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今年のアカデミー賞の作品賞をはじめ、6部門を制して話題の「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」を見てきました。 通称「エブエブ」です。 映画館のポイントがたまっていて、今月で無効になってしまうということで、久しぶりに夫婦で、映画を見に行くことに。 キムタクの信長ものか、まだ見てない「すずめの戸締り」か、と悩んだ結果、エブエブに決定。 ちなみに、この前はトム・クルーズの「トップガン マーヴェリック」。 アカデミー賞を席捲した作品の割にはさほど観客も多くない印象で、「話題」になっているのはごく一部のマニアの間だけのようだ、という感想。 作品は、いわゆる「パラレルワールド」もので、コメディタッチの人情もの。 ガチのSF映画を期待すると、「?」となる。 「パラレルワールド」というのは、現在自分が生きている世界と並行して、別の世界が存在する、というもの。 人生にはいくつもの分岐点が存在し、違った選択をすれば、当然違った世界があったかもしれないのだが、実際にそれがある、というのが「パラレルワールド」。 通常はパラレルワールドは「平行」なので、交わることはないのだが、何かのきっかけで超越してしまい別の世界と交叉してしまうことで事件が発生する。 作品としては、突っ込みどころが満載で、カンフーが出てきたり、その他別の世界に移動する際のトリガーになる、ものについても必然性というものはあまりなくて、単純に「面白い」から、という感じ。 事前に評価を見たのだが、全体としての評価もあまり高くないし、その中身を見てみると、「面白い」という高評価の人と、「ふざけるな」というくらいの勢いの低評価の人に分かれている印象。 作品を見てみるとそれも納得できる。 結局、その作品に何を期待したか、ということが評価の分かれ目になっている。 ガチのSF映画や、ガチのアクション映画、ガチのヒューマンドラマを期待すると、「ふざけるな!」という感じになってしまうのだが、そういう思い込みを捨てて、素直に受け入れる人にはとても楽しい作品となっています。 確かに「アカデミー賞と取ったのだから」という格式の高い気持ちで見ると、「なんじゃこりゃ」と思うかもしれません。 映画を見た後に、いろんな人がしている解説を見てみると「なるほど」と思うことも多々あり、ふざけているようで、結構マジだったり、深いところもあるんだな、という印象でした。 WBCの感動的な優勝決定シーンを見て、「漫画か!」と思った人も多いと思いますが、それくらいドラマチックな展開でした。 ただ、大谷が投じた最高の一球を、トラウトが見事にはじき返してホームラン、なんて可能性もあったわけで、あるいは、村上、最後まで打てず、メキシコ戦で敗退・・・とか。 そういうパラレルワールドがあるかもしれません。 ただ、トラウトに打たれた大谷や、結局打てなかった村上が「不幸」かどうかは別な問題です。 人生というのは本来やり直しはできません。 その代わり、人生には勝者も敗者もなく、結局、それを決めるのは自分自身の心だけ。 コンピューターゲームでは、明らかな勝ち負けの基準が存在し、明らかな劣勢となれば、簡単にリセットもできます。 しかし、人生はリセットもできませんが、勝ち負けもありません。 自分が幸せだと思えれば、それは人生の勝者だと言えますね。 大谷選手と比べる必要もありません。 「エブエブ」を見て、そんなことを思った次第です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2023/03/28 12:34:10 PM
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