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カテゴリ:SF
映画の原作。映画は映画で悪くないが、あれはやはり観せるもの。登場人物が、学者、作家、ストーカー(シュハルト)に集約された幻想的な世界だった。
一方小説はもっと怪奇だ。原題は『路傍のピクニック』。また映画を引合いに出して恐縮だが、『ブッシュマン』をソ連化したような作品だ。捨てられるのはコカ・コーラのビンではなく、異星人が残したさまざまのガラクタ。本当の使い道はもちろんわからない。しかし有用だ。その用途や性質によってさまざまな隠語で呼ばれるさまざまなブツをめぐって、密猟者であるストーカー、仲買人、学者、当局が織りなす人間ドラマが、本書である。ついでに言うと、登場人物の多くも隠語で呼ばれる。 ゾーンは実は共産主義で、と読み解くことも可能だし、逆に資本主義で…と考えることも可能だが、その種の議論は政治的で浅薄になるから、よした方がいいと思う。不条理と考える方がまだしもではないか。 映画は小説の最終章に触発されながらまるで違ったものになってしまっている。では小説の方は? これはハッピー・エンドなのだろうか、それとも新たな悲劇の始まりなのか? 判断は読者の手に委ねられている。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2013.02.28 04:19:22
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