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テーマ:たわごと(26893)
カテゴリ:***** 文化 *****
私の右目で見る世界は、ざらつき、荒れている。
砂嵐の様なゴーストが、平衡感覚を狂わせる。 ねこさん、私は右目で何を見ているのだろうか。 私の右目は弱視。生まれつき、ほとんど見えない。 右目には映りの悪いテレビの様な、粒子の飛び交う世界が広がる。 波打つ粒子の世界がもたらすのは、歪んだ嘔吐感。 かつては正常な左目も、今では0.1以下の強度の乱視になった。 しかし左目はコンタクトで矯正できる。 右目は弱視だから、矯正することはできない。 一度も正常な世界を、私に見せたことがない右目。 私の右には粒子の支配する闇が、左には光の世界が広がる。 私は生まれてから、ずっとその世界を見つめてきた。 それでも右目は外観上は正常。 見えなくても、視線に異常はない。涙も流れる。 私の右目の異常には、気づく人は誰もいない。 ただ私にのみ、その異常を伝える。 誰にも見せることができない粒子の世界。 それが私だけの世界。 右目は私に、何を見せようとしているのか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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