またまたまたまた歯医者に行く
今週、ついに親知らずを抜きました。 ワタクシの虫歯になってしまった親知らずは、斜めにはえているので単純には抜けず、歯を割って取り出すしかない。 となると、ややこしいので大病院へどうぞ、とかかりつけ歯医者さんに言われ、紹介状を持って隣町の大病院とやらへ出向いてきました。 大病院は駅から徒歩すぐのいい場所にあり、エレベーターを降りて真正面のドアだった。 倉庫か何かと思うようなドア。 中も驚くほど殺風景でした。 所要時間40分か50分程度だったと思う。 ぐいぐい力を入れられて押されるので、アゴや首のあたりからメキッと聞いたことのない音が何回かしたのと、 結構おおざっぱだったので、口に突っ込まれた器具がクチビルに当たって痛かったのは耐え難かった。 そういうときワタクシはだいたい、大舞台で演奏する自分をイメージすることにしています。 これに耐えたら大舞台、これに耐えたら大舞台! 神様お願いします! と、祈るんであります。 ぐいぐい押されるのがやみ、目の前に出されたのはワタクシの歯。 あら、もうとれましたか。 とれたての歯を指差しながら、 「ここがねぇ、歯の根っこが残っているかもしれない」 と先生。 そう言いながら、なおいじるのだが、これが痛かった。 いてーーー! そうだ、痛いときは左手をあげるんだっけ、あげようか、ああもうあげようぜ。 と我慢も限界にきたとき、 「これは痛いですよね」 と言われて傷いじりがやむ。 イエースイエースそのとおりデース。 ほっとしすぎて反応できず。 結局、「よく見えない、手探りでやると神経をさわっちゃいそうで嫌だからやめる」とのこと。 歯の一部が残ってても問題ないそうです。 そうか、神経が傷ついてクチビルに感覚がなくなったらラッパが吹けなくなるんだな。 と改めて思ったときが、今回のもっとも恐ろしかった瞬間であります。 頼むぜ先生。 もう終わった後だったけど。 じゃそういうことで、と、ささっと縫われて終わり。 今回手術してくださった病院は、顔にタオルはかけない派だったので、手術中に目を開けると、人が左右に立ってのぞきこみ、口に器具を突っ込んでくる様子が間近に迫った。 昔懐かしい映画「ロボコップ」の冒頭を思い出した。 ああ、さようなら、ワタクシの親知らず。 試しに聞いてみたら抜いた歯は持ち帰り可能だそうです。 「あなたのだからね」 と、テノールボイスで先生が言う。 「包みますね」 と看護士さんが言う。 そんなわけでワタクシは、血のあふれるカナ臭い口をぴったり閉じ、脱脂綿にくるまれてビニール袋に入れられた歯とともに帰途についたのであった。今回してもらったこと(6回目)・親知らず抜歯・化膿止めの抗生物質L-ケフレックス、鎮痛剤カロナールをもらう---------------------------合計3,490円 さて最初、抜歯は2本の予定でした。 でも相談させてもらって抜くのは1本だけ、ということになりました。 その経緯を書いておきます。 今回抜いたのは左下の親知らず。 少し欠けたところがあり、そこから虫歯になった形跡があるそうで、抜くのが合理的だと納得して抜いた。 かかりつけ歯医者さんからは、 「下を抜くんだったら上も抜きましょう」 と2本目の抜歯をご提案いただいたのだが、その理由があんまり納得できんかった。 かかりつけ歯医者さんのおっしゃる理由 ・歯は上下一対で噛み合って働くもの。片方がなくなると歯並びがゆがむ ・親知らずは絶対虫歯になるので、もうとっちゃいましょう ・親知らずはなくても人間は困らない。これはあなたには必要のない歯 ・上の歯は真っ直ぐはえてますから、抜くのは簡単。ウチでできますよ そこで日を改め、 ・歯は上下一対で噛み合うべきというが、 ワタクシの場合、もともと下が傾いてはえていたため、噛み合っていなかった。 じゃぁ抜く必要はないのでは? ・親知らずは絶対虫歯になるというが、 そうならないために、有料の歯磨き指導をしてくれているんでしょう? てなことを再度、話題にし、 「人間の歯は伸びるものだから、歯並びが悪くなりますよ」 というおねえさんに 「伸びるたって、イボイノシシみたいに皮や骨を突き破ることはないですよね」 などアホな返しをしつつ、 「メリットが『管理のしやすさ』ということだけなら、抜きたくないです」 ときっぱり申し述べたところ、おねえさんが突然だまってプイッと診察室を出て行った。 あら、怒らせたかしら。 少しの不安が心細さに変わるころ、ようやく戻ってきて一言 「じゃぁ抜かなくていいそうです」 だって。 院長さんに確認に行ってたのね。 というわけでワタクシが失う歯は1本きり。 ほかは大事にしていくことに決まった。 この「抜く、抜かない問題」は、前回の歯医者さん記事の「つづく」で書きたかった話でした。 きっぱり宣言したからには、がんばって虫歯にせずに維持していこう。 していかねば。