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2023.05.20
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カテゴリ:クルマ
3年ぶりにコロナ禍で自粛していた東京を訪れた。

久しぶりの新宿アルタ前は駅前開発の影響だろうか、
以前よりも人波がまばらで小雨の天候と相まって何となく辛気臭い。

紀伊国屋は相変わらずだけど、
カメラショップの写真フィルムは暴騰して、
ジャンクカメラのオアシスだったアルプス堂消滅に、
3年という時間経過を思い知らされる。

いつもの様にゴールドラッシュのハンバーグでブランチした後に、
西口方面のデパートへ向かう途中で出会った、
店舗のシャッターが下ろされている光景で寂寥感が増大してくる。

お目当てのデパートで東京土産を買い込んでからJRの改札口に向かう。
以前とは違う、うら寂しくて気が滅入る様な新宿から逃れるように、
総武線に乗って葛飾区にあるハラ自動車さんへ向かった。

それでも目的の3年落ちで走行距離が18000Km後半という、
ブドウ色をしたプジョー208(Ⅰ)を東京へ取りに行った日は、
そこら中でサクラが満開になっていて新宿の重苦しさを打ち消してくれた。


208(Ⅰ)に関する最後の手続きを済ませてキーを受け取る。
シートとハンドルの位置を合わせてエンジンを掛け、
インパネにある反応の良いタッチパネルでナビをセットしてから、
色々とお世話になったクルマ屋さんを16時前に出発。

紹介して貰った、すぐ近くのガソリンスタンドで、
ハイオクを満タンにしてトリップメーターをリセット。
いよいよ本腰の慣熟ドライブの始まりだ。


一般道でワイパーの使い方を探りつつ首都高に入る。
途中でパトカーがやってくる事故に加えて、銀座方面に続く大渋滞に辟易しながら、
ハンドル/シートの微調整をして、ラジオとヘッドライトの使い方を探る。

首都高を抜けて暫くするとようやく中央高速が空いてきた。
そこからは一気に談合坂SAに向かい休憩をしたのだけど、
途中でタイヤの警告灯が点灯。

さすがに取説を引っ張り出して確認すると、タイヤの空気圧モニターアラーム。
タイヤを交換したせいだろうか、タッチパネルでリセットして収まった。


東京から200Km程ちょっとの距離を走り自宅に到着して、
最近までC5が居た場所に208(Ⅰ)を停めた。

最初に驚いたのはアイドリングストップも無しで、
止まっている時間が長いような大渋滞と高速を含めた200Kmちょっと走って、
燃料計が1/4程しか減っていなかった事だ。

立ち寄ったサービスエリアで割引販売していた弁当を突きながら、
東京のサクラを思い出しつつビールで乾杯。
やっぱりフランス車って良いもんだなと安堵をしていた。


車庫で同じ3気筒エンジンとドルフィンアンテナを載せたヤリスと並ぶと、
殆ど同じ長さの208(Ⅰ)は幅も殆ど同じなのに気が付く。
これが今のヨーロッパBセグメントの標準サイズなのだろうけど意外にデカい。


最初に200Kmのドライブで気になった事を書いてみる。

●一番目に気になったのがステアリングの軽さで、
 これが家のクルマでは軽のR1より軽い。

例の小口径楕円ステアリングに対応したものだとは思うけど、
高速では良い感じなのに、街中を走るとアシストが強すぎて、
国産の大衆車並みにクルクルと軽く回りタイヤからの情報が掴めない。

お陰で慣れない内はどうしても過回転になってしまい
ハンドルを少し戻す度に車体がグラリと揺れた。

ここら辺はセルフセンタリングが強くて、
常にタイヤがどっちを向いているか分かる、
シトロエンAXやC5とは全く異なるフィール。

今ではフランスでもこういう日本の大衆車みたいな、
掴み処のないハンドリングが好まれているのだろうか。
日本仕様という事でこうなっているとしたら嫌だな。

特に狭い駐車場でバックとなるとクルマの車幅が意外にあるので、
微妙な修正の場合、タイヤがどこを向いているか分からなくなるのは困る。
最後はバックモニターとステアリングだけ見ながら操作しろという事か。


●二番目に気になったのは6速オートマのプログラム。

PSAの4速AL4に続く伝統なのだろうか、
街中で平坦な道なのに60Km/h近くになっても、
ずっと4速のままで5速に入る気配が全然ない。

というわけで、2300回転辺りを超えたら、
マニュアルで5速へシフトして直ぐにオートマ任せで5速走行維持。
負荷が掛かったり遅くなると勝手に4速へシフトダウンするので、
再び速くなったらマニュアルシフトアップ+オートマ任せを繰り返す。

6速は70Km/h以上の高速用というのは理解できるけど、
せっかく1500回転から最大トルクが出ているのに、
シフトショックも無いアイシン製6速の無駄使いだ。

4速以下は以心伝心の仕事をこなしてくれるので、
もう少し、日本の道に合わせてくれないかと思う。


●三番目は独特のブレーキフィールだ。

いきなり制動力が立ち上がってくるので、
慣れない内はカックンカックンとつんのめる事になる。

それと往年のヨーロッパ車特有のブレーキダストは健在らしい。
次の車検時にフロントパッドを社外品に交換しようと思い、
既に米・デルファイ・ロッキードのブレーキパッドを準備してある。
これでフィールも変われば嬉しいけど。



他のどれにも似ていないジル・ヴィダル氏によるエクステリアは、
所々にクロームをあしらった独特のフロントマスクに、
世界中のクルマに影響を与えた206以来の切れ長ヘッドライトが健在。

この下に収まる1200cc3気筒ターボは、
昔からエンジンを余り表に出さないフランスの伝統らしく、
低速からトルクフルで必要な仕事を淡々とこなすタイプ。
走行中は静かでアイドリング時以外は特に振動も感じない。

PSAのフィリップ・メルクス氏による、
徹底的に内部のフリクション低減を図りロスをなくした、
当初は自然吸気だった新時代の実用車に向けたエコエンジンは、
後期モデルは下から厚いトルクを発生する台形トルクの小排気量ターボに進化。

PSAによる新時代の実用車向けのエコエンジンに対する回答は、
見事にエンジン・オブ・ジ・イヤー受賞に輝いている。


家にやってきた208(Ⅰ)は独特の塗装が施されていて、
光量が少なくなったり角度を変えて斜めから見ると、
ブドウ色から万年筆の藍色インクのような色に変化する。

明るい昼日中はワイン用のメルローで、
日が落ちるとウォーターマンのブルーブラックインクといった感じ。

初めてクルマ屋さんの写真で見た時は紺色だと思っていたのだけど、
車両のデータに紫とあり、おやっと思ったのだけど現車で納得した。

ライオンのひっかき傷が入った特徴的なリアレンズ。


アンナ・コスタマーニャ氏によるインテリアで、
象徴的ともいえる独特な小径楕円ステアリングと、
上に飛び出たメーターナセルの組み合わせによるヘンチクリンと、
最近増えてきたタッチパネル操作は10分もすれば慣れるけど、
スカスカした手応えの無いハンドルの応力には暫く戸惑う。

インパネの一部にカーボン調のシボが入っているけど、
黒+所々にクロームというシンプルなインテリアのデザインは、
エクステリアと共通していて今時の変な過飾が無くて好感が持てる。


タイヤは購入当時、まだ雪や凍結の心配があった為、
スタッドレスで季節替わりの出物をクルマ屋さんに探して貰い、
オリジナルの鉄チンホイールに履いていたノーマルタイヤを、
トーヨーのオブザーブ・スタッドレスに交換した。

高速を走っても、余りスタッドレスを意識する事がなかったのは見事。
諏訪は基本的に雪の量は大したことが無いので、
冬でも乾燥した普通路での走行感と長持ちが重要なのだ。

ノーマルタイヤはインチアップなどという、
無駄な事は最初からするつもりは無かったけど、
鉄チンホイールから外した3年物のノーマルタイヤは捨てて、
オリジナルサイズのポーランド産ミシュラン・プライマシ―4を、
15インチでグレーのユーロテック製ホイールに装着。

スタッドレスから交換しても乗り味の印象が余り変わらないのは、
シャーシーの方が乗り味に大きな影響を及ぼしているからだろう。


以前乗っていたフランスの生活道具であるシトロエンAX以来、
実は最近のフランス大衆車は余り期待していなかったのだけど、
プジョー208(Ⅰ)は間違いなくフランス車だなと思う部分も沢山ある。

5ドアハッチバックで小回りが利いて荷物もかなり載せられる実用性と、
一般道での凸凹や段差では、健在だったフランス車独特のシートと相まって、
入力に対する当りが柔らかくて直ぐに収まるので不快感は皆無。

とにかく固いとかゴツゴツしたものがどこにも無くて、
軽いハンドルに慣れれば鼻先の軽い軽快でフラットな乗り味は、
昔のフランス車の印象と変わらないものがある。

高速では軽い車体の割に直線安定性が抜群で、
ステアリングにも手応えが出てきて、
車線変更をした時の安定感も文句なく、
長距離の運転でも快適なのも昔から変わらない。


本国では人と荷物を満載して、
混雑している市中の狭い石畳の道をユルユルとすり抜けて、
郊外に出ればポプラや糸杉の根っこでボコボコの道をすっ飛ばし、
時にはオートルートを使ってバカンスへ向かうフランスの実用車。

柔らかいけど芯のある軽快な乗り味を持ち、
結構速くてスポーティーな上に実用性が抜群の208(Ⅰ)は、
燃費も良いようで恐らく維持もそれ程面倒ではないだろう。

比較的新しい208(Ⅰ)はどうだろうかと危惧していたけど、
何となく、傑作のシトロエンAXの印象と通じるものがあるのは、
前作の207を見直し、大ヒットした206の持っていた、
フランス大衆車の原点を見直した結果ではないかと思う。

流石にリアシートも余裕でドアの開閉音からして全然違う、
アッパーミドルでハイドロサスのシトロエンC5と比べるのは酷だけど、
これから色々な気付きをさせてくれる筈だと期待している。





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最終更新日  2023.05.20 19:30:07
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