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2013.03.24
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カテゴリ:【数学】
snowrun29さんからリクエストを頂いた、『和算の五次方程式』 を紹介します。

今回紹介するのは、1775年に出版された稀覯本 『算法少女』 です。
(『算法少女』 ってどんなタイトルやねん! と突っ込みたくなる気持ちを抑えつつ)
これは数学をモチーフにした小説 『数学ガール』 の元祖ではないでしょうか。
しかし、数学ガールは読んだことがないので何とも言えませんが。

そのタイトルは、著者が千葉桃三の娘・平章子であることに由来するようです。(この行・後日訂正)

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では、『算法少女』 をめくってみます。

16ページ目に五次方程式の問題が載っています。


sanpou
図1 : 算法少女 16ページ目 : 国立国会図書館 蔵書


和算には未知数xという概念がないので、xの何乗と言う表記がありません。
そのため和算の方程式は、現在とは逆に、定数 xの1乗 xの2乗 xの三乗…
というように次数が小さい方から表します。
そうすることにより、その次数の係数を順に並べるだけで、xの何乗と言う表記がなくとも
何乗の方程式なのかが分かるからです。

つまり、2・3・4・5 と書くだけで、

  2 + 3・x + 4・xの2乗 + 5・xの3乗

という方程式を表現することができるのです。

それでは、問題文を訳してみます。

算法少女
図2 : 算法少女 解説


何だか変わった書き方ですが、分かると思います。

数式の途中で出てくる白棒と黒棒は、正と負の意味です。
誤植がありますが、白棒のおかげで問題文が違うまま解き進む悲劇は避けられました。

驚くべきは、その係数の大きさです。
40億とは書くだけでも大変です。

しかし、もっと驚くべき事があります。
それは、答えが10、40/3、2501/250、201/20 だと書いてあるのですが、
それに続く文章には、こう書いてあるのです。

『数式の解き方は書いてないよ。
答えだけは書いておいてあげるから頑張ってね』
(現代風意訳) 








・・・・・え?



・・・・・・・。



かくなる上は・・・・・熊八!
算盤と算木を持ってこ~い!



こうして、庶民の数学レベルがあがっていくのでした。
めでたし。めでたし。

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和算書はこのように解説がない物が多く、中には答えすらないものもあります。
そのため、口伝で伝えれられ文章として残らなかった和算の概念は歴史に埋もれました。

明記しなかった理由として、『他流派にその計算方法が漏れることを防いだ』
というのもありますが、結果論から推測すると、
『よもや和算が衰退するとは全く想定していなかった』 ことも原因です。

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Last updated  2013.03.25 01:22:42
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