091622 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

 ビール片手に

ビール片手に

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
February 24, 2008
XML
カテゴリ:朔立木
一般人が知りえない裁判官の実態を暴く、架空の小説。法律家と二足の草鞋を履く、覆面作家である著者の文壇デビュー作。

例えばここに、ある好色な裁判官が、いたとしよう。
彼が、職務中にこっそり隠れて書いている複数の交際女性宛て書簡を、暴露することで、この小説は、展開する。
読者は、彼のプライバシーてんこ盛りの手紙を読むことで、裁判官という特殊な職務に就く人種の傾向と素性を、徐々につかんでいく形である。

職務上、厳しく行動制限されている裁判官達の、閉鎖的で異様な生活実態が、浮き彫りになる。
出世の為に、上か横しか見ない「ヒラメ裁判官」と言われる、彼らの頭の中身とは?
最高裁事務当局の好む裁判をしないと、すぐさま左遷、出世コースからはじかれ、
コースから外れた人間への、あからさまな給与差別や、根深いイジメが行われる世界。
赴任先の裁判官官舎では、夫人同士が、夫の昇進や役職により格付けされる事情。
人を裁くという特殊な職務の性質上、ストレスを抱え、心を病む裁判官が多い実態等。

恐らく、脚色の為に、デフォルメした表現も、盛り込まれているのかもしれない。
しかし、その部分を差し引きながら、読み進めるうちに、こみ上げて来る心境は、複雑だった。

裁判所において、人が人を裁く仕事。何よりも、公明正大さが、求められる職務である。
しかし、(小説では)その裏側で、国側有利の判決を外部から見えない部分で操作誘導されるなど、驚愕の事実が潜む可能性を示唆する。判決により、今後の人生が大きく左右される人間が、多くいるのに。

日本には、最高裁判所裁判官国民審査があり、国民投票により裁判官を罷免できる制度があるが、国民審査で罷免が不罷免を上回らない(過半数以上)限り、罷免されることはない。よって、余程でない限り、裁判官は罷免されにくい状態になっている。

情けない話だが、私は、裁判官国民審査時、発表される裁判官の名前を見ても、全くの知識不足で、どんな裁判をしどんな判決を下した人物なのかも、よくわからなかった。いい加減に「×」をつける事もできないし、公布資料を読んだりネットで調べてみるが、裁判官の過去の判決記録を見ても、素人には内容を充分に理解しがたく、これをどう判断していいかも分からなかった。仕方なく無記入で出してしまっている。(無記入は、全員信任になってしまう。)

刑事訴訟では、有罪率は99.89%で、異常に高く(冤罪が絶対ないとは言い切れない)、国を相手とする住民訴訟の住民側敗訴率も、異様に高いのが、この国の現状。
その裏に潜む数々の問題点を提示しつつ、著者は、国民にも司法側にも、意識変革の必要性があることを、小説でもって、教えてくれる。

女性へのくどき文句が、手紙の大部分を占め、少々うざったい感じもあったが、骨の部分は、興味をそそられ、面白く読める本だった。
にほんブログ村 本ブログへ





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  February 25, 2008 05:59:31 PM
コメント(0) | コメントを書く
[朔立木] カテゴリの最新記事


PR

Freepage List

Category

Comments

らめ仙人@ 初セッ○ス大成功!! 例のミドリさん、初めて会ったのに、僕の…
ビタミンZ@ お姉タン(´・ω・`) http://ashikoki.mlstarn.com/8aFIft2/ ↑…
さい8@ ちょちょちょ(^^; 見せて見せてっていうからチャック開けて…
日本インターネット映画大賞スタッフ@ 日本インターネット映画大賞募集中 突然で申しわけありません。現在2008…

Favorite Blog

そこはかとなく物思… 無邪気な放浪詩人さん
笹本敦史のブログ ももたろうサブライさん
グシャグシャ レッド3310さん
あ_でい_いん_ざ… tarashiさん

Archives

April , 2024
March , 2024
February , 2024
January , 2024
December , 2023

Headline News


© Rakuten Group, Inc.