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カテゴリ:WOODPROのこと
なんだか写りの悪いこの写真は、フィルムカメラで撮ったものをスキャニングしたもの。 撮影したのは、事務所の正面で、時期は、おそらく1999年。 恐怖の大王が降ってくるはずだった年ですね。 WOODPROがネット販売を始める前の話です。 中央にプランター付きのフェンス、右側には脚のついたプランター、左側には樽のような木製の鉢。 脚付きのプランターの脚が偏っているのはご愛敬。 実は、このすべてが、「杉 実付き板」のB品を使って企画されたものです。 当時、焼杉のトップメーカーである中本造林(株)の下請けで、杉の板に実加工を施す仕事をしていました。 材料は支給され、モルダーという機械を使って、1枚いくらで賃加工を行います。 社員も両手の指で足りるくらいしかいませんでしたでの、社長が投入し、出口で私が受け取って結束、なんて状況です。 それでも、当時の会社としてはありがたい安定的な収入でした。 4Mものの杉板に実加工を行うと、中には割れていたり、厚みが足らなかったりしたB品が出てきます。 そのB品を1枚100円とか200円で払い下げてもらって、それを使って商品にできないか、と思って試作したのが冒頭の商品なんですね。 そのため、よく見ると、板の内側に、反り止めの溝加工が入っています。 解像度が低すぎて、ちょっとわかりにくいかも。 当時はガーデニングブームで、ホームセンターにも、ラティスや木製プランターがたくさん並んでいました。 どれも中国からの輸入で価格も安いので、それに対抗するため、B品の材料を再生して商品化しようとしていたんですね。 中央のプランター付きのフェンスは、形やサイズは違いますが、プランターにフェンスを差し込む、という発想はそのままで、今はWOODPROの主力商品になっています。 右側の脚付きのプランターは、「賃加工」をやめて、B品の払い下げがなくなった時点で、いったん生産中止としていましたが、現在では、ほぼそのままの形で復刻され、絶賛販売中です。 右側の寸胴の樽か桶のような商品は、試作したものの、結局商品化はされませんでした。 冒頭の写真のネットフェンスの向こう側に広がる空き地は、現在、WOODPROで購入し、新しい工場ができています。 1999年と言えば、私もまだ30代半ば。 正直、未来がはっきりと見えていたわけではなかったのですが、無い知恵を絞って頑張っていた時代です。 こちら、2002年撮影ですが、当時は事務所の前で犬を飼っていました。 名前は「リース」です。 美しい夕焼けと、リース。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2022/06/03 08:04:22 AM
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