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カテゴリ:*** 神話・お話 ***
すべてのおかあさんと、そのこどもたちに捧げる本。
ある日、わたしは、あなたと出会い、 ちいさな、あなたのゆびに、キスをした。 やがて、あなたは、おおきくなり、 そして、わたしの、こどもになった。 うれしくて、ひとみがかがやいた、その日。 かなしくて、みみをふさぎたくなった、あの日。 まよい、さまよいながら、あなたはおおきくなった。 やがて、時がきて、 せいいっぱい、手をふりながら、あなたは遠ざかる日に。 あなたが、さびしく、ふりかえる家は、 おおきくなった、あなたには、おどろくほど、ちいさくみえる。 さらに、時がすぎ、 いつか、あなたのかみも、銀色にかがやく日。 その長い年月の、そのはてのときが、あなたに来たのなら。 わたしの、いとしいこ。 どうか、そのときは、 わたしのことも、おもいだして。 そして、でも。 おねがい、かなしまないで。 あなたが、わたしを、おもいだすとき、 もう、わたしは、あなたのそばには、いないから。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 絵本「ちいさな あなたへ」から。 文章は、この絵本の文とは変えています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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