知だらけ106:智恵
知だらけ106:智恵 人間力のある人には意欲がある意欲のある人には夢がある夢のある人には目標がある目標のある人には努力がある努力のある人には失敗がある失敗のある人には反省がある反省のある人には経験がある経験のある人には智恵がある智恵のある人には人間力がある 「智恵」とは知識や経験に、搭載するターボエンジンのことです。智恵は知識や経験の、裏付けがなければ機能しません。智恵は知識知でもあり、経験知でもあります。 私は「人間力」の総合力を、「智恵」としています。前向きに人生を送る「意欲」があり、一段高いところにいる自分を「夢」見る。そのために、高い「目標」を掲げ、ひたむきな「努力」を継続する。生じた成果に対する謙虚な「反省」を忘れず、それを次なる挑戦への「経験」知とする。やがてその循環が「智恵」となって、より高いレベルになったあなたは、目指すところに到達できるのです。 田坂広志は著書『知性を磨く』(ちくま新書)の中で、知識と智恵の相違について次のように述べています。 (引用はじめ)「知識」とは、「言葉で表せるもの」であり、「書物」から学べるものである。「智恵」とは、「言葉で表せないもの」であり、「経験」からしか学べないものである。(引用おわりP54) これって「ナレッジマネジメント」でいう、「形式知」と「暗黙知」のことです。 もうひとつだけ、先達の言葉を引用させていただきます。 ――切迫感と知識が一緒になったとき、初めて知恵が出てきます。切迫感を感じなきゃ、知恵も生まれません。私がいつも「あきらめたらいかん」とか「できると思ってやったらできる」とかいっているのはこのことです。(西堀栄三郎『新版 石橋を叩けば渡れない』生産性出版) 西堀栄三郎がいうように、智恵は単純な思いつきや閃きとは異質なものです。たくさんの知識や経験の裏づけがあり、緊迫した場面で引き出せるのが智恵なのです。智恵の「智」の字は、知に日を重ねてあります。知の積み重ねが「智」なのです。そこに「恵み」がやってきます。 ご愛読ありがとうございます。山本藤光2018.02.11