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電池だけでなく、磁石の研究でも、日本は、世界一流の研究成果と発明を生み出しています。
東北大学の本多光太郎教授が1917年に発明したKS磁石鋼は、 それまでの最も強い磁石よりも4倍もつよい磁石で、 世界でもっとも優秀な永久磁石でした。 その後、このKS磁石鋼を超える磁石鋼をはじめて発明したのも、やはり日本人。 東京大学の三島徳三のMK磁石鋼です。1931年のことです。 さらに、同じころ、本多光太郎は、山本量と協力して、 センダストという磁石鋼を発明して、特許をとっています。 仙台(センダイ)で発明された粉末(ダスト)にしやすい磁性合金という意味。 この磁石鋼は、粉末にしやすいので、電話機などにひろく使われます。 フェライト磁石も、加藤与五郎、武井武の発明により、トランジスターの部品に使われました。 では、なぜ、日本でこのように磁石の発明が可能だったのでしょうか? その理由の一つは、明治のはじめ以来、 日本では、磁石についての根本的な研究がさかんだったことがあります。 物理学で有名な長岡半太郎も、磁気ひずみの研究で世界に知られるようになっています。 また、本多光太郎ほかの、磁石の研究家も、その大部分が貧しい家に生まれて 苦労してやっと大学をでることができた人たちばかりでした。 その逆境を乗り越えるエネルギーで、 「日曜日こそ、まわりが静かで、研究がはかどる」と喜ぶほどの 努力家だったということが、その土台でしょう。 しかし、このように、日本人のすばらしい発明が、 日本ではあまり認められていないことが多いのは、とても残念です。 KS磁石鋼も、せっかく日本で発明されたのに、 それをはじめて工業的に作り出したのはアメリカでした。 フェライト磁石の利用法をすすめたのも、オランダのフィリップ社です。 また、八木秀次のヤギ・アンテナのすばらしいことを見抜いたのも、 日本人よりもアメリカ人の方が先でした。 そのために、太平洋戦争で、レーダーの開発に遅れを取ったのです。 まったく、残念なことです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2014.11.14 13:39:22
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