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カテゴリ:WOODPRO Shop&Cafe
本日は、3月17日(金)に、【WOODPRO SHOP】スタッフを対象に行われた、秦 健治さんによる左官勉強会のご報告です。 話を聞くのに一生懸命で、写真をあまり撮っておらず、伝わりにくい部分があると思いますが、ご容赦。 現在、【WOODPRO SHOP】では、お客様からお問い合わせの多かった「リノベ案件」に対応すべく、もともとカフェスペースであった部分を使って改装中です。 そのスペースでは、足場板古材を使った提案をしていくのはもちろんですが、人にやさしい「自然素材」である「土」を使った壁面の提案も行えるようにしています。 商談、展示スペースとなる場所の壁面には、珪藻土や、土壁を使用していますので、スタッフとしては、しっかりとした知識が必要になりますね。 ということで、今回、【WOODPRO SHOP】の壁面を施工していただいた、左官アーチストとして活躍中の、秦 健治 さんに左官の勉強会をしていただくことになった次第です。 秦 健治 さん⇒hata_sakankougei インスタグラム 3月末までにオープン予定のリノベ提案スペースでは、左官によるいくつかの壁面仕上げの実物をご覧いただけます。 「土壁」というと、私のような昭和世代がどうしてもイメージしてしまうのが、これ。 古くなった民家の壁が劣化して、土壁も脱落し、下地の竹小舞がむき出しになっている様子。 この写真は、家内の実家のそばで撮影したものですが、昭和30年代の高度成長期に建った住宅の多くはこんな感じの家が多く、それが老朽化してくると、表面のモルタルや漆喰が剥げて赤土がむき出しになり、それが雨に打たれて崩れて、骨組みが見えてしまうという、見栄えの悪い状態となります。 おそらく、高度成長期で、使用する材料の「質」にも問題があったのだろうと思います。 ちなみに、土で作った壁を「湿式壁」といい、サイディングや断熱材や石膏ボードなどで作った壁を「乾式壁」といいます。 湿式壁は乾燥に時間もかかるし、左官屋さんの技能が悪いと、割れや脱落が出たりしやすいので、今の住宅はほとんど「乾式壁」になりました。 「左官」というのは、もともと、宮廷にできるする壁の仕上げを行う職人に与えられた官職が由来だとか。 日本は昔から、手に職を持つ「職人」を大事にしてきた文化を持つ国ですが、縄文の昔よりの歴史があるようです。 さて、話を戻しますが、そんな事情もあって、現代では、「左官」屋さんの仕事も激減。 今回勉強会の講師をしていただいた秦 健治さんも、東京で修行され、ホテルや公共施設などで、アートな左官工事を手掛けておられたのですが、2021年に故郷広島に帰還。 ただ、なかなか広島には「アート」な左官仕事がなく、腕の振るい場所を探して、全国各地、どこにでも出かけておられる新進気鋭の左官アーティストさん。 勉強会ではありますが、「土の魅力」について、熱く語っていただきました。 こちら、カウンターの仕上げには、今注目の「モールテックス」。 セメントのような仕上がりですが、割れにくく、ベニアなどの下地の上に薄塗りできるものです。 表面の光沢を出すのに、何度もオイルなどを塗りこんでいるとのこと。 仕上げるまでに、4日はかかる、とのこと。 こちら、トイレに向かう開口部 こういった土で層になった壁のことを「版築(はんちく)」というそうですが、塗って層を作るものを「塗り版築」。人間の手で作り出す、唯一無二な味わいがあります。 珪藻土や漆喰など多孔性の自然素材が、住居の空気を清浄化し、湿度も保つということで、湯の中の健康志向の高まりとともに、人気になってきていますね。 ネックになってくるのは、やはりコスト。 全面的に採用できる予算があればいいのですが、部分的に取り入れたり、土壁をアクセントにしたり、ということもご提案できそうです。 同じ土壁の素材でも、仕上げ方でこんなにも違いがでます。 今月末にはこのコーナーもオープンする予定なので、ぜひとも直接ご覧ください! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2023/03/22 03:27:07 PM
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