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カテゴリ:音楽
夜になるとアンプラグドのフェンダー・テレキャスターを、
TVを見ながら時々抱えているのだけど、 アンプに繋がない限りテレキャスターの形をしていれば、 何であれ多少何かが微妙に違っていても、 どれも大体似たようなものじゃないかと思い始めた。 そうなると、もっと手軽に扱えるテレキャスターが気になってくる。 オマケに、そういうテレキャスなら虚飾とか高価なパーツとは縁遠い筈なので、 ただでさえシンプルなアメスペよりも更にシンプルな筈で、 それこそがプリミティブなテレキャスの原点なんじゃないかと思えてきた。 それでフェンダーからあまり遠くない位置にあるテレキャスを思い浮かべると、 どうしてもスクワイヤーの存在が気になってくる。 ボディーが音に癖がないバスウッドというのも、 基本的にアンプラグドであれば余り意味が無いのだ。 意外にもプロの愛用者もいる比較的リーズナブルなスクワイヤーは、 今ではインドネシア組み立ての入門機という立ち位置だけど、 これには今でもダイナ楽器が関わっているのだろうか。 こういう実質的でバリューコストのスクワイヤーを、 その道の手練れがシレっと使えば確かに粋でカッコいい。 スクワイヤーブランドの元はアメリカのバイオリンメーカーで、 それはアメリカのストラディバリウスと称されるレベルだったらしい。 やがてヨーロッパに押されていた弦の量産を始めて、 1930年代になると新しく登場した電気を使った、 ピアノとかラジオなどに関わる商品を開発した後、 1950年代にフェンダーの創始者である、 レオ・フェンダー氏にエレキギターの弦を供給する。 その後、1960年になるとフェンダーに買収された後、 1963年にはフェンダー自身がCBSに買収されてしまい、 1970年代にブランドは消滅した。 やがて1982年に経営危機のフェンダー復活の為に作られた、 日本資本のフェンダージャパンが立ち上がると、 最初にコピー商品が溢れていた足元の日本市場へ、 苦肉の策でスクワイヤーブランドが、 フェンダーの廉価版という位置付けで復活。 それはそのままアジア製のコピー商品が溢れていたヨーロッパにも進出して、 翌年の1983年には本拠地の北アメリカにも供給される事になり、 結局は全世界へ向けて展開する事となった。 スクワイヤーは生産地を、日本、韓国、インド、中国、インドネシアと移しながら、 今ではフェンダーのセカンドブランドとして世界中で認知されていて、 中でも1984年以前の日本製スクワイヤーは、 今ではマニアが探すコレクターズアイテムとなっているらしい。 今ではアマチュアの入門用というイメージのあるスクワイヤーは、 特に初期の日本製に関しては海外にもファンがいるらしく、 プロの中にはヘタなビンテージよりも良いと言わしめる事もある位だけど、 それ以前にスクワイヤーの音が好きだというファンもいるらしい。 何せ、テレキャスはどう見てもテレキャスだし、 カラバリも定番はバッチリ抑えていて学生さん達にも人気のギターだ。 という訳で、手持ちのブロンドカラーと対比させる為に、 黒いボディーのスクワイヤーを突き始めたら、 2007年発売のアヴリル・ラヴィーン・シグネチュアというのに目が留まった。 大物のラヴィーンさんなら幾らでも高価なクラスで再現出来たのだろうけど、 安価なスクワイヤーを敢えて選択したのは、 多くのファンに行き渡るようにという配慮だったらしい。 こうなると、その黒いシンプルテレキャスが気になって仕方がなくなり、 これは急がなくても良いから探さねばならないと思い始めた。 当時の実売価格は大体6万円位だったようで、 今ネットで売られている値段を見ると、 下は1万円台で上は10万円までというピンキリ幅が凄い。 ジャンクはいくら安くてもボロか改造品では後始末が大変だし、 恐らく未使用で取っておいた投機臭のする生臭い奴は論外である。 程度は程々で良いのでドノーマルの大体3万円台を狙う事にして、 折を見てはネットをウロウロしてみる。 なにせ最近はカメラとかレンズなんか買ってないし、 夏なんかずっと暑くてどこへも出かけていなかったのでな。 そうして、やがて手元にやってきたのは、 弦を緩めてずっと保管されていたらしい綺麗な個体で、 ギタースタンドと一応ストラップを通販で手配しつつ、 数日間は弦が落ち着くまで毎日チューニングをしながら、 いつもの様に爪弾き始めた。 とにかく出来の良いコスパの良いテレキャスという事は間違いないのだけど、 それよりもブランドとかビンテージという俗物から離れた、 合理的で実質主義のあっけらかんとした風情が何とも心地が良い。 音だって元々がオリジナルのフェンダー系列だし、 そもそも天然素材を使ったギターなんか、 作られた時点で一本ずつ個性がある筈なので気にしたらキリがない。 それに加えて16年ほど前の個体であれば、 使われ方や保存環境によるエージングが加わって、 その個性は更に増しているんじゃないか。 黒いボディーとチェックのピックガードが特徴的で、 本来は前後二組あるピックアップをリアへ一つにまとめてしまい、 トーンの切替は3つのままだけどノブはボリュームの一個だけという、 実用性を突き詰めた上にデザイナーとしても一級というラヴィーンさんのセンスに唸る。 ただでさえシンプルなテレキャスなのに、 ローズウッドを奢った指板のポジションマークは、 たった一つだけお星さまが光っているだけだ。 ヘッドには純正のテレキャスターの文字がちゃんとプリントされていて、 オマケにフェンダーのロゴまで入っているのはスクワイヤーならでは。 当たり前だけど何の過不足も無い真正のテレキャスターである。 このファーストバージョンが好評だったのか、 2012年には二代目のアヴリル・ラヴィーン・シグネチュアが登場。 指板のポジションマークがスカル+クロスボーンという、 海賊マークなのだけど個人的には2007年モデルの方が好きだ。 古い電気系に関してオーディオ的な視点で見れば、 ピックアップにアルニコマグネットが使われていれば、 元々保磁力が小さいので古くなると減磁している可能性があり、 再着磁が必要かもしれない。 ハイパスのコンデンサーに関しても電解コンデンサー以外の、 オイルやフィルムでも容量が抜けている場合があるので、 古いスプラグやブラックキャットなどのコンデンサーの場合は容量のチェックをした方が良いし、 テレキャスなら高域特性の良いオーディオ用のフィルムコンデンサーが似合っていると思う。 但し、あくまでも音は好みであり、 基本的にはオリジナルの個性を尊重したドノーマルが基本。 手元でスクワイヤーをアメスペと比べてみると、 アンプラグドでも音に結構差がある事が分かる。 アメスペの方が高い音の倍音成分が豊かで、 シャーンとかチャーンという音に伸びがあって、 サスティンと呼ばれる余韻が長い。 とは言え、最終的にアンプに繋いで調整すれば、 スクワイヤーでしか出せないファンが拘る音がある筈であり、 そもそも練習なら殆ど意味は無い上にアメスペよりも静かに感じるので、 TVを観ながらのアンプラグド練習には却って好都合だ。 何と言っても黒いアヴリル・ラヴィーン・シグネチュアは、 ド定番でありふれたブロンドカラーのアメスペと違い、 数あるテレキャスタイプも含めて見慣れないデザインなので、 ギタースタンドに寄り掛かっているのがチラッと目に入るだけでも愉快なのだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023.11.11 19:30:07
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