今年の夏は、なにか夏らしいことをしようと思って、海で泳いでみた。
今年の夏は、なにか夏らしいことをしようと思って、海で泳いでみた。 浮き輪で海に浮かぶとか、ちょっと体をつけてみるとかじゃなくて、ちゃんと泳いでみた。 といっても、クロールや平泳ぎではなくて、犬かき。 犬かきしか、できない。 犬かきなら、できる。 子どものころから、犬かきはすごくうまいのだ。 ぐんぐん進む。 小学生の夏休みのプールで、友達のクロールに犬かきで勝ったことがある。母と海へ。日が沈み切る直前の、一瞬間をねらいます。 あやしげな動きで準備体操。海水浴客もひけて、誰もいない海。いざ、入浴ならぬ、入泳。なんだか、UMA感が出るなぁ。いよいよ泳ぐ。 日中、あんなに暑かったのに、海水はもう結構冷たい。 最初に体をつけるのは、ちょっと勇気が必要だった。 動いてると平気なのだけど。 さっそく、平泳ぎっぽいことをしてみたら、体が沈む! やばい、溺れる。 そうだった、私、平泳ぎできんかったわ、と思い出して、犬かきに変更。 すぐにコツをつかむ。 焦らずとも、ゆったり動いてればOKとわかる。 また、体の力を抜くとよく浮くこともわかり、急に泳いでるのが楽ちんになる。 まぁ犬かきですけど。 どんどん泳ぐ。 子どものころ飼っていた犬はとても泳ぐのがうまかった。 スイーッとすべるように、波を立てず、静かにはやく泳いだ。 その姿をイメージしながら、前足(手ですが)で海水を犬かくと、ぐんぐん進む。 体もよく浮く。 楽しくなってしばし夢中で泳ぎ、気がつくと結構遠くに来ていた。 少し休もうと立ち上がったが、足がつかない。 伸ばした足の先が、冷たい。 深いところの海水は温度が低いのだ。 こわっ。 必死の思いで、あわてて岸辺に戻る。 テンションあがったり、勇気を出したり、焦ったり、楽しかったり、怖かったり。 海で泳ぐって、短い間に気持ちが極端に行ったり来たりするんだなぁ。足のつかないところは怖いので、以降はもう、浅瀬でばかり泳ぐ。見守る母72歳と、泳ぐ娘48歳(撮影当時)。シュール。仰向けになって、海に寝転がっているのは、本当に気持ちがいい。全部、空。自分の体の音と、海のなかのいろんな音。 海というのは何か浄化の作用があるような気が勝手にしていて、とはいえ実際には海臭いし、ゴミもいっぱいなのだけど、それでも何か特別なような気がして、海から上がってみると、まるで儀式を終えたような心持ち。 よし、がんばろうと思いました。 あと、海からあがると、体がやたら重いよね。