■カブトムシ、埋葬
ちょっと歩いては、足を天に向けてひっくり返ってしまい、戻してやっても、すぐまたひっくり返ってしまい、 仕方なく様子を見ることにしたら、 いつのまにか、自力で腹這いになっていて、しかも歩いて移動していたりする。 9月28日の日記に書いて以来、ずっとそんな様子だったカブトムシ。 もう全然食べなくなっていて、日に日に衰弱。 ワタクシにできることはないけれども、ただ見守ってきた。 10月2日、昼前。 足を天に向けてひっくり返っている時間が、あまり長くなると、こちらも心配になるので、戻すことに決めていた。 このときも、そっと手を添えて腹這いにさせる。 昨日(10月1日)から、なんとなく土にもぐりたそうにしていたので(木を動かすほどの力で、木の下にもぐりこもうとした)、 止まり木を近くに寄せて、少しはもぐった気分が味わえる位置(人間の主観ですが)に調整。 また、この位置なら、ひっくり返っても、木がバランスをとる足がかりになるだろうと考えた。 カブトムシは、ワタクシの思惑どおりか、それとも単に動いただけかわかりませんが、 調整後、止まり木の下にもぐろうとする様子を見せて、顔を木の下につっこみアタマのみ隠したカタチで落ち着いた。 そして、そのまま。 何度水槽をのぞいても同じ姿勢でいたが、深夜になっても同じ場所に、同じ姿勢でいる。 これはもうダメかもしれん。 そっと触ってみたら、カブトムシは驚くほど軽く、小さくなっており、すぐさま、もはや生きていないことがわかった。 最後は、カブトムシらしい、腹這いの、木の下にもぐりこもうとする姿勢で、旅立ちました。 ああ、寂しいなぁ。 大阪の街は、土の場所がなくて、どこに埋めるか考えにかんがえたが、 最寄り駅の植え込みか、 住んでるビルの玄関の植え込み、 あるいは、駐輪場横のちっちゃな植え込み、ぐらいしか思いつかなかった。 で結局、鯖口くんの案を採用して、うちのでっかい植木鉢のなかに、埋葬。 (そういえば、鯖口くんは、以前、飼ってたドジョウが死んだときも、ベランダのプランターに埋葬していたなぁ) 振り返りますと、 昨年の11月アタマ、幼虫の姿でうちにやってきて、それから11カ月近くも、よく生きた。 がんばったねぇ。 ほんとにお疲れちゃんやったねぇ。 お疲れちゃん、お疲れちゃん、と声をかけてお礼を言いながら土をかけて、埋葬。 もう水槽も片付けてしまった。 水槽は、暑くなりすぎず、異変にすぐ気付けるよう目に入りやすいところ、というわけで、ながらく廊下に置いてあった。 もうすっかり、通るたびのぞくのが癖になっていて、今、カブトムシがいないことが、すごく変。 まるっとした背中と、シャカシャカした足運びと、 もぐって隠れても、ツノが土からニョキッと出てるような、素朴な天然っぷりと、 ゼリーにかぶりついているときの、うつむき加減のうしろアタマがとても好きだった。