■■■■ダーリンがけなげだ。■■■■
ダーリンがけなげだ。 このところ忙しくてあたしはあまり家にいないのだが、この土日、あらためて見ているとよく働くはたらく。 ダーリンもクリエイティブな仕事をしていて、あたしは言葉を、彼は音を扱うという違いがまぁ大雑把にいうとあるわけだ。 で、ダーリンはパソコンの前にじっと座ってヘッドホンをつけ、働く。 よくはたらく。 がんばるなぁ。 家で仕事をするというのは、「SOHO」という単語を打ち出している人々の間でよく聞かれるのだが、けっこう孤独である。 相談相手がいない。 協力者がいない。 極論すれば、誰も頼れる人がいないという状況で、プロの仕事をするわけさ。 あたしなんかも本来はそうだが、今はプロダクションや代理店に通っているし、仕事を通しての仲間がいて、ココロ許せて愚痴なんかも言えちゃってるわけで、すごく救われる環境だ。 ありがたい。 本来の孤独感を身に染みて知っているぶん、今の自分の環境や周りの人が本当にありがたいし、そしてそれだからこそ、ダーリンはすごいなと思う。 仕事の合間、ダーリンはもくもくと寒風吹きすさぶベランダに出て手指も凍るような水を扱い、5つの水槽の面倒まで見ている。 けなげである。 ちまちまコケ掃除をしてくれるエビに匹敵するけなげさである。 見ていると、らんちゅうの水を水槽の3分の1ほど抜き、エビ水槽から丹念にゴミをスポイトで吸い取り、その間湧かしておいたお湯でつぎたす水の温度調節をし、その途中、カメ踊り(エサをくれるのかと期待して2本足でたちあがり、首をのばしている図)をしまくっているスッポンに 「みげぇぇぇぇ~るぅ」 と呼びかけた。 すると、呼ばれたミゲール(スッポン)はぴたっととまり、じっと見上げて耳をすますのです。 スッポンと意思疎通までしておるのです。 ダーリンは、甲長約30センチ、喰らいついたらカミナリが鳴るまで離さないというウワサの(ウソだけど)スッポンをやすやすと素手でつかみ、水槽掃除の間、ここにいなさいね、とバケツに移動させる。 こういうことをすんなりできる人というのは、あまりいないのではないかしら。 過去、「スッポンを飼っています」と告白するたび、相手の反応に傷付いたりしてきたあたしとしては、実に嬉しいことであるなぁ。 そんな人をほったらかして、いやいや誕生日もすっとばして、あたしは自分の仕事ばかりしている。 申し訳ない気持ちがひたひたと、打ち寄せています。