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2006.03.21
カテゴリ：つれづれ
春は名のみの風の寒さや 谷の鶯 歌は思えど 時にあらずと 声も立てず 時にあらずと 声も立てず 氷解け去り葦は角ぐむ さては時ぞと 思うあやにく 今日もきのうも 雪の空 今日もきのうも 雪の空 春と聞かねば知らでありしを 聞けばせかるる胸の思いを いかにせよとの この頃か いかにせよとの この頃か 日本の歌曲の中で 人の情の気高さを歌った「青葉の笛」も好きですが なによりもこの「早春賦」の詩と曲の美しさに涙するほど感動します ヤマト言葉について考えています ユーラシア大陸の東の辺境に 幾多の困難を乗り越えてたどりついた人々が作り上げた いかなる他の言語からも孤立した不思議な言語です しかもこの地には歴史上二度も同じことが起きています ヤマト言葉が成立する遥かな昔 同じようにアイヌ言葉がいかなる他の言語からも孤立して作られていました たしかに文字は中国から持ち込み 独自に片仮名や平仮名を作ってきましたが 日本と琉球のみが 永い歴史上 各々が無関係に二度も 近隣から孤立した言語を作り上げた不思議さに驚くばかりです 諍いを嫌って逃れた人達 クニを滅ばされて追われて逃げ延びた人達 憧れの土地をめざして大海原を渡ってきた勇者達 そんな人々が作り上げた言葉です 母語はきっと南太平洋の母音を多く使う人々の影響を受けたものでしょう ヤマト古語の母音の多さは 南方系のオーストロネシア語族との近似があるそうですが 現代タヒチ語で母音系を語の頭に持つ言葉は タヒチ語辞書の中の三十％以上もあることからも想像できるようです 日本語の五と七の音節の組み合わせの快さや 和漢混合文の音韻の快さと美しさ またこの国の持つ独自の自然美 それらを想う時ほど私はこの国に生まれた喜びを感じることはありません ゲルマン語系言語やロマンス語系言語の持つ美しさも亦愛する者のひとりですが この星の上でただひとつ 二つの孤立言語を合わせもつこの国が この頃のみっともない出来事の数々を乗り越えて 永遠に平和なれと願わずにはいられません 平成十八年春 石橋正敏 -----------* 昨年の10月にも「アオキ・ワインセラー便り」をご紹介しましたが、石橋さんは私の高校の先輩にあたる方です。（前回の分は↑をクリックしてみてくださいね） 長崎とは遠く離れた、長野県は青木村という所にワインセラーをお持ちですが、年に数回格調高いワインのカタログを送ってくださいます。その中に同封されているのがこの「アオキ・ワインセラー便り」です。 石橋さんの文章はどちらかと言えばちょっと辛口、でも味わい深くいつも静かな滋味を感じます。 今回も「一度公開した文章ですから…」と私のブログで「アオキ・ワインセラー便り」をご紹介することを快諾してくださいました。 （石橋さん、ありがとうございました。原文のままご紹介させていただきました） 高校の音楽の時間に歌った「早春賦」ですが、吉丸一昌さんの歌詞の意味を感じるようになれたのはずっと大人になってからでした。 中田章さん（中田喜直さんのお父様）の、期待感がじんわりと膨らんでいくような右上がりのメロディーとあいまって私の好きな日本の歌です。もぐらさんのブログで唱歌がテーマになり、「角ぐむ」という言葉が春の季語と知った時はとても嬉しく思いました。 言葉は時代と共に、人と共に進化し変化していくものだと思ってはいます。 我が子を含めて時代の言葉を使う若者たちの未来が明るく平穏なれ、と願いながらも日本人として伝えていきたい言葉があることも改めて認識しました。 きっといつの時代にも、新しいことを知り古きを尋ねることを大切にする人がいて伝わっていくものがあるのでしょうね。 お気に入りの記事を「いいね！」で応援しよう
言語って、事実を伝える手段のみならず、心や風景や、生きとし生けるものすべてを表現できるものですよね・・。
美しい日本語は誇りにしたいです。 「早春賦」の曲を思い出しながら、アオキ・ワインセラー便りを読ませていただきました。 原文のままご紹介してくださってありがとう＾＾ 民眠さんてほんと素敵☆ (2006.03.21 18:01:37)
メディカルエンターテイメントさん
＞言語って、事実を伝える手段のみならず、心や風景や、生きとし生けるものすべてを表現できるものですよね・・。 ＞美しい日本語は誇りにしたいです。 ----* 言葉は生まれ育った風土と共にパーソナルなものでもあるのですね。 ----* ＞「早春賦」の曲を思い出しながら、アオキ・ワインセラー便りを読ませていただきました。 ＞原文のままご紹介してくださってありがとう＾＾ ＞ ＞民眠さんてほんと素敵☆ -----* 今年は在京の同窓会で石橋さんとお会いしたいな～と思っていますが…。 なかなかシャイな方なので。 (2006.03.21 20:32:02)
響き煙さん
＞「一の谷の戦破れ 打たれし平家の公達あわれ」か。 ＞ ＞ワインは、日本一の所でしたので、詳しいです。（笑） -----* ぶどう、桃源郷の桃、あ、干し柿も有名でしたね。 これから美しい季節になりますね。＾＾ (2006.03.21 20:34:12)
大和言葉は音として聞いたとき本当に美しいな～と思いますね。
万葉集など声を出して詠み、音として聴き素晴らしいですもんね、日本語万歳って気持ちになりますね。 (2006.03.21 20:47:40)
民眠さん、こんばんは
すばらしい文章をご紹介いただきありがとうございます！ 言葉は文明そのものですよね。日本人が本当に自分の心情を表現しようと思えば、それは必ずやまと言葉になるはずです。 時代がどれだけ移り変わり、若い人たちが新しい言葉を生み出そうとも、それらは時の経過の中で「やまと言葉」に包み込まれていくように感じるんです。それは、かつて「和歌」という形態で新たなやまと言葉を生み出してきた歴史があるからです。 早春賦をはじめとした美しい日本語で表現された歌を聴くと「あ～、日本人に生まれてよかったな！」って思います。 ------------- ＞お墓の近くがお花の名所だったり、美味しい食べ物屋さんがあったりするといいな～。 確かに～。不思議とお寺の近くって美味しい和菓子屋さんがありますね！ なんでだろう・・・？ それにしても今日の野球は面白かった～！いいゲームだったと思います。やっぱりキューバは強かった。会社の仲間たちと感動しまくっていました～ (2006.03.21 22:53:40)
言語の不思議は、私も感じてました。７～８カ国後に親しんでみると余計そう思います。このように専門的ではありませんが。でもしっかりした日記を
書くのね。感心しちゃう。明日ふざけたことを書こうと思ったけどやめようかな？ (2006.03.21 23:04:27)
10月の分も読ませていただきました。お話からすると私どもよりかなり年長でいらっしゃるようで、生意気な言い草ですが
石橋さん、いい文章を書かれる方ですね。 過不足のない穏やかな文章の虜になりそうです。 秋のお頼りもぜひ掲載してください。 それにしても近頃の日本語の乱れは嘆かわしいことです。 怒りさえ感じます。 (2006.03.22 00:17:44)
日本語の美しさ・・・我が子に伝えられなかったなあ、と今更ながらに思います。
そして美しい唱歌、今ならすんなりと理解できるのに・・・と思います。 (2006.03.22 00:21:35)
日本語の美しさ・・・我が子に伝えられなかったなあ、と今更ながらに思います。
そして美しい唱歌、今ならすんなりと理解できるのに・・・と思います。 (2006.03.22 00:21:48)
brendelさん
＞大和言葉は音として聞いたとき本当に美しいな～と思いますね。 ＞万葉集など声を出して詠み、音として聴き素晴らしいですもんね、日本語万歳って気持ちになりますね。 -----* 平成も17年が過ぎ、昭和が振り返られるようになりました。 ずっと自分の周りにあったのに通り過ぎてしまっていた良いもの…に現代の日本人はやっと気がつくようになったのかもしれませんね。 (2006.03.22 15:09:49)
人生乾杯さん
＞「早春賦」私も大好きな歌です。 ---* いい歌ですね。 以前は「唱歌」という呼び名に抵抗を感じた時もありましたが、日本の原風景が残っているのが「唱歌」ですね。 ----* ＞美しい言葉、大和民族の誇りです。 ＞そう思って、この言葉を大切にしている人たちが少なくなってきたのではないかな。 -----* 新しい感覚を備えながらも大切にしていけたら一番いいですね (2006.03.22 15:12:10)
小龍景光さん
＞民眠さん、こんばんは ＞ ＞すばらしい文章をご紹介いただきありがとうございます！ ＞言葉は文明そのものですよね。日本人が本当に自分の心情を表現しようと思えば、それは必ずやまと言葉になるはずです。 ＞時代がどれだけ移り変わり、若い人たちが新しい言葉を生み出そうとも、それらは時の経過の中で「やまと言葉」に包み込まれていくように感じるんです。それは、かつて「和歌」という形態で新たなやまと言葉を生み出してきた歴史があるからです。 ----* 本当に仰るとおりだと思います。 ----* ＞早春賦をはじめとした美しい日本語で表現された歌を聴くと「あ～、日本人に生まれてよかったな！」って思います。 ----* 最近になってやっとその良さにも気がつきはじめました。 ＞------------- ＞＞お墓の近くがお花の名所だったり、美味しい食べ物屋さんがあったりするといいな～。 ＞ ＞確かに～。不思議とお寺の近くって美味しい和菓子屋さんがありますね！ ＞なんでだろう・・・？ ----* お蕎麦屋さんも！ ----* ＞それにしても今日の野球は面白かった～！いいゲームだったと思います。やっぱりキューバは強かった。会社の仲間たちと感動しまくっていました～ -----* あら～休日もお仕事モードでしたか。 でもいい勝ち方をしてくれたので、見ていて気持ちが良かったですね。 お疲れ様でした。＾＾ (2006.03.22 15:15:45)
tozyokoさん
＞言語の不思議は、私も感じてました。７～８カ国後に親しんでみると余計そう思います。このように専門的ではありませんが。でもしっかりした日記を ＞書くのね。感心しちゃう。明日ふざけたことを書こうと思ったけどやめようかな？ -----* いろんな事を書いてこそのブログですよぉ。 tozyokoさんの語学力、いつも尊敬しています。＾＾ (2006.03.22 15:16:38)
もぐら4311さん
＞10月の分も読ませていただきました。お話からすると私どもよりかなり年長でいらっしゃるようで、生意気な言い草ですが ＞石橋さん、いい文章を書かれる方ですね。 ＞過不足のない穏やかな文章の虜になりそうです。 ＞秋のお頼りもぜひ掲載してください。 ----* 藤沢周平さんがお好きな方にはきっと通じるものがあるのかもしれませんね。ふふ ----* ＞それにしても近頃の日本語の乱れは嘆かわしいことです。 ＞怒りさえ感じます。 -----* 新しいものもＯＫだとは思います。 しかし残すもの、伝えるものも意識しなくてはいけないですね。日本人の修復力も信じましょう。 (2006.03.22 15:18:38)
yama0912さん
＞日本語の美しさ・・・我が子に伝えられなかったなあ、と今更ながらに思います。 ＞そして美しい唱歌、今ならすんなりと理解できるのに・・・と思います。 -----* 最近は唱歌のＣＤなども多いですよね。 皆さんが同じようなことを感じ始めているのかもしれませんね。 (2006.03.22 15:19:33)
民眠さん あやたはいろんなこと良くご存知でね。
本当に感心いたします。 角（ツノ）ぐむなんて・・・聞いたことがありません。その当時先生からは習っているんでしょうど、 音楽の時間が一番苦手でした。 今でもそうですけど・・・ 東を向いて民眠さんに“”敬礼！！”” 年のせいか足が地面から上がらないようになっているのかな・・・ とにかく今度からは気をつけます。 ワン公のチェリーにも、もっと主人を労われといっておきます。お見舞い有難うございました。 (2006.03.22 16:41:13)
しみじみさん
＞音楽の時間が一番苦手でした。 ----* あらぁ、そうでしたか。＾＾ この季節、ちょっと暖かくなると頭のてっぺんがむずむずしてきませんか？ツノグムツノグム。 ----* ＞年のせいか足が地面から上がらないようになっているのかな・・・ ＞とにかく今度からは気をつけます。 ＞ワン公のチェリーにも、もっと主人を労われといっておきます。お見舞い有難うございました。 -----* そうそう足は上がらなくなる、らしい。 行動はまずイメージしてね、とリハビリの先生も言ってましたよ。 顔はいのち、ですからご注意くださいまし。ふふ。 こんどのワンコはチェリーなのね。 恐がり屋さんのメリーは花火の音が嫌いで小屋に逃げてましたね。 (2006.03.22 18:56:07)
素敵な文章を紹介してくださって、ありがとうございました。
日本の唱歌は、言葉が本当に美しいですよね。 小中学校のころに歌っていたときは、昔の歌ぐらいにしか思っていませんでした。 大人になるにつれて、浸みいるように良さが判ってくるようになりました。 やわらかい心の時に触れたものには、どこかにそれが残っているものなのですね。きっと。 (2006.03.22 21:29:32)
もくれん天使さん
＞素敵な文章を紹介してくださって、ありがとうございました。 ＞日本の唱歌は、言葉が本当に美しいですよね。 ＞小中学校のころに歌っていたときは、昔の歌ぐらいにしか思っていませんでした。 ＞大人になるにつれて、浸みいるように良さが判ってくるようになりました。 ＞やわらかい心の時に触れたものには、どこかにそれが残っているものなのですね。きっと。 -----* 幼い頃には正確に意味が分からなくてもいいのかもしれませんね。 どこかに残っていれば、あとづけでよみがえるのもあり。かえって印象も深かったり。。。＾＾ (2006.03.22 21:37:29) |
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