岐阜県お城巡りー鈍行列車のたび郡上八幡4ー
郡上八幡城をあとに八幡山を下ります。郡上八幡には、もう一つ有名なものがあります。それは"郡上おどり"で、郡上八幡といえば郡上おどりといわれるほど有名です。その郡上おどりにふれるため郡上八幡博覧館に行きました。ここでは郡上おどりの実演が見れるということです。 【郡上八幡博覧館】 『夜風が君の髪をなで、月がぽっかり浮かぶころ、「郡上のナァ〜」の唄声と、 三味(しゃみ)に太鼓に笛の音が、川の瀬音に重なって、郡上おどりの夜がひらく。ゆれる提灯、ゆかたの影、 響く手拍子、げたの音。 忘れかけてた日本の夏。 心おどる夢一夜。』これが、郡上おどりです。「郡上の八幡出てゆく時は、雨も降らぬに袖しぼる」
の歌詞で知られる郡上おどりは400年にわたって城下町郡上八幡で歌い踊り続けられてきたもので、江戸時代に城主が士農工商の融和を図るために、藩内の村々で踊られていた盆踊りを城下に集め、「盆の4日間は身分の隔てなく無礼講で踊るがよい。」と奨励したため、年ごとに盛んになったものです。そんな歴史背景から郡上おどりは誰もが、つまり観光客も地元の人もひとつ輪になって踊るという楽しさがあるのです。 だから、
郡上おどりは「見るおどり」ではなく「踊るおどり」といわれるわけですね。お囃子と下駄の音、それに川のせせらぎが重なって山あいにこだまする、夏の夜の風情。
圧巻は徹夜で踊る盂蘭盆会(うらぼんえ)の夜明け近く、東の空が白々と明けゆくころだそうで、
その時は歌い手と踊り手の息がピッタリと合って、夏の夜の短かさを惜しむように踊りがつづくそうです。郡上おどりは、7月中旬から9月上旬にかけて33夜にわたって踊られます。 日本一ロングランの盆おどりで、郡上八幡の夏はおどりとともに始まり、おどりとともに終わるという感じですね。今年は7月11日から始まり、9月5日に終わるとい日程で、クライマックスの徹夜おどりは、8月13,14,15,16日の4日間だそうです。いやぁ・・・、行ってみたいですねぇ・・・・・。 郡上八幡はちょうどお雛祭りの時期でした。博覧館はメイン会場で、おひなまつりと福よせ雛がたくさん展示されていました。 テニスの錦織圭選手にあやかってか、センターコートの福よせ雛たちです。写真右のコート上でジャンプしてボールを打っているのが錦織圭選手、まさにエアーケイですね。 ここには、神仏習合の見本の様な「懸仏」(かけぼとけ)が展示されていました。鏡と言えば神社のものですが、その鏡に仏様を合体させて移動式神様として信仰の対象になったものです。 ここ郡上八幡博覧館は、郡上八幡を知ってもらいたいという気持ちがこもっていて良い感じでした。 最後に"いがわの小径"に行ってみました。吉田川にかかっている新橋を渡ります。 【吉田川】 新橋から見た吉田川は町中を流れていながら、渓谷の荒々しさがあります。橋を渡ったところに"郡上八幡旧庁舎記念館"があったので、そこで休憩しました。 【郡上八幡旧庁舎記念館】この建物は旧郡上八幡役場で国の登録文化財の指定を受けています。町の中心新橋のたもとにあって、吉田川の大瀬(だいせい)とよばれる早瀬を見下ろし、「ちょっと一休みする」には格好の場所で、観光客も大勢訪れていました。 【いがわの小径】水の街「郡上」を感じさせてくれる小路で、場所によって風景が変わります。綺麗な小川が流れていて、錦鯉がキラキラ揺れていました。こんな道を歩いていると癒されますね。 ということで、この日はゆっくり落ち着いた時間を感じながら美濃市と郡上八幡という二つの城下町を散策しながら歴史にたっぷりと浸りました。美濃太田駅までの約90分、満足感と心地よい疲れでぐっすりと眠ってしまいました。最終日は"犬山城"、楽しみです。 《続く》