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つれづれなるままに―日本一学歴の高い掃除夫だった不具のブログ―

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2013.09.10
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カテゴリ:SF
アシモフのファウンデーションシリーズを何から読むか。古くからの読者は否応なしに発表順(あるいは翻訳順)に手をつけざるを得なかった。しかし若い読者はやはり、アシモフの未来史に沿って読むのが一番いいと思う。つまり『われはロボット』からである。

面倒くさければ『鋼鉄都市』『はだかの太陽』『夜明けのロボット』だけでも読んでおくと、この本がもっと楽しめるだろうと思う。『ロボットと帝国』も、と言いたいところだが、これはあるいは、本書の後に読んだ方がいいかもしれない。

なぜなら、アシモフのSFは多かれ少なかれミステリ的であり、本書も決して例外ではないから。そして決定的な予備知識のない方が、結末を素直に驚けるだろうから。

もっとも、制作年代順に読むのもまた一興である。『ファウンデーションと地球』の後でこれを読めば、消えたオーロラ人のその後もある程度推察できるし、デマーゼルやヒューミンの正体もおおよその見当がつく。ドースにしてもそうだと言えよう。

基本的にこのふたつの物語構造はよく似ており、極端に言えば、主人公が探索するか逃亡するかという違いしかない。トレヴィスも若き日のセルダンも性格が異なるようでその思考プロセスは近似している。同じことが、作品は違うが、イライジャ・ベイリにも当てはまる。いずれも作者精神の分身であろう。

もうひとつ本書を読むうえで興味深いのは、第一銀河帝国の首都であるトランターが、結局のところ地球の比喩になっていることだ。勿論作品上の世界観では異なる。地球は伝説の惑星であり、オーロラもイライジャ・ベイリの足跡も歴史のはるか彼方の存在でしかない。それでも400億の人口を抱える巨大な鋼鉄都市の、とあえて言わせていただくが、抱える多様性と人種・民族差別はまさに今、わたしたちのこの惑星の上で起こっていることだ。そういういう観点から読み解くことができるのも、また本書の魅力であると言えよう。





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Last updated  2013.10.26 23:06:13
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