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テーマ:今日の出来事(292842)
カテゴリ:* コレクション・陶器 *
突然ですが、この湯呑をご存知でしょうか?
左が上から見たところ、右が裏の高台です。 1年ほど前に入手した、この湯呑。 シーサが面白いものの、使いにくい湯呑として保管していました。 底の穴は、焼成時の割れを防ぐためと思っていました。 しかし、この湯呑の正体が、突然に判明したのです。 話は変わりますが、紀元前1世紀ごろの古代ギリシアに、ヘロンという偉人がいました。 数学のヘロンの公式や、蒸気機関を利用した自動ドアなどの数々の発明を生み出した人。 まるで200年以上生きたかのように語られる、謎の人物でもあります。 そのヘロンの発明のひとつに、「戒めの盃」があります。 それは、サイフォンの作用を持つU字パイプがついた盃。 ある深さまでは、水を注いでも何も起きません。 しかし水を入れすぎると、一気に水が流れ出し、盃が空になります。 サイフォンの原理によるこの盃。 面白いので、ストローと紙コップで自作しようかと考えていました。 しかし、そこで「八分茶碗」という名を知りました。 沖縄の「八分茶碗」は、別名「教訓茶碗」と呼ばれます。 写真を見て驚きました。 まさにそれが、私の持つ謎のシーサの湯呑だったのです。 さっそく、水を注ぎます。 ある深さで、急に底からあふれ出し、空になってしまいます。 そして、これが「八分茶碗」であることが、実証されたのです。 用途の分からない物を持っていること。 今までシーサがサイフォンであることに気づかなかったこと。 八分以上に水を入れたことがなかったこと。 ご指摘の箇所は、満載ですね。 もし知らずに、お茶やお酒をたくさん入れていたら大惨事になるところでした。 何事も八分目が良いという、戒めの茶碗の教え。 コレクションも、ほどほどにということなのでしょう。 しっかりと教えられ、そして危うくだまされるところでした。 2000年以上を越えた、ヘロンの悪戯に。 【参考】 「戒めの盃の原理」 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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