躍る血液。
その正体は、生体素子。
進化した細胞だ。
もしナノ的な細胞を体の中に取り込んで、その細胞が人間並み、いやそれ以上に進化したらどうなるかという物語。
ハードSFでもあり、パニック小説でもあり、スぺキュレイティブでもあり。
東西冷戦を背景にしているということを除けば、21世紀の現在でも十分楽しめる小説だ。
ビジョンも文体もSF的で素晴らしい。
人間はウイルスによって進化した、というのも事実だ。
ただ小説における「変容」は些か急進的であり、破滅テーマSFのようにも読める。
だがそれ以上であることは明らかだ。
とはいえ、二度と読み返そうとは思わない。
まともに読めば、これはやはり悪夢なのではあるまいか?
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