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カテゴリ:夢何夜
という映画を観た。という夢を見た。もっとも夢を見た本人も当事者なのだが。
飲み会の席である。久しぶりに会う何人かの男女。故郷に帰ってきた若いYと、かつての同僚たち。同じくらいの若い女性3人と、竹中直人のようなおっさんと、「僕」だ。 おっさんと女たちはテーブル席で歓談している。Yと僕はそれぞれ別の席で一人で飲んでいる。目が覚めてみれば、そのこと自体が不自然に思えるが、見ているときは、映画を観ているような感覚だった。 話は進む。僕は時々別の席から合の手を入れるが、誰も反応しない。独り言と思っているのだろう。まあいい、いつものことだ。コミュ障と呼ばれるのには慣れている。 それにしてもYの様子は変だ。僕のようなコミュ障と違って、もっと朗らかな、社交的な快男子のはずだったのに…と思っていると画面が変わる。 何とYを除く全員が、Yを先頭に、身に一糸も纏わず、街中を歩いている。いや、歩かされている。とくにあのおっさんと、若い女性の一人は、鎖につながれて… どういうことかといぶかっているうちに、思い出した。鎖につながれた若い女性は、かつてYの恋人だった。Yは、おっさんに寝取られたのだ。フランス語で言えばコキュである。そして、僕らは全員、そのことを知っていた。知っていながら、Yにそのことを伝えなかった。Yが真実を知ったのは… もうよそう。いまさら言っても仕方がない。とにかく今日の飲み会の発案者はYだった。そして、僕らはそれを断れなかった。そうして薬でも盛られたのか、こうしてみんな、生まれたままの姿で街中を歩かされている。街の人たちも、撮影と思っているのか、見て見ぬふりをしている。 おっさんが最後に僕に言った。「こうなるかもしれないという結末は、全く予想していなかったわけじゃない。だがそれでも、みんな、何とかなると思っていたのさ。タバコを吸う時間くらいはある、とな」そうして、ライターを取り出すと、タバコに火をつけた。 ふううっという煙とともに、エンド・クレジット。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2023.09.05 04:37:40
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