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7月21日のNHKで報道された「メルトダウン 連鎖の真相」は衝撃的な内容でした。
最悪の結果を招いた福島原発2号炉。 メルトダウンが始まり昇温した炉を、冷やすことができませんでした。 まず格納容器内を減圧しないと、冷却水を注入できません。 減圧のためのSR弁を開こうとしましたが、その弁が開かなかったのです。 その結果、格納容器は穴が開き、放射性物質が大気中に飛び散りました。 それはSR弁の構造欠陥が原因でした。 SR弁は窒素ガスの圧力で、弁を押し上げて開く構造。 SR弁は通常、格納容器内の圧力で押されてしまっています。 SR弁を開くには、窒素ガス圧が格納容器内の圧力を上回らなくては開きません。 しかし想定外の格納容器内の高圧に窒素のガスの圧力が負け、弁が開かなくなっていました。 つまり、格納容器内の圧力が上昇するほど、圧力解放弁が開かなくなる構造欠陥がありました。 それが、圧力容器破損の主原因のひとつでした。 わたしにとって衝撃的だったのは、SR弁が機能しなかったこと。 この弁は「パイロット式圧力調整弁」に相当するでしょう。 このタイプの弁は、高精度に大流量が制御できる「高性能な弁」。 原発に限らず、世の中のあらゆる箇所に使われています。 高性能なはずの弁が、開きたいときに開かない。 指摘されれば当然の欠陥に、現在に至る技術者が誰も気づきませんでした。 SR弁は、日本のすべての原発に使われています。 そして同様の弁は、皆さんのご近所の工場、プラントでも、多量に使われています。 【動画公開】 「メルトダウン 連鎖の真相」 ※1時間の番組動画が公開されていました。 ご覧頂くと、よくご理解できると思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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