。あきらかに続いてるじゃねえか感がどうしても。後、上巻のいよいよ最後の方ですべてを覆していく弓之助の登場もちょっと都合よくねえ？と思ってしまってね。いや、「レベル７」に比べればまだいいほうですが。（←最後の最後ですべてを覆すキャラがでてくるというすごい裏技だった。今までの騒ぎはなんだったんだと思わずにはいられませんよ。それまではすごく面白かったのに････！）続きは「日暮らし」って本らしいのですが････文庫待ちです。

2006.08.13

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退屈姫君シリーズ／米村圭伍

　以前書いていた「退屈姫君伝」の続編。あいかわらずのめだか姫の騒動記なんですが、面白いよこれ。退屈姫君伝に比べるとページ数のこともあり仕掛けは多少減ってしまいましたが、この物語のノリがいいのでさくさくーと読めてしまいます。なにより私はくの一のお仙さんが好きなんだ！彼女の活躍が見られればそれでいいんだ。最後をみるとまだ続きそうなシリーズなのでこれからも楽しみにしたい本のひとつです。　ところでこの退屈姫君を読む前にオススメしたいのが↑の「風流冷飯伝」という本。退屈姫君とリンクしているので先に読むのもまた一興かと。再登場したときに愛着がもてます。私は先に退屈姫君から入ってしまったのでちょっと残念。さらに追加でいうと、その後のお仙さんの物語で↑「面影小町伝」ってのもあるんですが、これは「退屈姫君」と微妙にリンクしてこないんじゃ･･･？と思うお話。そもそも「風流」「退屈」「面影」で三部作らしいんですが、「退屈姫君」がシリーズ化してしまったのでこれからどうするんだろう･･･とか思ったり。面影～はちょっとノリが違うのであんまりオススメはしません。面白いんだけどねー、ちょっと暗重なの。

2006.08.13

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夏と花火と私の死体／乙一

乙一さんのデビュー作。確かジャンプのノベル大賞かなんかをとった作品。初めてタイトルを目にしたのはそのジャンプの受賞作品掲載だったんですがなんちゅうスゴイタイトルをつけるんだ、と思ったのを覚えてます。いつか読んでみたいもんだと思ってようやく読みましたが、タイトルと同じくスゴイ話でした。木から突き落とされて死んでしまった私が語り手となって、突き落としてしまった妹とその兄がその死体を隠そうとする話なんですが、こえー。何が怖いってこの兄が。そのうち妹だって不必要だと思ったら殺すんじゃねえの、と思わずにはいられないくらいの淡々とした様子が恐怖です。いや、一応かわいがってるようではありますが･･･ありますが。最後に驚きのどんでん返しがまってます。これを高校生の時点で書いたってのがすごいな。一緒についてたお話はいまいちオチがよくわかりませんでした。

2006.08.13

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DIVE!!／森絵都

絵日記でも書いたけど、オススメ！こういうスポーツにとりくむ少年モノってなんでこういいのかなあ。この発展途上の子たちが成長していくところにやっぱり心躍るというか。ダイビングでオリンピックを目指す三人の主人公の物語。それぞれの葛藤とか苦悩とか成功とかいろんなものが描かれてます。頑張りたい！元気だしたい！と思うときに読むと良い本です。私は前に買ったので少し大きめの全４巻を持ってるんですが、最近文庫本になったので（畜生！）比較的手を出しやすいのではないでしょうかね。

2006.08.13

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神様からひと言／荻原浩

久々に本日記。てか最近全然書いてなかったのでしばらく本日記になると思われます。で。この本「神様からひと言」。なかなか面白かったです。とあるラーメン会社に転職した主人公が自分の短気さでトラブルを起こしてしまい、問題児の掃きだめと言われるお客様相談室に飛ばされてしまうんですが、ここにいるキャラクターが曲者ぞろい。ついでにかかってくる電話は頭が痛くなるものばかり。それでも段々にうまいこと仕事をこなすようになって、自分自身も少しずつ変わっていく。こういう主人公の成長モノってのは読んでて楽しく読後もよいので大好きです。荻原浩さんは映画の「明日の記憶」の作者さんでもあります。他の本もイロイロと出してあるようなので今の積み本が減ってきたら手を出すかなー。

2006.08.13

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むかしのはなし／三浦しをん

直木賞をとられたそうですね、三浦さん。おめでとうございます。昔、この作者さんが爆笑問題の番組に出られてたときに太田さんが読んで不思議な話ですね、と言ってましたが確かに不思議な話でした。でもおもしろかった。(ちなみにその番組では彼女が自分の妄想話(彼女が愛しているヴィゴ(外国の俳優)に出会い愛を囁かれるまでの設定やら流れやら)を披露してくれたのですが爆笑問題がドン引きしているのをみてブラボーと思った)日本のむかし話をベースにしたらしい現代～近未来？の短編集。ページ数少ないのからバラバラに読んでたんですが、この本はちゃんと流れに沿って読んだ方がいいな。主人公の一人称で昔のことを語っていく形式。私、今まで読んだこの人の小説の中だったらコレが一番好きかもしれない。しかし、ホントこの人はエッセイとのギャップがすごいなあ。

2006.08.04

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王さまシリーズ／寺村輝夫

「ぼくは王さま」といえば小学生の頃の国語の教科書にのってたのを見たのが最初。確かツバメが出てきた話。絵が可愛くて展開が面白いと思いました。妙でメルヘンでナンセンスな世界観。とても大きな卵焼きやいつまでもでてくるチョコレート。王さまはもう立派な大人で王さまなんてやってるくせにやることは子ども。そりゃもう、子ども。そこがとても魅力で子ども心にいいな王さま、と思ったモンです。図書室で本を借りてくると母が寝る前に弟と私に読んで聞かせてくれていたのだけれど王さまシリーズはかなりの率で読ませたはずです。テレレッテ　トロロット　パッパパーン物語の途中で妙なラッパがいつも鳴り響く。パターンはいくつかあるけれど、だいたいこんなかんじ。未だに覚えている。きっと弟も母も言えると思う。作者の寺村輝夫さんが亡くなったらしく、その記事を読んで王さまシリーズが好きだったことを思い出しました。寺村さんが亡くなっても王さまは相変わらずどこかで子どもみたいないたずらとかやってる気がします。とても素敵な良い本です。たくさんの子どもに読んでほしいな。寺村さん、すてきな物語をありがとう。

2006.05.23

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４コマ哲学教室／南部ヤスヒロ

今、試験のために哲学者の名前を覚えたりしなくてはいけない私。そもそも、試験のためにってあたりがなんかいろいろとダメな気がしますがまあ、必要なのでいやでもやる羽目になるわけです。当然、そんな心持ちなのでさっぱりです。奴ら(哲学者)が言ってることはさっぱりわからん。とりあえず、なんでもいいから苦手意識を持たずに哲学に触れられる本がないかと思ったら本屋でみつけました。「４コマ哲学教室」４コマで哲学。私のためにあるような本です。字ばっかりで理論だの理屈だの書いてある本など入眠するためのアイテムにしかなりません。これなら眠らず読めそうだ、と早速購入。帰宅途中の電車で読みました。相原コージさんの４コママンガをもとに哲学について説明していくという構成。生きる意味を問う浩と、己の生きる道は食べられることだと達観しているブタ公が様々なやりとりをしていくのですが、ブタ公がとてもクールです。なんか重そうなテーマもってる浩ですが、結局のところ自分ってなんだと考えながらたいしたもんはもってなくて、そこをバッサバサとブタ公に斬られていく様はいっそ清々しいです。ブタ公、超事実判断主義。しびれるね！ですが、浩とブタ公の関係や考えが段々と変わっていく様がとても好きです。マンガが入って読みやすく、わかりやすい説明で面白い。なかなか楽しい良い本でした。だからといって勉強が進むかってのは別問題ですがね･･･。少しはとっつきやすくなるかしら。

2006.04.22

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退屈姫君伝／米村圭伍

電車の中でちょこちょこ読んでて読み終わりました。面白かったですよ、退屈姫君伝。いたずら大好き、退屈大嫌いなお姫様・めだか姫がお輿入れした先の藩で退屈しのぎに城を抜け出したり、藩の六不思議を探っているうちにとある陰謀を知ってしまい、参勤交代で城を留守にしている夫に変わり、藩の危機を救うべくてんやわんやの大騒ぎを繰り広げるお江戸小説。ううん、まとまってないけどそんな感じの話。この小説の面白いとこは、ですます調の三人称と伏線の張り方。うまいです。ああ、そこでそのエピソードはここにくるのかと、久々に伏線と気付かない伏線で感心してしまいました。(単に私が気付かないだけだってツッコミはいらないよ！)あまり深く考えないで読めて、最後にすかっと終わるので読中も読後も良い本でした。めだか姫の「すてきすてき」の口癖は可愛いと思います。あと、くの一のお仙さんがいいキャラなんですよ。好きです。すてきすてき！続編もあるのでまたちらほら読んでます。

2006.04.12

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青空チェリー／豊島ミホ

日傘のお兄さんの豊島さんの御本です。中編くらいのが１つと短編が２つの３つのお話。この人の本は、生々しいようでさらりとしている様な気がします。中編くらいの「ハニィ、空が灼けているよ」は現代の日本で戦争が始まったという設定ですが、人ごとのようにテレビでしか感じられない戦争が確実に忍び寄ってくる様とかニートの若者が戦争に狩り出されるようになったりとか登場人物のやりとりとか展開よりもそっちの方が気になりまくりでした。短編の「青空チェリー」は予備校の屋上でとなりのホテルをのぞく女の子とそこで知り合った男の子の話。さすがR-18文学賞でうん、ちょっとここではいえない(笑)。もうひとつの短編は中学の頃の女の子との記憶をいつまでも大切にしている男の人の話。こいつがすきになれませんでした。あんまり深く考えることもなく、読後がさらりとしていて私は結構この人の小説好きです。

2006.03.12

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白いへび眠る島／三浦しをん

数ヶ月かけてやっと読めました。いや、面白いのよ？ただ、読むときがなかったというか･･･もにょもにょ。先日、日記に書いた三浦しをんさんの御本。相変わらず、あのエッセイを書いた人と同一人物だとは思えません。簡単に言うと、閉鎖性の強い島で起こる不思議とか伝統とか絆の強い２人の少年とかの話。(簡単すぎた！)主役の２人とは別に主役格がいるので、私は主人公が主人公然としてるのが好きなのでそこがちょいと不満。でも、面白かったですよ。閉鎖された昔の伝統とか習わしとか祭りとか。その土地に根付いていて、そこに住んでいる人にしか与えられないものってとてつもなく煩わしくてうらやましいと思います。どうでもいいことですが、悟史と光市(主役)の関係はそういうのではないんだけどそういう風に見えてしまうのは私だけではないはずだ。荒太さんと犬丸(主役格)の関係がそういう(以下同文)興味のある人はご一読を。

2006.02.25

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ハッピーバースデー／青木和雄

何が悲しいのか嬉しいのか切ないのかよくわからないままにほろほろと泣きました。良い本ではあると思います。でも私にとってはとても重い本です。愛されたい子どもと愛せない母親とその周囲の人びとの話。いい話です。ですが、展開は出来すぎていると思います。それでも、物語だからそれでも良いとも思います。けれど、現実はそんなにうまくいくだろうかとも思います。説教じみたところが心に染みて、反発します。それは正しいことかもしれないけれど、それが全てではないだろう、と。素直に受け取れないのは、自分自身に問われている部分(自分に問うべきだと思った部分)が認められないからでしょうか。私にとって、いろいろ考える本です。うまく言えませんが。

2006.02.19

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しをんのしおり／三浦しをん

抱腹絶倒でとても電車では読めません。肩が震える･･･！！このしをんさん、男の人が並んで歩くのをみればそういう関係を捏造し友人と勝手にアテレコし、好きなバンドのライブがあればふらりと新幹線に乗って出かけ、友人と夜通し二次元キャラから己の恋愛系統を診断するチェックシートを作ってみたりと大変すてきな小説家さんです。マンガ談義の話なんかこっちのOTAKU魂がくすぐられるぜ。高倉健の一日を妄想した話はおもしろすぎる。とりあえず、自分はオタクだなというひとは読んでみるといいです。

2006.02.15

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インストール/綿屋りさ

芥川賞最年少受賞の綿屋さんの処女作。読みたいなーとは思ってたんですが未だ読んでなくて、先日文庫本になってたので買ってみました。文体も読みやすいし、話の内容にも山があって面白かったです。そんなに厚くもないのであっという間に読めたし。今の世の中、高校生なんてモンは生きづらい、けどそこで止まるわけにもいかないと全力で言ってるように感じました。若い、と思ってしまった私はだいぶん歳をとってしまったんでしょうね(笑)。

2006.01.15

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生協の白石さん

最近売れてるらしい、ということは聞いていたのでちょっと立ち読みしてみました。即買い決定。かなり面白いです、オススメです。大学生協の職員・白石さんがひとことカードにかかれている生協に対するご意見・ご質問に返答しているというものなのですがどんな質問や意見に対しても誠実に返答してくれているそのさまが大変面白いです。今、本屋さんで平積みされているところが多いので見つけやすいと思います。まずは立ち読みでも。白石さんの人柄がとても暖かくて笑った後にほっこりします。

2005.12.05

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彩雲国、圧倒。

８巻すごいです。借りていた彩雲国を読み終わりました。まだ続くので、すごい気になってるんですが。主人公の秀麗が官史になりたいと望み、様々な苦難を色々な人に支えられながら時に色恋を交えつつ(ビーンズ文庫だからね！)突き進んでいくという物語。(多分)今までも楽しんで読んできたのですが私にとって８巻は圧倒でした。すごい。息もつく暇がなく、一気に読みました。ここにくるまでに主人公・秀麗が想い望んだことがぶつけられたような気がします。１巻あたりに比べるとこの作者さん、すごいうまくなってます(何を偉そうに)。病気が村で流行り出すという構成をここでもってきたのにもびっくりしました。対応策を出して実行していくあたりは出来すぎだと思いましたが、小説はある程度のリアルがあれば出来すぎている方が面白いのではないかと。話の中でくらい気分良くないとねえ。でも、せっぱ詰まった感にシンクロしてしまって読んでて苦しかったー。まだ問題は解決せず、物語は９巻へ続きます。おかげさまでまだ苦しさがつっかえた感じなので早く続きが読みたいです。ぐー。

2005.11.21

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彩雲国物語／雪乃紗衣

最近、「面白い」という声を良く聞くのでちょっと興味があったんです、彩雲国。今のところ８冊刊行･･･。集めるのもちょいと躊躇われる冊数ではあります。少女マンガ友達に打診してみたところ、持ってるよという良き返答。よっしゃあ！とさっそく借りることにしました。借りるときの我らのやりとり。私　「で、どういうジャンルの本なの？」友人「う～ん、逆ハー？」逆ハー：逆ハーレムの略。主人公の女の子が様々なタイプの男性にちやほやされる現実ではなかなかありえない少女マンガ等に特有の状態。最高です！少女漫画好きとしては大好物の設定だ。万歳！只今、読み進めていますが。友人の言葉に納得しました。うん、逆ハーだね！しかし、その逆ハー状態よりも濃いキャラクターに釘付けです。ノリ的には茅田砂胡さんのスカーレットウィザード(中央公論社)を彷彿させます。主人公の父親・邵可(ｼｮｳｶ)さんがすごいです。あなどれません。ってかその設定はどうなの！？他のキャラクターもすっげえ濃い。普通、このジャンルの小説だと主人公と恋愛関係になる若い男が持ち上げられそうなものですが、中年・老年組に食われています。が、ガンバレ！！中国モノではない中国テイストの物語。なかなか楽しいです。

2005.11.13

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阿修羅ガール／舞城王太郎

ぱっぱら女子高生・愛子の恋愛とかアルマゲドンとか心の中のグルグルとかそういうものが描かれた小説、なのかな？まあ、なんというかエグイ。色んな意味でエグイ。苦手な人は最初からダメだと思う。ある意味純愛、ではあるのだろうけれども。途中から話が急に飛ぶのでどういうこと？とわからないながらも読み進めていくと最後にうまいことまとめられてるんですよねえ。なんとも哲学的な、人と自分との曖昧さとか心の在処とか。途中があんまり好きになれなかったので微妙なところですが最後のまとめが良かったのではないかと。題名もどういう意味なのかと思ってたけど最後にそういうことか、すとんと落ちるし。エグくても平気、という人は読んでみてもいいかもしれません。三島賞受賞してるそうです。私はオススメはしませんが。

2005.09.18

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夏のこどもたち／川島誠

タイトルになってる「夏のこどもたち」とそのほかの短編が3つ入った単行本。う～ん、私は短編の方が面白かったですなあ。長編の方は中学生男子のぐるぐるしたところとかが描かれてんですがちょっと生々しいというかドロドロしてるというか････。日本版キャッチャー・イン・ザ・ライと本の背中の紹介文にあります。私は「ライ麦畑で捕まえて」は読んでないのでなんともいえませんが、その本が好きな人には楽しいのかもしれません。

2005.09.12

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おまけのこ／畠中恵

しゃばけシリーズの４冊目です。１冊目の「しゃばけ」は日本ファンタジー大賞をとったんではなかったかな？最近、文庫本にもなったので目に付くことも多いかもしれないですねそれの続編。「しゃばけ」はまるまる一冊で一つの話でしたが、それ以降は短編集のようになってて、体が弱い若だんなが妖怪の力を借りながら難事件を解決するってのがメイン。読みやすくて楽しいです。若だんな命の二人の手代が大変素敵でね～。実は妖怪でやり手で世話役で若だんなに激甘。過保護な彼らが大変好きです。ただ、短編が続いているのでそろそろ長編が読みたいかも。話は楽しいですが、新しい要素が欲しいかな～と思いました。まだ続くと思うので今後の展開に期待です。

2005.09.10

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妖怪アパートの幽雅な日常／香月日輪

児童書に分類といえば分類。小説に分類と言えば分類。という最近出てきた？ヤングアダルトってジャンルの本です。字が大きめなのですぐ読めます。私が大好きな「ＮＯ．６」と同じとこから出てます。主人公が妖怪アパートで成長していく話なんですがぶっちゃけ１巻で完結といえば完結。しかし驚きの展開で２巻に続きました。あまりの毛色の違い具合にえええ！？と驚いた。マジで。この作者さんは知る人ぞ知る？地獄堂シリーズ(あの「かいけつゾロリ」の本と同じとこから出版されてる)を書かれている方なのですがそんなノリになってきたのでかなり子ども向き？う～ん、続き買うのどうしようかなあとか思ってました。が！４巻が面白かった！かなり説教臭かったけどそうだよなあ、と。「千と千尋の神隠し」でも今の子どもの問題点を上げてるような部分があったけどそんな感じ。共感できる。自分も反省する(←お前もかよ(笑))この話にでてくるご飯がこれまたおいしそうなんですよ。るりこさんのご飯、食べてみた～い！！

2005.08.28

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NO.6　＃4／あさのあつこ

待ってたよ、待ってたよ！！そんなわけで、ようやく発売。NO.6の4巻をゲットです！今回、ネット注文してなかったので本屋を駆けめぐりましたよ。をををを(←手に入れた喜び)。まだ読んでないお友達のためにもネタバレはしませんが、････････今回もスゴいよ？とだけは言っておきましょう(笑)。あー、早くも5巻が楽しみです。しかし、人間関係もさることながら、生きることに対するスタンスとかそういうのが強い小説だと感じます。生きてやるって強く思っている。この話に出てくる人たちはそんな人たちです。

2005.08.24

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キッドナップ・ツアー／角田光代

妙な名目の旅行？が始まった。お父さんとハルのキッドナップ・ツアー。今年の夏休みはむかついて楽しくてちょっと切ない。ハルの視点で話が進んでいくのですが、この子の感情とかにすごい覚えがあって共感しながら読みました。大人の身勝手さに振り回されて、子どもであることが悔しくて。子どもであることが悔しいはずなのに子どもじみた方法でいじけてみたり無視してみたり、そんな自分にまた腹が立ったり。いろいろ反発したりしてるけど、結局この子はお父さんが好きでお母さんが好きなんですよ。そして子どもだからと外さないで、大人の仲間に入れて欲しいと思ってる。ああ、わかるなあ。と結局、お父さんがハルを誘拐したその理由は明かされないままだったけれどこの話ではそこは重要ではなく、ハルが感じたお父さんとの関わりとか気持ちとか家族に対する感情とかがこの話の中心ではないかと思うのデス。その後がどうなったかは気にはなりますが、それはこの話の中で語られることではないんでしょうね。なにせ大人側の事情は子どもには明かされません。読み手の視点は子どものハルですから。私は謎は明確に明かされないと不満に思ってしまうタイプなのですが不思議とこれはこれで終わりなんだなとすとんと納得できる話でした。

2005.08.20

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楽園のつくりかた／笹生陽子

笹生さんのご本３冊目～。今までのと比べて字が小さくなりましたが相変わらずざっと読めます。エリート中学生・優は親の都合で父の田舎に引っ越すことになる。エリート街道まっしぐらをいくはずの計画がこのままでは台無しだ！しかも、同級生がたったの３人。個性豊かな変人ばかりだ。嗚呼、優の運命やいかに！？という話。この主人公がツンケンしててヤな奴なんだわ(笑)。いわゆる都会っ子で友達いらない。周囲は敵だ。勉強、勉強というタイプ。けれど、田舎の暮らしや人々の中で次第に変っていきはじめ…そういう話、すごく好きなんですが、残念ながらそこで終わっちゃった感があるのですよ。個人的には優くんが３人のクラスメイトと仲良くなったりするとこまで描いてあったなら大満足だったかと。多分、彼の中の心の変化は確かに起こっていてこれからいろいろと変っていくんだろうなとは思うのですが、そこのエピソードがないので私の中では主人公はヤな奴のままなんですなあ。お父さんのくだりももうちょっと苦悩してくれると物語的に面白かったと思います。(この子すでに割り切っちゃってたからなあ)読みやすかったですが、個人的にはもう一息エピソードがほしかったな。最後に優がお父さんに送ったメールでその後の説明はあったけど、話をさっさと終わらせたように感じたのでそこが残念だったなあ。

2005.08.13

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ぼくらのサイテーの夏／笹生陽子

笹生さんの本に最近はまっています。この人うまいよ、展開とかキャラが！！前回、「きのう、火星にいった」もそうでしたが主人公も周りの人間も好きになりました。小学６年生の桃井は「階段落ち」の勝負で失敗し夏休み直前に腕をケガしてしまう。そのときの相手は、謎の転校生栗田。飄々としていて気にくわない。しかも、危ない遊びをしていた罰として、夏休みいっぱいこの栗田とプール掃除をすることになってしまった。なんてサイテーな夏！！ってかんじで話は始まっていきます。この桃井の家も栗田の家もそれぞれに問題抱えてますが、どっちもくよくよしないで、今できることをやってます。そこんとこが彼らに感じる魅力でしょうか。お互いの交流が始まって、良い方向に変っていって。読んだ後がすっきりします。出来すぎって思うかもしれませんが、物語なんだから出来ててもいいんじゃないですかね。まあ、私の下手な説明などでは言い表せないので何はともあれ読んでみてくれいってとこです。すぐ読めるのでちょっと時間が余ってるって人は是非。

2005.07.30

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忘れ雪／新堂冬樹

ん～･･･私はあんまり好きではなかったなあってことで以下ネタバレ含みます。これから読もうと思う人、またはこの話大好き！って人はスルーしてください。忠告したからな！　この前の「四日間の奇跡」もだったけど、文体があんまり好きでなくてさ～。一種の効果なんでしょうけど、情景が単語単語単語ってのが私にはうっとおしく感じてしまいましたので。　幼い頃また会おうと約束した二人。　けれども、彼はその約束も彼女のことも忘れてしまっていた。　忘れていながらも、再会した彼女に次第に惹かれていく彼。　すれちがう二人は････って話なんですが。あああ！！！じれったい！！早くくっつけよ！！とヤキモキしました。　それでも、最後にくっついてくれれば私的にもすっきりだったのかもしれませんが、後半急遽何故にサスペンス！？とびっくり展開に発展。しまいにゃ彼は刺されてしまうって、刺されるって･･･！！！悲しいかな、彼女は彼とは死に別れてしまうっていう切ない終わりでございます。　そりゃ、ハッピーエンドが好きですけど、悲恋系がだめってわけでもないのでやっぱりいきなりノリが変ってしまったのが納得できなかったんですよねえ。そこそこ長い物語でしたので読むのに時間がかかってしまいました。いつものごとく、後半に入ったら一気読みでしたが。話が動き出したらさくさく読めます。

2005.06.23

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きのう、火星に行った。／笹生陽子

薄い文庫本で文字もでかい。１時間かからないくらいで読めてしまうけど、面白かった！！　いつも冷めてる山口拓馬(小６)。友達いらない、やる気もない。なのに、療養先から帰ってきた弟に振り回されたり、体育大会のハードル選手に選ばれたりして彼の生活は一変する。　嫌々ながらの生活だったけど、そんな中での友達や弟との関わりを通して彼は段々変っていく。－信じられるか？山口拓馬。悪いけど、いま、おれは本気だ。　彼の最後のこの台詞がとても効いてて、読んだあとすっきりしました。この山口拓馬。私、結構好きだなあ。

2005.06.20

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NO.6／あさのあつこ

すごいですよ。いろいろと(笑)。あさのさんに少年の友情？を描かせたら右に出る者はいないんじゃないかってくらいで好きなんですが、今回のはさらにどうしたらいいかわからないかんじです(どうもせんでいい)。主人公のネズミと紫苑という少年がNO.6という管理都市と戦う話(省略しすぎだよ！！)なんですが、この二人の関係がどうにも･･･！！お前の見方が腐女子だからだ！と言われてもいいから読んでみろとしかいいようがありません。私の見方のせいじゃないよ！話の大筋も気になりますが、二人の関係も気になって仕方ありません。現在、３巻まで刊行。早く、早く続きを出してほしいです。あさのさんのご本には「バッテリー」(これ有名。文庫本でもでてます)や「THE MANZAI」(カラフル文庫。児童書のとこに置いてあることが多い)ってのがありますが、これも少年達の友情モノで･･･････(←色々思うところ)楽しいですよ。こういうの好きな人には「BANANAFISH」(吉田秋生)や「李歐」(高村薫)なんかもオススメです。

2005.06.18

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四日間の奇蹟／浅倉卓弥

映画化とかもしてけっこう取り上げられてるのかな？本屋さんでも平積みとかされてるので手に取ってみたのですが。以下、感想（ネタバレ含む）。楽しみにしてる人や、この話好きって人はスルーしてください。どうにも好きじゃなかったのよねえ。多分、文章が私と合わなかったのが一番の原因じゃないかと。説明臭い文章が多いんですよ。そして長い。原因不明の脳の障害を持った女の子だったり、舞台が病棟だったりで医療関係の説明とかがどうしても必要なんだろうけど･･････どうにも説明が多くてねえ。話の内容も、動き出したら面白いかな～と思ったんだけど感動まではしなかったというか、そこまで思うところがなかったというか････。事故にあって瀕死の重傷を負った真理子さんの心が一緒に事故にあったけれども無傷だった千織ちゃんの体に入り込んでしまい、その彼女と主人公の如月さんが過ごした4日間の話なんですが、(それだけじゃなくそれぞれの過去とかいろいろと絡んできますが)全体的に暗～いイメージしか浮かんできません。私はあんまり面白いとは思えませんでした。キャラが好きにもなれなかったしな････(致命的)。まあ、感想は人それぞれと言うことで。

2005.06.12

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日傘のお兄さん／豊島ミホ

最近短編集ばっか読んでますが、これも短編集。面白かったですよ。本の題名にもなってる「日傘のお兄さん」が一番長くて本の半分くらい占めてるので一番読み応えがあります。中学生になったなっちゃんのもとに、昔遊んでくれていたいつも日傘をさしていたお兄さんがやってきた。そして言うのだ。自分は犯罪者だと。という話。相変わらず要約が下手ですが(ｶﾞｯｸﾘ)。お兄さんにとってなっちゃんは救いで大切だったということが感じられてとても良いです。そしてお兄さんがひねくれてるとこもすごく良い。ひねくれてるけど一途に想ってる。そういう設定大好きですよ!(床ｺﾞﾛｺﾞﾛ)どうにもその後はしあわせになってほしくて仕方がありません。他の短編もそれぞれに楽しめました。全体的に話が動いていても、受ける感じが静かできれいな小説だと思います。

2005.06.12

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光の帝国-常野物語-／恩田陸

　光の帝国って題名からいったいどんな壮大な物語なんだろう、と想像してたんですが色んな話が詰まった短編集です。私、恩田さんの本はこれがはじめてなのですが、面白いですよ。なんかね～、文章が読みやすくて好きです。　常野からきたと言われる人々は不思議力をもっているのだけれど、普通の人々の中に埋もれて暮らす穏やかな人々。そんな様々な力をもつ人々のそれぞれの物語が短編でつづられてます。　短編のいいとこって、話が短くてそのなかにぎゅっと内容や山場が詰まってるとこにもあると思います。長編だといろんな複線とかいいとこに行き着くまでが長かったりする(それがいいとこでもある)けど、それが一気にとばされてて楽しめるとこがいい。もちろん、その短さで読み手を満足させるには書き手の力量が問われるとこだと思うけども、この話はそれがホントにうまいと思う。　それぞれ面白かったけど、不覚にも涙がにじんでしまったのが最初の「大きな引き出し」。おじいさんの息子へのコメントがどうにもツボで。　キャラクターが立っているのでそれぞれの話で一つの本ができそうな感じ。続きを書いてほしいです。

2005.06.11

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殺し屋シュウ／野沢尚

シュウと呼ばれる殺し屋の話。殺し屋になるまでとなってから受けた依頼が短編のような作りになっているのでちょっとした時間にひとつずつ読んでいけました。(一気に読む派なのだけど、珍しく小分けで読めた)シュウは、普段は大学で学生に親しまれている助手だけど、裏では殺し屋をやっていたりする。依頼に来る人たちも様々な思いをかかえていて死ぬことや殺すこと、そこに至る経緯や気持ちが人間くさくて好きでした。最後のほうの展開が駆け足気味だったのがちょっと残念。「シュート・ミー」の話が個人的に好み。

2005.05.31

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