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テーマ:夢を叶える人になる(1190)
カテゴリ:***** 伝記 *****
トロイア遺跡発掘を夢見たシュリーマン。
彼の情熱は、尊敬に値するものです。 しかし発掘をめぐり、彼は多くのトラブルに巻き込まれます。 トルコからの発掘中止命令、ギリシアとの発掘品をめぐるかけひき。 それを支えたのは、30歳も年下で16歳で結婚した伴侶ソフィア。 事実、トロイアを発見してからの彼は、名誉欲に取りつかれていました。 それは発掘品は彼の手に残らず、金銭的なメリットがないこともありました。 しかし最も強かったのは、彼がアマチア考古学者だったことでしょう。 結果的に、その名誉欲は、ドイツ考古学界の強い反感を招きます。 学術的検証の弱い発掘、発掘における遺跡破壊。 それらが激しい攻撃の口実になりました。 それに加え、持病の内耳炎が悪化。 激しいあせりにかられた彼は、ついに発掘を放棄します。 発掘現場での陣頭指揮を生きがいとした彼が、なんと株式取引のためにキューバに渡ったです。 その後も、海外を点々とするシュリーマン。 ついに、1890年のクリスマスの日、彼はナポリの路上で昏倒します。 警察は彼を行き倒れとみなしましたが、その懐には多量の金貨が詰まっていました。 翌日、彼はその黄金とともに、息を引き取ります。 名誉と黄金を手にした彼の最後は、誰にも看取られず寂しいものでした。 夢は人を輝かせ、欲は人を闇に誘う。 それは誰にでも、そしていつの時代でも変わらない、 あまりに確かな法則なのです。 【参考】谷沢永一:「世界の十大伝記・プラス・ワン」,集英社,(2000年)278P お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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