人様から薦められて読んだ本。冒頭、ドストエフスキーの『罪と罰』を連想したが、物語は犯罪者の家族が主人公だった。キリスト教とはまるで無縁の日本的世間。というか、現象としては多分洋の東西を問わず事情は変わらないのかもしれないけれど、就職、進学、恋愛、結婚と身に降りかかってくる災難と逆境があまりにもリアルで半ば身につまされる思いがした。
「イマジン」を歌ったジョン・レノンは殉教者よろしく凶弾に倒れた。悲しいけれどそれがこの世界の現実だと不具は思う。だからこそ、独断でもなんでも、
オバマ大統領に過大に期待してノーベル平和賞が贈られたのだろう、とも――。
【中古本】手紙/東野圭吾