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2007.03.25
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カテゴリ:萌え映画

かもめ食堂

去年公開された脱力系映画。
確か、もたいまさこの隣人にして猫仲間の群ようこが書き下ろした脚本だと聞いている。

フィンランドに突然オープンした「かもめ食堂」。経営者兼シェフ兼ホール係はなぞの日本人女性(小林聡美)。自分たちとは毛色の違う人種がいるカフェは遠巻きして覗き込むだけで、何日も(もしかしたら何ヵ月も?)閑古鳥。
そこに、アニメオタクのフィンランド青年が最初のお客としてやってきて、ガッチャマンの主題歌の歌詞をたずねる。その後、あてもなくフィンランドにたどりついた片桐はいりやもたいまさこが店を手伝うようになって……。

シンプルで静的で過去も未来も語られない映画。メルヘンだな。
音楽の一切ない映画で、そうだ、何かに似ていると思ったら、やっぱりアキ・カウリスマキの映画だ。シベリアみたいな、北方領土みたいな、永久凍土みたいな辺境感というデジャビュ。

自分的には小林聡美が料理をつくるシーンがひたすら素敵だと思った。丁寧で愛情がこもっていて、とてもプロの料理人とはいえない、まるでおかあさんが作るような食事。
コーヒーをおいしく入れるおまじない(忘れちゃった)やコスケンコルヴァというスピリッツを憶えた。

脇役は当地の住民ばかりで、かしましい3人のおばさんや、夫との愛の不毛に悩んでわら人形に釘をうつアル中志願の女性や、定食を食べに来るご夫婦とか、多彩。ひとり、ちょっとリーアム・ニーソン似のおやじが出てきて、おいしそうなコーヒーを入れる。こういう前後との関連性のない小さなエピソードがとても丁寧に描かれる。

知らない国の普通の人々は見ていてわくわくする。
北欧3国は行ったけど、フィンランドは行ってないし。あそこにはなにがある? ムーミンとシベリウスか?イケアの家具みたいなシンプルな白木の椅子とテーブル。とにかくいつも食器を拭いている3人。清潔なキッチン。まな板は日本から持ち込んだ?

なんか最初気になっていた、ビザの問題や営業許可の問題や小林聡美の資金源や言葉の問題が、次第にどうでもよくなってくる。ノービザの国でも仕事していたらまずいだろうとか、日本で誰も心配してないのとか、メニューはどんなの?とか。社会派作品だったら細部が気になるけど、片桐はいりが居ついた時点で「あ、そういうこと考えちゃいけないのね」と納得。
日本だって、知らない田舎に方言の違う人間が紛れ込んだら、同じような状況だろうと思うし。

小林聡美ともたいまさこと言えば、名作「やっぱり猫が好き!」のコンビだな。片桐のはいりの代わりに室井滋が入れば、トリオ再結成だったのに。

もたいまさこがなんといってもやっぱり上手い。ほとんど動かないし、表情だってあるかなしかなのに、コスケンコルヴァ飲んで倒れたおばさんを家に運んで、言葉も通じないのにせっせと介抱する様子は、母であり看護師でり介護士のようだった。
あと、なくしたトランクを求めて、エアに電話かけるシーンが幾度と登場するけど、あんな丁寧に聞いてたら相手に危機感は伝わらないぞ!(おそらく危機感は抱いていない)。あの普遍的な演技は喜劇女優のそれだな。

お客がいないと、とにかくテーブル拭いたり食器を磨いたりばかりの女性たち。とくべつ美人でもおしゃれでもない小林聡美が、りりしく見えるから、清潔感は重要だ。普通のかっこうしている片桐はいりが浮浪者のように見えてしまうもの。あとださいかっこうだったもたいまさこが、現地のブティックで洋服を調達しちゃうところ。まるでミッドセンチュリーみたいな大胆柄のコートが意外に似合っていて目からうろこ。

シナモンロールを作るシーンは、榎田尤利のルコちゃんシリーズ読んでホットケーキを焼きたくなった時と同じ衝動に駆られたが、いかんせん求められるスキルが高すぎて断念。シナモン苦手なのに、おいしそうだったよ~。この匂いでおばさん3人組が初来店するんだよね~。フィンランドもデンマークのようなバター過多のソフトブレッド文化なんだろうか。

終わりのほうに、「幻のコーヒー」というのが登場する。なんとかいう小動物が甘いコーヒー豆だけを食べて、消化酵素でどうにかなって排出されたものをピッキングするとか言ってたけど、本当? 中華の蚊の目玉のスープのようなもの?

「自分」というものが出来上がった30~40代女性の強さと自信が美しさとなって表出しているような佳作だった。でも映画館でみなくてもよさは伝わる系かな。





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Last updated  2007.03.25 17:04:00
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