佐野洋子さんといえば、谷川俊太郎と離婚した女性、というイメージが個人的に先に立つのだが、それは置いておく。本書もまた
『やさしいライオン』と同じように愛の物語であるが、主人公の性格はまるで正反対だ。児童文学で、こんな傲岸不遜な主人公も珍しいだろうと思う。その彼が、真実の愛に目覚め、二度と埋まり変わらなくなったお話。不具がこれを読んだのは大人になってからであったが、涙せずにはいられなかった。
日本のみならず世界のロングセラーである。
100万回生きたねこ (講談社の創作絵本) [ 佐野 洋子 ]