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つれづれなるままに―日本一学歴の高い掃除夫だった不具のブログ―

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2022.08.05
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カテゴリ:SF
男女の地位が逆転した物語としては、​​『フェミニズムの帝国』​​や、​『女の国の門』​などが挙げられるし、社会を構成する男性の比率が極端に減少したものとしては、​『終末のハーレム』​もこの系列に属する作品と言えるだろう。

だが本書には、上記2冊の小説に見られるような下剋上的風刺性がないし、漫画に見られるようなエキセントリックで色っぽい描写もない。普通に16世紀欧州の貴族社会を描き、ただ男性と女性の性別役割分担がそっくりそのまま入れ替わっているというだけの娯楽小説なのだ。

あらすじを紹介すると、ある王女が農村に美青年を見つける。王女は彼と結婚したいと思うが、身分の違いがあって難しい。それでも二人は逢瀬を重ね、それでも最後の一線は越えない。しかしふとしたことから彼が実は王家の血をひくものだと分かり…

まあ、これだけ見ても男女の役割を置き換えれば、あの時代を舞台にした普通の恋愛冒険活劇になることがわかろうというもの。夫は姉妹の共有財産、ありていに言えば女尊男卑社会における一夫多妻制となるから、姉妹全員の了承がいるとか、世界観の設定に伴う独自の展開はあるけれど、本書を読むときにフェミニズムだとかなんだとか小むつかしいことを念頭に置く必要はない。恋愛と陰謀と冒険の物語を純粋に楽しめば、男と女の性差って、妊娠と出産以外にあるの? と読後には思えてしまう、不思議に爽やかな長編小説である。


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Last updated  2023.08.15 19:49:13
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