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テーマ:ドール(2205)
カテゴリ:***** 伝記 *****
マダム・タッソーの呼び名で知られる、マリー・グロシュルツ。
ロンドンに、ろう人形館を設立したことで有名です。 ヴェルサイユ宮殿に居住していた、マリー・タッソー。 フランス国王ルイ16世の妹、エリザベートにろう人形の作り方を教えていました。 しかし、1789年、フランス革命が起こります。 1792年のテュイルリー宮殿襲撃。 彼女はそこで、死体の山の中に知人を見つけます。 その体験が、後のろう人形館「恐怖の部屋」開設のきっかけになります。 さらにフランス革命は、彼女に試練を強います。 国民議会は彼女に、ギロチンで切られた頭の、デスマスク作りを命令します。 ルイ16世や、マリー・アントワネットに、彼女は親しみを感じていました。 そのルイ16世やアントワネットのデスマスクさえも、彼女は作ることになります。 切断された頭から、型取りをして。 さらに、運命は過酷です。 彼女は突然、逮捕されます。 理由は・・・? フランス革命の処罰に、正当な理由は必要ありません。 牢の中で、後のナポレオンの后ジョゼフィーヌと出会った彼女。 ふたりは、ただ、ギロチンのその時を待っていました。 ギロチン用に、髪も切られていた彼女。 しかし、その時、奇跡が起きました。 彼女の処刑を命じていた、ロベスピエールが失脚、ギロチンに処せられたのです。 解放された彼女。 彼女は逆に、ロベスピエールの頭から、デスマスクを作ることになりました。 時には、友人の頭を手に。 時には、宿敵の頭を手に。 デスマスクを作り続けた、マダム・タッソー。 デスマスクを作れたから、彼女は生き延びました。 デスマスクを作れたから、彼女は過酷な試練を強いられました。 おのれの力に、放浪され続けた彼女。 芸は身を助ける。 このことわざを聞いたなら、 彼女は、なんと答えたことでしょう。 【参考】 「幽霊屋敷」の文化史,加藤耕一,講談社現代新書,2009年,286P 【AFPBB NEWS】 「マダム・タッソー館のろう人形たち」 ※マダム・タッソー館のろう人形を、こちらで見ることができます(ハリウッド館) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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